介護・障害福祉分野における訪問介護のサービスに共通して「2時間ルール」というものが存在します。
利用する側も、サービスを提供する側も適切な制度利用のため把握しておく必要のあるものです。

今回は、重度訪問介護にもこの2時間ルールが適用されるのか?
について解説していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね。
そもそも2時間ルールとは何か?
例えば、20分のサービスを行った1時間半後(2時間未満の間隔)に30分のサービスを行った場合、20分と30分で別々に報酬算定せずに、合算して50分のサービスを行ったとして報酬算定してくださいねということです。
詳しくは下記の記事で解説してますのでよかったら参考にしてみてくださいね。
2時間ルールがなぜ必要なのか?
2時間ルールが設けられている理由は、報酬設定に理由があります。
報酬単価は基本的に30分刻みで上がります。(家事援助は30分からは15分刻み)
しかし、シンプルに30分刻みで倍々に上がっていくわけではありません。
むしろ居宅介護においては、短時間のサービスの方が報酬単価が高く設定されています。
そのため、先の例の20分と30分のサービスであれば、どちらも別々のサービスとみなしてもらえる方が事業所側の収益が上がるのです。
訪問介護は、あちこちのご自宅に移動することも考慮して短時間のサービスでも高単価に設定されていますが、それだとあえて短時間サービスを何度も提供する形にしてしまえば事業所に入る報酬が高くなってしまうという落とし穴になっていました。

そのような不正な報酬算定を未然に防ぐ対策として、この2時間ルールという制限があるということですね!
重度訪問介護に2時間ルールはあるのか?
では本題です。
重度訪問介護に2時間ルールは適用されるのか?についてですが
そもそも重度訪問介護は、算定方法として同じ事業所が1日に複数回のサービスを提供した場合には1日の通算時間で算定をすることになっています。
なので、2時間ルールのあるなし以前に「1日の合計時間で算定するルール」になっています。
つまり重度訪問介護の場合は2時間ルールそのものを考える必要がないということになります。
まとめ
今回は重度訪問介護では2時間ルールは適用されるのかについて解説しました。
福祉サービスには様々なルールがあり、利用者の生活はもちろん、事業所の運営を成り立たせるために、これについてきちんと把握する必要があります。
大切なことは、サービスについてのルールを把握しながら、利用者の望む暮らしを実現するためにはどのサービスが適切か?どのくらいのサービス量が必要か?を考える本人主体の考え方です。
その上でサービス提供をしたり、支給量を増やしてもらうよう掛け合ったり、制度改善の要望をしたりする必要があります。
例えば、介護保険の訪問介護にも2時間ルールはありますが、現場の声から部分的なサービス頻度が増える看取り期の利用者については2時間ルールをなしに報酬算定しても良いという変更がありました。
現行の福祉制度は、そのような現場の声から成り立っていると考えれば、制度はただ守るだけのものではなく、作り上げていくものだと言えます。
そのために、今ある制度についてしっかり学んでいきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。