高齢者によくみられる病気のひとつ「硬膜下血腫」とは?訪問介護で気を付けたいポイント

硬膜下血腫

頭をぶつけたり、転んだ後は要注意

脳は正常な判断や体を動かすための司令塔です。

強くぶつけたり、転んだ後に血の塊ができる事で認知症に似た症状が出ることがあります。

正しく知って早めに対処する事で防げる症状でもあります。ここではそんな硬膜下血腫の原因や症状、治療についてお話します。

 

くらたろう
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今回は高齢者によくみられる病気の一つ「硬膜下血腫」について訪問介護で気を付けたいポイントを解説します!

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高齢者によくみられる病気のひとつ「硬膜下血腫」とは?

車いす

 

硬膜下血腫は頭を打ったり尻もちをついたりと脳が強く揺さぶられた時などに、血管に傷がついてシワジワと出血して塊をつくり、脳を圧迫する病気です。

脳は「頭蓋骨」「硬膜」「クモ膜」「軟膜」と言う様々な膜で覆われ、髄液と言う水が脳の周りに満たされる事でちょっとの衝撃ならば障害されにくい構造になっています。

しかし、転んで頭を強くぶつけたり思い切り尻もちをついてしまった、高い所から落ちた、事故など脳が強く揺さぶられた時などに血管に傷がついて出血することがあります。

血腫をつくるまでは数週間~数か月と言われていますので事故や転落など、よほど大きな衝撃でなかった場合は受傷直後の検査で出血が見つからない事もしばしばあります。

受傷から症状の出現まで時間が空くため、自分でも頭をぶつけた事や転んだこと自体忘れてしまっている場合もあります。

脳自体の損傷はほぼ無いため適切な治療をすれば治る確率は高いとされています。

 

どんな症状が出るの?

急性の場合は、受傷直後から意識障害がみられます。脳挫傷を起こしていると手足麻痺、言語障害が現れます。ただし高齢者の場合は症状がゆっくりであるため分かりにくいと言われています。

慢性の場合はジワジワと出血する事で、ゆっくり脳の圧迫が進み症状が現れます。ふらつき、頭痛、吐き気、眠りがち、手足麻痺、記銘力障害、認知症のような症状が現れます。

 

硬膜下血腫の検査と治療方法は?

CTやMRIといった画像診断で発見されます。

発見された場合は手術になる事が多いのですが、高齢者や血腫が小さい場合などはそのまま経過をみる事もあります。

この場合、定期的にCTやMRIで血腫が大きくなっていないか、脳を圧迫していないか、症状が出ていないかなど経過を追ってみていきます。

手術になった場合、頭蓋骨に小さい穴をあけて血の塊を除去したり、管を入れて溜まっている血液を数日かけて体の外に出すなどの処置が行われます。

 

後遺症は?

「高次機能障害」と言って脳の一部にダメージを負うことで言語、思考、記憶、行為、学習、意思などの知的機能に障害が残ったり、集中力の低下や感情のコントロールができにくくなる事があります。

リハビリで元の状態に近づけるような訓練が行われますが、完全には戻らない場合もあります。

 

どんな人がなりやすい?

血液をサラサラにする薬を飲んでいる人は出血が止まりにくいためリスクが高くなります。

他にもアルコールを多く飲む習慣のある人、動脈硬化や膿委縮の合併症で発症する場合もあります。

 

 

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「硬膜下血腫」について訪問介護で気を付けたいポイント

車いすを押している女性介護士

硬膜下血腫について解説しましたが、実際の介護現場でヘルパーが気を付けるべきポイントを下記にまとめています。

 

まずは「転ばない」工夫を

血栓予防の薬や血をサラサラにする薬を服用している方は少しのケガでも出血します。そのためまずは転倒予防が第一です。

そのためにまずは自宅内の環境を転倒しないように工夫しましょう。例えば、家の廊下やお風呂に手すりを付けることも重要です。

また「ちょっとそこまで」でもサンダルではなく、かかとの付いたスニーカーや上靴タイプの靴をはくことや、自宅内でもスリッパなど滑りやすい物はできる限り使用しない方が良いです。

他にも、普段から歩く時はすり足ではなく、きちんと足を上げて歩くように意識していただくことも大事です。

 

利用者の普段の様子をしっかり観察しておく

血液サラサラの薬を飲んでいる、透析を受けている、血圧が高いなどの場合は軽い衝撃でも出血を起こす場合があります。普段から行動や言動に注意しましょう。

  • もうろうとしている
  • 呂律が回っていない
  • 頭痛が続く
  • 茶碗や箸をよく落とす
  • 急に失禁するようになった
  • 歩き方がぎこちない
  • ぼんやりしている
  • 吐き気がある
  • ふらついている
  • 物忘れが急に加速した
  • よく眠気を訴えるようになった

など

 

強くぶつけたり、頭に衝撃を受けた場合には医療職と連携を

車の乗り降りでドアのヘリに頭をぶつけてしまったり、ベッドの柵に頭をぶつけたなどの軽い衝撃でも出血する可能性があります。

またぶつけた日をメモして日常の行動を観察しましょう。おかしいな?と思ったら迷わず医療職に報告をしましょう。

 

アルコールの多飲は注意しましょう

酔っぱらっていると足元がおぼつかず転倒の原因になりますし、アルコールによる血圧の上昇も出血の原因になる事があります。

また長年アルコールを飲む習慣がある人は脳の萎縮が進む傾向にあると言われています。脳の萎縮が進むと出血しても症状が起こりにくく発見が遅れる場合があるので利用者が飲みすぎている場合は注意しましょう。

 

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さいごに

今回は高齢者によくみられる疾患である「硬膜下血腫」について解説しました。

脳にダメージを受けた場合、外側からは出血やダメージ箇所を確認する事はできませんが「いつもとは違う」症状が現れることが多いので注意深く観察する事が大切です。

日常生活の中でできていた事が出来なくなるなど周囲が気付く場合や、本人が体を動かしにくいなどの症状が現れたら通院するか医療職へ報告しましょう。

硬膜下血腫は一見、認知症と間違いそうな症状もありますが、受傷日をメモしておく事で病院受診の時に医師への説明がスムーズになります。

頭に衝撃を受けた場合は早期に受診して、その後も経過をみる事が大切になります。

早期発見と適切な治療で脳のダメージも小さく済みますので注意しておきたい病気の1つです。

最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。

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