重度訪問介護で関わる精神障がい者ってどんな人?

重度訪問介護で関わる精神障害とは?

 

重度訪問介護は精神障がいのある方でも使えることをご存知ですか?

身体的に重度な方が重度訪問介護を使うケースが多いですが、精神障がいや知的な障害をお持ちの方でも使用できるのです。

しかし、そういった身体的な介助の必要がない方で重度訪問介護を使用する方がどんな方なのかあまりイメージ湧かないですよね?

 

ここでは私が実際に経験した重度訪問介護を使う精神障がいをお持ちの方のエピソードをお話しすることでそのイメージを掴んでもらえたらと思います。

 

 

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本記事の信頼性

介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。

保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイヘル、ほか

制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

重度訪問介護を利用する精神障がい者のエピソード

女性介護士と男性利用者

 

今回は重度訪問介護を使う、精神障害をお持ちのAさんのエピソードを紹介します。

 

重度訪問介護を使う精神障がいをお持ちのAさんのエピソード

 

Aさんは自閉症、知的障がい、精神障がいをお持ちの40代の方でした。

 

発達年齢は6〜7歳ほどで、基本的な会話や日常的なケアについて大きな問題はありませんでした。

 

しかし、様々な障害に加え、心臓が弱く体が冷えやすいことや素早く動けないと、手先が不器用といったことでストレスが高くなりやすい状態が掛け合わさると

時折不満が強くなる方でした。

 

また、Aさんは親御さんが高齢であることもあって、自宅を出て地域のグループホームで生活することを余儀なくされた方でした。

自分がなぜ家にいられず、グループホームに住まなければならないのかを、正確に理解し納得することはできていない状況でもありました。

 

Aさんとの大変だったエピソード

私が寒い季節に重度訪問介護でAさんがお住いのグループホームに上がると

イライラとされているAさんがいらっしゃいました。

 

グループホームの職員がいない9時〜16時の7時間を見ていましたが、なざイライラしているのかホームの職員さんに確認すると、どうやら先日お昼間の作業所の人から作業を急かされたと感じたらしく、それについて怒っている様子でした。

 

「早くやれって言うけど、じゃあぐちゃぐちゃになっちゃうぞ!」と時折自室で大きな声で叫ばれていました。

 

気を紛らわそうと大好きな絵を描く時間を提案したり、お茶どうぞとお出ししたりしましたが、聞く耳持たず、地団駄踏んだりしていました。

 

困ったなぁと思いながらもそばで見守りしつつも、ずっとイライラされてる人が目の前にいると、だんだんとこちらもイライラしてくるものです。

 

Aさんがイライラして机を遠ざけるように押した衝撃でお茶をぶちまけてしまったタイミングで、私は「何してるんですか…」と言ってしまいました。

 

その一言で完全に切れてしまったAさんは室内の物干し竿を破壊し始めました。

 

私は室内から避難して本人の目につかない場所へ行き事業所本部への連絡。

その間Aさんは私が避難して逃げた扉にめがけて壊した物干し竿のパイプを何度も突きつけ、扉をと付近の壁を破壊していました。

 

今回はシンプルに私の専門職としての意識が低いために出てしまった情けない発言が原因ですが、精神障がいや重度の自閉症を持っている方の重度訪問介護は身体介護とは全く異なる知識や技術が必要です。

 

身体的介助はほとんどありませんが、ストレスフルになると非常に不安定なことが多く、その時間の見守り支援は相手のことを良く理解していないと危険になることもあります。

 

今回作業所の人に急かされたことがあってイライラとされていましたが、そもそも

  • 冬の寒い時期で手足が痛い
  • なぜ自分がグループホームにずっといなきゃいけないのか分からない
  • 実際は急かされたというより、作業量が少し多くて「この時間までにこれだけの量をやらなきゃいけない」という精神的な負担がストレスになっていた(やりきれなくても大丈夫ということは伝えられている)

 

などなど、状況を整理すると1番に実家で生活できなかったことがストレスの原因であることがわかり、その上で時期的なストレスを感じやすかったこと、ご本人の理解の部分に強い障害があることなどが見えてきます。

 

 

Aさんとの楽しいエピソード

しかし、普段からこのように大変なわけではありません。

Aさんは人に自分の集めているおもちゃを見せて反応してもらうのが好きな方なので、グループホームに伺うと笑顔でおもちゃを見せてきます。

「ピカチュウですか?可愛いですね」と伝えると嬉しそうに笑ってくださいます。

 

また集めたフィギュアを使って、Aさんの持っているすごろくで遊んだりもします。

一緒にテレビや映画を見たり、ご飯も一緒に作ってたこ焼きを上手に作れて嬉しそうにされることもあります。

 

配慮された環境で、日常にストレスフルなことがなかったり、楽しいことで満たされている時のAさんは非常に穏やかで、ヘルパーにお茶を出してくれたり、肩を揉んでくれたりもします。

そうして「ありがとうございます」と感謝されることが大好きな方なのです。

 

そういう時は、グループホームにお邪魔してから、基本的に一緒にテレビを見て、時間を見て食事を作り、食事を食べ、またテレビを見たり一緒にボードゲームをしたりして1日が終わります。

 

 

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なぜ精神障がい者のAさんが重度訪問介護を使えるのか?

?と思っている女性

 

後半のエピソードを聞くと、なぜAさんが重度訪問介護を使えるの?と思うかもしれませんが、前半のエピソードのように配慮が欠けた状況である場合のAさんは他害に及ぶ行為、不適切な行為が非常に顕著な方なのです。

 

重度訪問介護の受給条件は

①次の2項目のいずれにも該当している方

  • 二肢以上に麻痺等があること
  • 障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれも「支援が不要」以外と認定されていること

のように身体的な項目がメインになっていますが、

 

②障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である方

も受給条件に入っているので、身体的な介護の必要がないAさんも行動関連項目の点数が高いために重度訪問介護を使用できます。

※身体介護の必要がないと記述しましたが、実際は歯磨きや薬の塗布など身体介護に含まれる内容も行なっています。

 

 

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まとめ

いかがでしたでしょうか?

重度訪問介護は身体介助がメインと思われがちですが、そうではない方でもそのサービスを利用される方はいらっしゃいます。

重度訪問介護サービスを使うことがご本人やご家族のご要望に沿っていて、かつ事業所の運営的にも理にかなっているという前提で、うまくこのサービスを活用していただければと思います。

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