みなさんは認知症に関する資格は結構たくさんあるのはご存知ですか?
知らない方も多いでしょうが、実は民間の資格で言うと、認知症ケア指導管理士や認知症ライフパートナーなど様々な認知症に関する資格が存在しています。
その中の一つである認知症ケア専門士は日本認知症協会が認定している民間資格です。
今回は、認知症ケア専門士は上記に挙げた認知症の資格と比較して
- どのような特徴があるのか
- どのような過程で取得できるのか
- そして取得してからの認知症ケア専門士の活かし方
をお伝えします。
資格の内容と認知度はどの程度?
それぞれの認知症の資格ごとに特徴があり認知度も全然違います。
ではそれぞれの資格を見ていきましょう!
認知症ケア指導管理士
- 認知症の事について広く浅い知識で認知症のケアについて指導することに観点を置いています。
- 2年ごとの更新制ですが掛かる費用は比較的安いです。
- 認知度は低く介護職でさえ知らない人の方が多いのが現状です。
認知症ライフパートナー
- 認知症の人とのコミュニケーションやレクリエーションなどに観点を置いた実践向けの資格です。
- 認知度は低いですが、資格の認知度よりも実践で使えるという意味では使いようがあるでしょう。
- 認知症ケアについてコミュニケーションやレクリエーションの方向からアプローチしたい方向けの資格です。
認知症ケア専門士
- 5年毎の更新制で間に講演や事例検討会の参加や論文投稿などの方法で単位を集める必要があります。
- 認知症に関する民間の資格では最も認知度が高いです。
- 比例して資格保持に掛かる費用も最も高いです。
- かなり学術的な資格です。認知症ケアに学術的な方向からアプローチしたい方に向いています。
認知症ケア専門士の資格を取得する方法
では実際に認知症ケア専門士になるにはどのような過程が必要なのでしょうか?
認知症ケア専門士の受験要件
認知症ケア指導管理士や認知症ライフパートナーには、受験要件がありません。
それに対して認知症ケア専門士の受験要件は、認知症ケアに関する業務に3年以上従事していることです。
この期間分の勤務証明を事業所に書いてもらいます。
試験は長い道のり
受験要件を満たし証明も書いてもらえる場合は、試験の中身が気になることと思います。
認知症ケア専門士の試験は
第1次試験
第1次試験は、4科目全て合格点に達していなければなりませんが、第1次試験としては不合格でも合格点に達している科目は、向こう3年に限って再試験を免除されます。
第1次試験に合格すると、第1次試験の合格通知に論文のテーマが同封されてきます。
論文のテーマは事例2つに関するもので、あなたであればどのようなケアを展開するか理由も付して一定文字数以下で答えなさいという内容です。これを期限内に郵送しなければなりません。
第2次試験
6人1グループに割り振られ順番が来ると別室に移動し、その部屋の前でディスカッションのテーマを提示されます。5分間考える時間が与えられ、入室します。
1人ずつ1分で自己紹介とテーマに関する事を話します。これは1分経つときっちり切られますが短すぎてもいけません。
全員1分の持ち時間を話した後は、ディスカッションを始めます。
試験官は、ディスカッションを聞いていますが、進行には関わらない為、誰も話を振ってはくれませんから、自分から積極的に話そうと加わらなければなりません。
第2次試験は、持ち時間に話した内容とディスカッションで話した内容に加えて、事前に提出している論文の内容で、認知症ケアの資質を総合的に判断するとされています。
同じ年の同じ会場でもグループによっていくつかテーマがあるのでどんなテーマが当たるか分かりませんが、私のグループは「尿意を訴えた利用者に対してどの様に対応しますか?」というものでした。
取得した資格の活かし方
ここからは資格を取得してからどうやって資格を活かしていくのかを、それぞれの資格ごとのに見ていきましょう。
認知症ケア指導管理士の活かし方
認知症ライフパートナー活かし方
認知症ケア専門士の活かし方
- 講演や事例検討会、無料で定期送付の認知症ケア事例ジャーナル(認知症ケア専門士以外は有料で定価2000円弱)などで参考に出来る事例の数が圧倒的に多いので介護現場で活用する。
- 認知症ケア専門士は名前や属する事業所名や事業所の電話番号などがネットに掲載してもらえるので、営業ツールに活用する。認知症ケア専門士がいますというステッカーも貰えます。
- 認知度も比較的高いので認知症ケア専門士を雇用することは事業所にとってメリットがあるため転職に使えます。
最後に
今回は認知症ケア専門士の取得過程と認知症ケアに関わる資格の活かし方を紹介しました。
取得までは結構な期間を要しますが、取得するメリットは十分にある資格です。
これを機会に是非認知症ケア専門士の取得を目指してみてはいかがでしょうか?