24時間の支援「重度訪問介護」は実際にどのように利用されているのか?実用例を解説

重度訪問介護は実際にどのように利用されているのか

 

障害者総合支援法に基づくサービスである「重度訪問介護」

長時間の利用が可能な重度訪問介護をうまく使えば、どれだけ重たい障害をお持ちの方でも、暮らしたい地域の中で自立して24時間365日の暮らしを実現させることを目的としたサービスです。

 

そんな重度訪問介護ですが、国は推奨しているものの、実はあまり知られていないサービスでもあります。

重度の障害者を対象とするサービスが故に、地方自治体や現場に従事する者の中でも以外と知られていない場合が少なくありません。

今回は、現役訪問介護士の私が重度訪問介護サービスの実際の使われ方について紹介していきます。

ぜひ参考にしてみてくださいね!

 

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本記事の信頼性

介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。

保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイヘル、ほか

制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

24時間のサービスを受けられる重度訪問介護

障害者マークと家

重度訪問介護のサービスの大きな特徴は、24時間サポートを受けられるという部分です。

この視点から、利用者や事業所にどのような影響があるのかを見ていきます。

 

重度訪問介護は長時間の利用を前提に設計された国のサービス

重度訪問介護は、制度設計の時点から長時間の利用を前提としたサービスとして設計されています。

24時間連続滞在型ヘルパー制度として、8時間勤務のヘルパーが3人交代でサービスを提供するというのが元々の制度設計でした。

通常の訪問介護の場合、ヘルパーが利用者の自宅を訪問し、限られた時間内で必要な介護を行うピンポイントのサービスですが、

重度訪問介護の場合は家庭内での「見守り」を基本としながら、排泄や体位変換など必要に応じてサービスを受けられます。

また、訪問型サービスでありながら、外出の支援も受けられるため、重度訪問介護を利用することで地域生活が非常にしやすくなります。

 

利用を受ける身から考えると、時間に縛られず必要な時に支援を受けられるため、自分らしい暮らしを実現しやすくなる点で重度訪問介護には大きなメリットがあります。

また下記に重度訪問介護制度の詳細を詳しく解説してますので参考にしてみてください!

 

 

短時間利用には向かない

しかしながら、長時間利用が前提のサービスであるために、短時間の利用単価は非常に低く設定されています。

また、1日の中で短時間ずつに分けてサービスを提供しても、基本的に1日の支援時間を合算した時間で算定されることになります。

事業所によっては、まとまった時間ヘルパーを派遣することが困難なケースもあるのが実態です。

 

長時間のサービスを提供できない場合、居宅介護と比べて単価の低い重度訪問介護では採算の合わない事業所も出てくる点はマイナスポイントと言えます。

 

結論的には短時間利用にはあまり向いていないサービスではありますが、移動加算や重度障害者加算など、いくつかの加算要件を組み合わせることで報酬は上がってきます。

取れる加算をきちんと取っていくことが、サービス提供と事業運営を成り立たせるポイントになってきそうです。

 

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重度訪問介護は実際の介護現場でどのように利用されているのか?

車いすを押している女性介護士

 

24時間連続滞在という長時間利用が前提の重度訪問介護ではありますが、24時間連続した利用ではなく、短時間からでも利用できるサービスです。

しかし、事業所的に使いづらいサービスの場合はいくら魅力的な制度でも機能しないことがあります。

ここからは、実際のところ重度訪問介護がどのような使われ方をしているのかについて触れていきます。

 

重度訪問介護での日中・夜間の長時間サービス

最も一般的な使用方法ですが、日中や夜間帯に長時間ヘルパーが支援を提供します。

サービス内容としては

  • 調理などの家事援助
  • 排泄介助、食事介助などの身体介護
  • 喀痰吸引などの医療的ケア
  • 就寝中の利用者への見守り

など、必要に応じてケアを行います。

ちなみに夜間帯でヘルパーが寝ている時間(休息時間)は算定できませんので注意してくださいね。

 

重度訪問介護を使って外出のみ行うケース

外出には、移動支援や同行援護、行動援護などのサービスが使われますが、移動型サービスの併給は基本的にできないので、重度訪問介護サービスの支給を受ける利用者の外出は重度訪問介護の移動加算を使用します。

短時間利用の場合、訪問型サービスとしては単価が低い設定ではありますが、外出支援の中では報酬単価は悪くありません。

あくまで重度の障害を持つ方の支援を行うサービスなので、それなりの報酬単価になっています。

そのため、24時間といった長時間の利用でなく、買い物や余暇など外出の支援のみ行う場合もあります。

 

各ご家庭の状況や利用者本人の希望に合わせた上ではありますが、外出のみで重度訪問介護を活用する場面もあるのです。

 

重度訪問介護で日中の「見守り」のみを行うケース

グループホームを利用されている方で、普段は日中に生活介護等で出かけられている方も土日にはグループホームで過ごすことがあります。

この時、グループホームに世話人や生活支援員を配置する場合、グループホームの体制によっては事業所側にサービス報酬が入らず人件費のみかかってしまうことがあります。

その場合に、日中の間の見守りや必要な介護を重度訪問介護のサービスで行うことで事業運営的な負担を軽減することも可能です。

長時間設計のサービスである重度訪問介護は「見守り」が可能なので、使い勝手が非常に良いと言えます。

ただし、同一事業所が同一日に重度訪問介護と居宅介護を請求することはできません。

なので、日頃から朝や夜に居宅介護を使っている方の場合は、その時間を重度訪問介護のサービスにして日中の時間と合算した時間で請求をかける必要がある点は注意が必要です。

 

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まとめ

今回は重度訪問介護が実際の現場でどのように利用されているのかを解説しました。

重度訪問介護は長時間でも短時間でも利用でき、見守り支援が可能なため幅広い場面で活用できる柔軟なサービスであることがわかります。

家庭や本人の希望・状況はもちろん、事業所の体制によってもその使い方は様々です。

制度を良く理解し、利用者本人が望む地域生活の実現にぜひ役立てていただけたらと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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