重度訪問介護における3つの問題点とは?

問題点

 

重度訪問介護は重度障害者が日常生活を送るために非常に重要なサービスですが、残念ながら万能なサービスではありません。今回は重度訪問介護における問題点、課題を3つ提示していきたいと思います。

 

スポンサーリンク
本記事の信頼性

介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。

保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイヘル、ほか

制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

問題点①:重度訪問介護では経済活動は対象外となっている

work

 

重度障害をもっている方で、在宅勤務や会社で勤務されている方はたくさんいらっしゃいます。

2019年には、ALSを患い人工呼吸器を装着した舩後靖彦さんが参議院議員に当選したというニュースも記憶に新しいですね。

しかし、重度訪問介護では、就労中の支援は認められていません

 

 

通勤時にサポートを受けられない

重度訪問介護は、外出も含めて移動支援と介護を一体的に提供するサービスですが、外出は「社会生活上必要不可欠な外出、社会参加のための外出」に限られています。

「通勤、営業活動等の経済活動に係る外出」などは除くとされています。

このため、重度障害をもっていても自宅で就労している利用者は、その時間帯には重度訪問介護が受けられないのです。

 

利用が進まない企業対象の助成金制度

これに対して政府は、就労中における介護サービスの利用については、企業が補填すべきとしてきました。

ただ、企業の負担を軽減するために、企業に対して「障害者介助等助成金」制度を設け、重度障害者である従業員に職場介助者を配置したときに助成金を支給するという仕組みを作りました。

しかし結局これも週あたり労働時間の制約や、制度そのものの周知度の低さにより利用が進まず、うまくいっているとはいえません。

 

 

スポンサーリンク

問題点②:重度訪問介護において「児童」は基本的に対象外

障害児

 

重度訪問介護は、実は18歳以上の重度障害者がサービスの対象とされています。

 

 

重度訪問介護で児童が対象外になる根拠は?

 

障害者総合支援法第5条の3には、以下のように記載されています。

この法律において「重度訪問介護」とは、重度の肢体不自由者その他の障害者であって常時介護を要するものとして厚生労働省令で定めるものにつき、居宅又はこれに相当する場所として厚生労働省令で定める場所における入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜及び外出時における移動中の介護を総合的に供与することをいう。

 

「障害者」の定義は、同法第4条で「障害のある18歳以上の人」とされています。そのため、18歳未満である障害児は重度訪問介護の対象ではない、とされてしまうのです。

 

重度訪問介護が使えないことによって親の負担が増大

居宅介護や移動支援などの短時間サービスで児童をサポートすることは可能ですが、それらのサービスだけでは重度訪問介護のように長時間にわたって生活全般をサポートすることは難しいです。

そのために親の負担が増してしまいます。

まだまだ「障害児の介護は親がするもの」という認識が社会に残っているといえるでしょう。

 

 

スポンサーリンク

問題点③:重度訪問介護は常に人手不足・・・

人手不足

 

訪問介護職はきついイメージで、なかなか人手がない…と言われています。

その中でも特に重度訪問介護は顕著に人手が不足しているといえます。

長時間勤務、夜間帯もあること、難病に対してのより高い介護技術・知識が必要なこと…などのマイナスイメージがあり、働いてくれるヘルパーがなかなか見つからない、といったケースも多いです。

 

 

時間的拘束の多い重度訪問介護

常時支援を要する重度訪問介護では、居宅介護などとは異なり、1回の支援が長時間に及び、夜間勤務が必要なケースが多いです。

日常生活のなかで利用者の見守りをしながら、合間に身体介護や生活のサポートをするので、

「居宅介護などと比べれば仕事が楽なんじゃないの?」

と思う人もいるかもしれません。

しかし、重度障害者をケアする重度訪問介護では、ヘルパーは長時間拘束されるなかで急変や緊急時の対応に迫られるという緊張感やストレスのもとでケアを行うことになります。

 

高度な介護技術・知識が必要な重度訪問介護

重度訪問介護で行う身体介護は、寝たきりの高齢者の体位交換するのとは全く異なる場合が多々あります。

利用者個々の障害や疾患に応じて身体介護を行う必要があり、それ相応に高い技術や知識を要します。

また一定の条件下になりますが、利用者の痰吸引や経管栄養などの医療的ケアを行う必要も出てくるかもしれません。

 

以上のほかにも、重度の精神疾患や行動障害がある場合は暴言や暴力をふるってしまう利用者もあります。

そのような問題があるため、重度訪問介護を敬遠するヘルパーも少なくないのが現状です。

 

スポンサーリンク

まとめ

今回は重度訪問介護における問題点を提示しました。

  1. 重度訪問介護は通勤時のサポートができない
  2. 重度訪問介護は児童は対象外である
  3. 重度訪問介護のヘルパーの人手不足

 

この3点が大きな問題点であるといえます。残念ながら解説策を提示することはできませんが、共有できたらと思い執筆した次第です。

最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました