ヘルパーが利用者から受けるセクハラと対策方法を解説。【訪問介護】

女性ヘルパーが男性利用者からセクハラを受けて問題になるケースが、訪問介護では多くあります。

訪問介護は利用者の自宅で介護を提供していきますので、利用者の自宅にはヘルパーと利用者の2人だけになります。また、自宅という密室関係であることからセクハラが起こりやすいといえます。

これがデイサービスであればセクハラが行われることは少ないですので、やはり密室の場所で2人でいることはセクハラが起こりやすい関係になりがちなのが実情です。

 

なぜセクハラが行われるのか、またセクハラが起きてしまった場合の対策方法について紹介していきます。

 

なぜセクハラが行われるのか

セクハラを行う事情は人それぞれです。しかし、なぜセクハラを行うのか理由があるかと思います。その理由によっては対策方法が異なりますので、理由を把握することが次の対策のヒントになるのです。

 

寂しさや孤独感からくるもの

利用者は社会との接点が少ないまま長年過ごしている人も多いです。常に孤独感を持っていて親身になってくれる人に好意を抱きやすくなります。

ヘルパーは仕事で介護を提供していますので、出来るだけ親身になり親切に対応をしていきます。その対応を利用者は自分に好意があるのではないかと勘違いしてしまうことがあります。

こういったケースは自分に好意があるのでセクハラをしても問題ないと思っているため、ヘルパーが拒否をすると逆上してしまいますので注意が必要です。仕事としての関わっている事を理解してもらう距離感がポイントになります。

 

病気から来るもの

セクハラが病気から来る場合もあります。これはセクハラだけに限らず問題行動がある場合、まず病気について疑うようにしましょう。

ピック病という認知症に似た病気があります。これは反社会行動をとってしまう病気であり、突発的にセクハラや暴力などを起こしてしまいます。いつも穏やかな方が急に顔色を変えてセクハラをしてきたなどの場合はピック病を疑うことが出来ます。

 

ヘルパーに不満を持っている

ヘルパーに嫌がらせをする為にセクハラをするケースも少なからずあります。この場合は言葉のセクハラが多いといわれています。明らかにヘルパーに嫌われるようなセクハラの言動がある場合は、ヘルパーと利用者の関係性を見直すことも対策の一つです。

 

家族に不満を持っている

家族が相手にしてくれないから、ヘルパーにセクハラをするという場合もあります。この場合誰にも相手してもらえないから寂しさの裏返しでセクハラをしてしまいます。

家族を含めた対策が必要になります。

 

 

セクハラが起こってしまった場合の対応方法

セクハラが起こってしまった場合は、どのように対策をしていくのが望ましいのでしょうか。ここではヘルパー目線、事業所目線での対応をご紹介していきます。

 

介護中にセクハラに合ってしまった場合

ヘルパーが自宅に伺い介護をしている最中にセクハラが行われてしまった場合、すぐに拒否してしまって良いものでしょうか?また拒否できなくてストレスをためてしまっているヘルパーも多いと思います。

少し良くある事例をもとに見ていきましょう。

 

 

(例)ヘルパーに対して恋愛感情を持ってしまい、下半身の話ばかりする利用者

非常に多くみられるケースです。新人ヘルパーはこういったセクハラに会いやすく、引いてしまうことも多いと思います。

前述したとおり、社会との接触があまり無いまま長年過ごしている利用者が大半です。そんな中で訪問してくれるヘルパーは数少ない生身の異性となります。すると親身に接してくれるヘルパーに疑似恋愛のように感じてしまうことがあります。

自分に好意があるのではと勘違いしているということです。

この場合直接「やめてください」「困ります」といきなり拒否的な対応をしてしまうと、逆上してしまう場合や深く心に傷をつけてしまう可能性があります。

 

こういった利用者への対応は、まず親身に接してはいるが、プライベートではなく仕事ととして訪問しているという姿勢を見せていく必要があります。意識的に距離を置く態度をとっていくことで自然と疑似恋愛を消化させていくことがベストです

下半身の話をしてくる場合も基本的には軽く受け流すことが大事になります。

 

何度も同じように下半身の話をしてきたり、体に触れてくることがあるようであれば「やめてください。このようなことをするとヘルパーが訪問できなくなります。上司に報告します」と毅然とした態度で伝えましょう。

利用者にとって一番困るのはヘルパーが訪問してくれなくなることです

またセクハラにあった場合は必ず担当のサービス提供責任者に報告と相談をしましょう。我慢して介護をする必要はありませんがが、後々のトラブルにならないように事業所には必ず連絡をしておくことをお勧めします。

 

 

(例)ヘルパーの個人携帯の連絡先をしつこく聞いてくる

このようなケースも非常に多くみられます。「用事を思い出した時にすぐに伝えないと忘れるから」なんて聞いてくることもしばしばあります。困りますと伝えても「自分を信用できないのか」と怒ってくる利用者もいます。

個人携帯の連絡先を教えてしまうと、まず間違いなくトラブルになります。時間が立つにつれて用事以外にも連絡をしてくることが増えてくる可能性があり、ヘルパーさん自身も重荷に感じてしまう恐れがあります。(気づかない内に人間同士の関係性は変わっていきます・・・)

 

こういった利用者への対応は「ヘルパーは利用者との個人的な連絡は職務上取れないので連絡は事務所にいれてください」と毅然とした態度で接していくことが大事です

社会との接点が少ない利用者にとってはヘルパーとの親密さを確認したい事への現れが大半で、「事務所に連絡を入れてくれたらヘルパーにちゃんと伝達されるので安心してください」と利用者の気持ちを汲んだ返答を行うことも忘れてはなりません。

ヘルパーサービスはヘルパーと利用者の一対一ではなくチームで関わっているということを理解してもらうことが大切になります。

 

 

サービスに入る前にサービス提供責任者等に利用者の事をしっかり聞いてから引き受ける事が大事です。セクハラを行う利用者は過去にも同じようなことをしている可能性もあります。女性ヘルパーは自分自身を守るためにも男性利用者のサービスに入る時は事前情報を知っておきましょう

ヘルパーからセクハラ被害の訴えがあった場合

ヘルパーから介護中にセクハラにあったと報告をうけた場合に事業所としてはどのように対応すれば良いのでしょうか?

 

セクハラの事実確認を行う

事業所としては、まず事実確認が大切になります。利用者の自宅を訪れてしっかりと事実確認をするようにしましょう。この場合、出来るだけ男性の職員を連れていく方が良いでしょう。

セクハラをする利用者は女性を軽視する傾向が高いですので、女性の職員だけで話を聞きにいってもまともに対応をしてくれない可能性もあります。また、事実を話さない利用者も多いですので、その辺りは十分注意しましょう。もしヘルパーからセクハラ被害を受けた報告があれば、そのヘルパーを配置転換して違うヘルパーに行ってもらうことをお勧めします。

そのまま継続して同じヘルパーにいってもらうのはリスクがありますし、適切に介護サービスを提供できない可能性があるからです。

 

ケアマネに報告をする

もしヘルパーの配置転換をしたり、利用者に事実確認に行く場合はケアマネともしっかりと連携を取る必要があります。場合によっては事業所ごと違うところに変更する可能性もあるからです

また、セクハラ被害が多発している利用者の場合は、ヘルパーを2名で対応する策などがありますが、これは訪問介護事業所が単独で決めることはできません。加算などもありますのでケアマネに確認しながら行う必要があるからです。

 

まとめ

セクハラは女性にとっては不快であり、怖い思いをする可能性があるものです。そのため、ヘルパーとしてはセクハラへの対処方法を知っておくこと、事業所としてはヘルパーを守る行動を取るようにしましょう。

またセクハラを行う経緯や理由を知ることによって、対策方法も変わりますのでなぜセクハラをするのかを知ることも大切だといえます。