訪問介護における人材育成の進め方。

男性に説明している女性

 

私自身の経験からいうと、訪問介護は介護業界のなかでも特に人材育成をおろそかにしがちです。

 

ほぼ教育を受けずにサービス提供責任者になっちゃった人も結構多いです。

しかしヘルパーの質の低下は、安全で安心な高齢者の生活を脅かす要因となります。

 

そこで今回は訪問介護における人材育成の進め方についてお伝えします。

 

 

本記事の信頼性
  • 介護業界11年目、現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。
  • 保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイドヘルパー、ほか
  • 制度などの解説は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

 

訪問介護おける人材育成の目的とは?

 

人材育成の目的には以下の項目があげられます。

 

人材育成の目的
  1. ケア手順の標準化
  2. リーダーの育成
  3. 制度に則った適切なサービス提供
  4. 人材流出を防ぐ

 

① ケア手順の標準化

訪問介護では、複数のヘルパーが週替わり、日替わりで利用者宅へ訪問し1対1のサービスを提供します。

その中で利用者との信頼関係ができていないヘルパーは介助を拒否されたり、最悪の場合出入り禁止になったりすることもあります。

また、

  • 「ヘルパーAさんとヘルパーBさんでケア手順が大幅に違う
  • 「ヘルパーCさんとヘルパーDさんはケア内容が違う

というようなことも発生することもあります。こうなると利用者が混乱するだけではなく、ヘルパー間で衝突が起きてしまいます。

 

利用者一人一人に合った声掛けや介助内容や方法など、すべてのヘルパーが標準化されたサービス提供が行えるよう、教育・指導を行う必要があるのです

 

② リーダーの育成

サービス提供責任者はその名の通り、現場のサービス全てについて責任を負います。

しかし、その業務は多岐に渡るため、現場で各ヘルパーに逐一指示を出すことは困難です。(事業所の規模にもよりますが・・・)

 

そのため、現場のヘルパーを円滑に回していってくれるようなリーダー的存在がいれば心強いです。

リーダー候補にはヘルパーや利用者からの信頼が厚く、頼りにされるスタッフが適していると言えるでしょう。

 

③ 制度に則った適切なサービス提供

介護サービスの提供はもちろんですが、ヘルパーはイレギュラーな利用者からの依頼にも対応しなくてはなりません。

利用者の家族に対する介護サービスなど、制度上『できないこと』があることをヘルパーは理解しておく必要があります。

この点について理解が足りない場合、「前回のヘルパーは対応してくれたのに断られた」といった利用者からのクレームに繋がりかねません。

 

④ 人材流出を防ぐ

訪問介護員の中で、登録ヘルパーは基本的に直行直帰でサービス提供を行いますので、単独で仕事をしているような感覚を持っています。

そんな中で、きちんとした教育を受けずに、自己流の介護サービスを提供しているヘルパーも多く存在します。

 

そのため

  • 事業所への帰属意識が低い
  • 指導不足から孤独感を感じている

といった状況になりがちです。簡単に退職し、せっかくの人材が流出してしまいます。

 

このような状況を防ぐために、こまめな人材育成・教育がを行っていく必要があるのです。

人材育成をしっかり行えている事業所のヘルパーは「利用者のためのサービスを頑張ろう」「働いている事業所のためにもサービスを頑張ろう」という気持ちが芽生えます。

 

人材育成をきちんとすることは、サービス提供を行ううえで利用者とヘルパーの双方にとって重要なものだということを理解しておきましょう!

 

訪問介護における人材育成の具体的な2つの方法

よしっ!のポーズの介護士女性

 

ヘルパーの人材育成方法として主なものは下記の2つです。

人材育成の方法
  1. 『同行訪問』
  2. 『社員研修』

①『同行訪問』

同行訪問ではヘルパーにサービス提供責任者が同行して、ケアについて学びます。

これはいわゆるOJTってやつです。

 

前述の通り、訪問介護は一対一で利用者にケアに当たるため、同行訪問は非常に効果的です。

またサービス提供責任者の代わりにベテランヘルパーを同行させ、新人を教育させることも人材育成の一環として有効です。

 

ただしベテランヘルパーと新人ヘルパーで同行訪問を行う場合

サービス提供責任者は業務内容についてヘルパーの理解度のチェックを随時行い、フィードバックを忘れずに実施してください。

 

理由はベテランヘルパーの技量によってはケアの手法にバラつきが生じる恐れがあるためです。

 

新人ヘルパーへのOJTは、事業所によっては「同行訪問は1回のみ」「そもそも同行訪問をしない」ということもあります・・・

これは絶対ダメです。私の経験上、新人ヘルパーの場合は許すかぎり何度も同行訪問をするほうが良いです。

 

同行訪問については下記で深掘りしてますのでどうぞ。

>>【指導の基本】ヘルパーとの「同行訪問」でチェックすべき16項目。

 

 

②『社員研修』

いわゆるOFF-JTのことで、事業所内での全体研修や外部機関の研修にて行ないます。

訪問介護において必要な感染対策や緊急時対応、法令、介護技術の実技研修などについて学びます。

 

またヘルパーにとって効果的な研修を行うために研修計画を立てる必要があります。

研修計画の立て方については下記を参考にしてみてください。

>>訪問介護事業で行うべき研修計画の立て方とは?

 

利用者ごとの介助については『同行訪問』、制度や一般的な知識習得には『社員研修』というように組み合わせて実施することが望ましいです。

 

訪問介護の人材育成における3つのポイント

 

サービス提供責任者がヘルパーに対して人材育成を行う際のポイントは下記の3つがあげられます。

 

3つのポイント
  1. 技術の進歩にアンテナを立てる
  2. 社員研修は現場のニーズに則したものが望ましい
  3. メンタルヘルスケアの重要性を理解する

1.技術の進歩にアンテナを立てる

サービス提供責任者はヘルパーに対して技術的な指導教育を行いますが、その技術は常に進歩していることを理解しておきましょう。

介護機器も時代ととも大幅に進歩しています。

数年前まで存在していなかったものが現在では利用者にとっては無くてはならないものになっていたりします。

サービス提供責任者は介護技術や介護機器に対してアンテナを立て、日々勉強していく姿勢が必要です。

 

2.社員研修は現場のニーズに則したものが望ましい

同行訪問ではヘルパー自身が直面している実際のサービスを通じて学ぶことができますが

反面、社員研修のような全体研修はどこか他人事のように感じているヘルパーが多いです。

 

全体研修では単に座学で終わるのではなく、実際の現場のに則したものを取り上げることでヘルパーからすると頭に入りやすく効果的です。

 

3.メンタルヘルスケアの重要性を理解する

人材育成を行う上で最優先すべきなのは、ヘルパーとの信頼関係の構築です。

理屈は分かったとしても、信用できない人の話は聞く気にならないのではないでしょうか。

また訪問介護では特にスタッフ同士のコミュニケーションは不足傾向にあります。

 

そのため、入社したばかりのスタッフにはメンタルヘルスケアが重要となります。

必要に応じて、面談の時間を設けるなど『不安を取り除く』のはサービス提供責任者の役割です。

 

新人・中途採用に関わらず、新入職員に対する配慮は必須となります。

たとえ相手が経験者であっても、最初は責任者が手本となって指導・教育を行いましょう。

そして、実践し必要に応じてフィードバックを行います。独り立ちはそれからです。

 

かの山本五十六の名言に
「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじ」
という言葉があります。まさにそれ!

まとめ

今回は訪問介護における人材育成の進め方を解説しました。

介護サービスの質を向上させるためには、人材の育成が必要不可欠だということを忘れないようにしましょう。

 

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