在宅での三大介護(排泄・入浴・食事)のポイントを解説。

3大介護といえば排泄・入浴・食事の介助ですね。3大介護はヘルパーにとっては非常に重要な介助技術であり避けては通れません。利用者からしてみても生活していく上で欠かせないものとなります。しかし、初心者のヘルパーの方であれば3大介護は難しい技術です。特に在宅での介助は施設のように物品が揃っているわけではありませんので、コツをつかまないと難しいといえます。

ここでは、初心者にも分かりやすく、在宅での排泄介助・入浴介助・食事介助を上手く行っていくためのポイントを紹介していきます。

 

スポンサーリンク

自宅で行う排泄介助の難しさ・・・

在宅で行う排泄介助は非常に難しいものです。

その理由としては施設のように、排泄介助を行う環境が取っていないことが多いからです。もちろん家によっては、施設のような環境で排泄介助ができるところもありますが、多くの場合は排泄介助を行いにくい環境であるといえます。

例えば清拭タオルがない、防水シーツがない、電動ベッドがないというものです。トイレ誘導の場合は手すりがついていなかったりもしますので、介助が行いにくいケースが多いのです。そのため施設で排泄介助に慣れている方でも、在宅ではうまくできないこともあります。

反対に考えると在宅で排泄介助がうまくできるようになると、環境が整っている施設での排泄介助は非常に楽にできると言えるでしょう。将来的に施設で働きたいと考えている方は是非、在宅での排泄介助を覚えておくようにしましょう。

排泄介助は基本的に、利用者のADLに応じて自宅のトイレへ誘導しトイレ内で行う場合と自宅のベッド上で行う排泄介助(おむつ交換)に分けられます。それぞれのポイントを見ていきましょう。

 

トイレ誘導を行うポイント

立位が取れる方がトイレで排泄を行います。しかし、立位が不安定、自分でズボンの上げ下げを行うことが難しいと言った場合は介助が必要になります。 ヘルパーがトイレ誘導を行う際に注意したいこととしては、当たり前の事ですが『安全にトイレに行く』ということです。安全にトイレが行けないとトイレ誘導も難しくなりますし、何よりも事故につながる可能性がありますので注意しましょう。

まずトイレに行く際に足元に荷物などがありますと、それに引っかかる可能性がありますので注意が必要です。トイレに行けば、立位をしっかりとってもらうことが重要になります。

立位を取ってもらってズボン上げ下げ介助が必要であれば介助を行います。人によってもズボンを下げた時に排尿してしまう方もいますので、できるだけ便器に近づいた状態でズボンの上げ下げを行うようにしましょう。

排泄時は出来るだけ本人から離れた方が排泄を行いやすいですが、ふらつきの危険性がある場合は見守りをして事故のないようにしていきます。介助が終わった後はトイレットペーパーなどで拭いて終わります。

 

おむつ交換行うポイント

在宅介護で排泄介助といえばオムツ交換です。自宅になる後トイレで排泄することが難しいことに対しておむつ交換を行います。

 

① 介護用品の準備

在宅の場合は替えのおむつ、清拭タオル、洗浄水、ゴミ袋が必要になります。ポイントとしては、 清拭は使い捨てのウエットシートを使うと良いでしょう。また、洗浄水は台所用の洗剤の空ボトルを使うのが便利です。

施設の場合は清拭タオルがありますが、これはタオルを濡らす必要がありますので、洗濯物が増えるなど在宅で使うには便利とは言い切れません。消耗品にはなりますがウェットシートの方が手間が少ないと言えます。

 

② ベッドについて

在宅介護をしている方で電動ベッドを使っていない方もいます電動ベッドを使っていない方はベッドの高さを変えることができず介護者に負担を与えてしまうことがあります。レンタルなどで借りれるのが最も良いですが金銭的な理由や部屋の広さから通常のベッドを使っている所もあります。

もし電動ベッドでない場合は、腰を痛めないように足を広げて腰を落とすようにしましょう。そうすることによって、腰の負担が軽減されます。また、できるだけ体を近づけてオムツ交換行うと身体全体で行うようになりますので、腰だけに負担をかかることを防止することができます。

 

③ オムツの当て方について

在宅では施設のように頻繁におむつ交換をすることができません。そのため、きちんとオムツを当てないと尿漏れなのが起きてしまうのです。

オムツの当て方のポイントとしては、ギャザーをしっかり立てるということです。よくあることとしては、ギャザーが外側に折れてしまって、せっかく上手くオムツを当てたとしても、尿を防ぐことができず漏れてしまうということです。ギャザーは必ず内側に折れるようにしておきましょう。

 

④ 洗浄はしっかりと行う

在宅の場合は頻繁におむつ交換を行うことができないので、しっかりと洗浄することが大切なポイントになります。洗浄はお湯だけで洗い流すのも良いですが、できるだけ石鹸などで優しく洗うようにしましょう。石鹸で洗うことで尿から皮膚を守ることができます。また、石鹸で洗浄した際は、保湿等をすることを忘れないようにしましょう。油分をしっかり補うことによって尿が付着しても皮膚を守ってくれます。

 

 

排泄介助を行うことによって快適に過ごすことができますし、尿路感染などを病気を予防することができます。在宅ではやりにくい部分もあると思いますが、しっかりポイントを押さえてうまく行うようにしましょう!

では次は入浴介護について。入浴介助は身体介護の中でも難しい部類であり、初心者の方にとっては難易度の高い介護であるといえます。入浴介助の中には、洗身や洗髪以外にも着脱介助や、おむつ交換なども含まれており、様々な技術が必要とされています。

ここでは、ヘルパーが行う入浴介助の注意点や上手に行うポイントについてを重点的に見ていきましょう。

スポンサーリンク

入浴介助で考えられるリスクについて

入浴介助を上手く行う前に、入浴介助のリスクについて知っておきましょう。リスクを知ることによって様々な危険を回避することが出来ます。

 

リスク① 転倒の危険性が高い

浴室は湯や石鹸などで床が滑りやすくなっていることがあり、転倒の危険性が高いことを認識しておきましょう。特に浴室は転倒をしてしまいますと大きな事故につながりやすくなりますので注意が必要です。

また、普段立てる人でも床が滑りやすくなっているため立ちにくくなる、移乗介助が必要になる場合もありますので、もし滑って動けなくなるような状態でしたら滑り止めマットなどを引いて対応をするようにしましょう。

 

利用者と同様にヘルパーの足も滑りやすくなっていますので、滑り止めのサンダルなどを履いて対策をすることをお勧めします。

 

リスク② 温度差に注意する

浴室と浴室外の温度差が高いと心臓に負担がかかりますので注意が必要です。特に脱衣場などが寒い状態ですと、血管が一気に収縮して脳梗塞などの危険性が高まりますので温度差には気を付けておいた方が良いです。

また、お風呂の温度自体にも注意しておきましょう。お湯張りも入浴介助の中に含まれています。あまりにも熱いお湯につけてしまい全身やけどを負わせたケースもありますし、あまりにぬるい温度だと風邪を引かせてしまうこともありますので39度前後の適温が望ましいと言えます。

 

利用者によっては「風呂は熱い湯じゃないと嫌」と昔からの習慣で熱いお湯につからないと気が済まない方もおられます。そういった方はサービス提供責任者を通じ、ケアマネや主治医に相談し対応するようにしましょう。

 

リスク③ ケガをさせやすい

通常の部屋であれば床はクッション素材になっていることもありますし、何よりも靴下や服を着用していますので多少何かにぶつけたとしてもケガをすることは少ないです。

しかし、入浴時の場合は浴槽を始めとして床も固く、側面も固い素材でできており、服を着用していませんので何かにぶつけた際はケガをしやすい環境であるといえます。

特に皮膚が弱い方にとっては、ケガをしやすくなりますので十分気を付けた方が良いといえます。

 

スポンサーリンク

在宅での入浴介助のポイント

入浴介助の危険性が分かったところで、入浴介助を上手く行うポイントについて説明をしていきます。入浴介助を上手に行うヘルパーは高齢者からしても安心できる存在で人気が高いといえます。是非この機会に上手に行うポイントを覚えておきましょう。

 

ポイント① 導線を考えることから入浴介助は始まる

導線を考えると言われてもいまいちピント来ないと思いますが、

要するに 利用者が入浴する際の脱衣から入浴後の着衣までを、危険なくスムーズに行うことが出来るような流れ を考える事から入浴介助は始まります。

利用者の身体状態を把握し、どこまで介助が必要で、どのような入浴環境が必要かを探っていきましょう。

 

ポイント② 環境を整える

入浴介助の導線を考えると入浴介助は様々な危険性が伴いますので、環境を整えることが大事になります。

環境を整えるポイントとしては、「動きやすくする」ということがポイントになります。手すりがついていると自分で浴槽から出入りできる方もいますし、立位が取れる方もいますので介助を行いやすいです。

また、浴槽の出入りを手助けするボードもおすすめですので、是非検討をしてみましょう。福祉用具であれば介護保険が適用されますので安く購入することが出来ます。サービス提供責任者に相談をして、ケアマネジャーに話を持って行ってもらいましょう。

 

ポイント③ 残存機能を生かす介助

入浴介助の導線を考えると、どこまで介助が必要かを判断する必要があります。

これはどの介助についても共通して言えることですが、入浴介助に関しては非常に大切なことになります。やはり自分で動くことによってリハビリにもなりますし、何よりも安全に動くことが出来ますので、残存機能を生かして自分でできることは出来る限り自分で行ってもらうようにしましょう。

一部分だけでも自分で行うようにしてもらうこともポイントの一つです。

例えば、

「洗身をする場合背中は自分で洗うことはできないが、足は自分で洗える」

という方もいますし、

「腕だけ自分で洗うことが出来る」

という方もいます。そういった方は、一部分だけでも自分で洗ってもらうようにしましょう。

 

ポイント④ 移乗介助は密着が大切

浴槽から出入りする際に介助をするのであれば、出来る限り密着して行うようにしましょう。体を離して行いますと手だけの力で介助を行うことになりますので、非常に不安定です。

体を密着させることによって、触れる範囲が広くなりますので体全体で支えることになって安定します

 

ポイント④ 全身のチェックを行う

入浴以外に裸を見る機会がありませんので、体に傷がないか、褥瘡が出来ていないかなど全身のチェックを行うことは非常に大切なことです。高齢者は自身でも気づいていない内に傷や発赤が出来ていたりします。是非入浴介助の時は全身を観察するようにしましょう。

特に褥瘡は早期発見が非常に大切になりますので、早期に発見できるようにしっかりと見ておくことが必要になります。

 

 

入浴での危険性や介助のポイントを説明しましたが、入浴はリラックスが出来る場でもありますので、安全に入ってもらいつつ、気持ちよく入ってもらうことも意識すると良いです。反面、説明した通り入浴介助は危険性が高く、出来る限り慎重に安全に行うようにしましょう!

最初は介助をしにくいかと思いますが、徐々に慣れてくるかと思いますので、上手に行うポイントをしっかりと意識して行うようにしましょう。

 

では次は食事介助について。食事介助も、やはり利用者にとってはかなり重要な介助になります。訪問介護では自分で食事を食べられない方に対して食事介助を行うことが多いですが、上手に行わないと食事を食べられないばかりか、誤嚥などにも繋がってしまいますので注意が必要です。

ここでは、食事介助を上手に行うポイント、事故を起こさないようにするためのポイントなどについて紹介していきます。

 

スポンサーリンク

食事形態は適切なのか?

食事を上手に食べさすことが出来ない、むせさせてしまうという場合には、食事介助のやり方もありますが、食事形態がその方に合っていないケースも多々ありますので注意が必要です。

固い食べ物は厳禁です。咀嚼(噛む力)弱い方にとっては固い食事は厳禁ですし、嚥下(飲み込む力)低下している方にとっては、水気が多い物はむせてしまう可能性が有ります。

適切な形態を提供することによって上手に食べてもらうことが出来る事もあります。

訪問介護の場合は調理と食事介助がセットになっていることもありますので、もし適切な食事形態が分からない、作り方が難しいと言った場合にはサービス提供責任者に相談して、ケアマネも含めて検討していく必要があります。調理が難しければ外部から購入するなど様々な手段があるからです。無理に調理をしようとせずに、難しければ早めの段階で相談をしておくことをお勧めします。

 

スポンサーリンク

在宅で食事介助をする際の注意点

食事は口腔内に食物を入れますので、むせ込みや詰めるなどの危険性があります。

それぞれ注意点を見ていきましょう。

 

注意点① 飲み込みを確認する

ヘルパーによっては時間に追われて、急いで食事介助をしなければいけないという思いから、次々と食事を口の中に入れて誤嚥させてしまう方がいます。

しっかりと飲み込みを確認してから次の食事を口の中に入れるようにしましょう。

窒息嚥などの危険性があることを忘れないようにしましょう。

注意点② 食事の姿勢について

食事形態と同じく重要なのは食事の姿勢です。人間の体は顎が上がると気管が開き、食道が閉まります。これで食事介助をしてしまいますと誤嚥の可能性が高くなります。正しい姿勢としては、顎を引いている状態。やや前かがみで食べている状態です。この姿勢は食道がしっかりと開きますので安全に食事を食べれます。

 

スポンサーリンク

美味しく安全に食事介助をするポイント

せっかく食べてもらうのだからおいしく食べてもらいたいと思うでしょう、また安全に食事を食べてもらうことも大切になります。どのようなポイントがあるのでしょうか?

ポイント① 温度が大切

高齢になりますと様々な感覚器官が鈍ります。これは口腔内でも同様です。食事は熱い物は熱い内に(やけどに注意)、冷たいものは冷たい内に美味しく食べる為のポイントです。

食事の準備をしているとどうしても温度が常温になりがちですが、温度を意識することによって口腔内に刺激が与えられて、味が感じやすくなったり、美味しく感じることもありますので適温で食べてもらうように心がけるとスムーズな食事に繋がります

ポイント② 声かけはどうしたらいいのか

食事介助を行う為に必要なのは声かけです。声かけをすることによって美味しく食べれますし、食事介助も行いやすくなるでしょう。食事について季節感を出した会話をするのも良いでしょう「〇〇は今旬の食べ物ですよ」「〇〇好きですよね」といった会話をすると食べやすくなります。

また、食事に関しての話題ではなく、世間話などをする事もリラックスには必要です。お勧めの方法としてはテレビを見ながら食事を食べてもらうということです。テレビも無く何もない空間ですと利用者側からしてみれば食べにくい環境であるといえます。テレビを付けることによって話題が出ますし、無言状態があったとしても特にに気にはならないでしょう。

ポイント③ 残存機能を活用する

入浴介助でも説明した通り残存機能の活用は介護の基本です。残存機能をしっかりと活用することによって、食事介助が上手くいくこともあります。食事介助をしなければいけないと思って、全介助をしてしまうとせっかく残っている機能を奪ってしまうことになりますので注意しましょう。

やはり食事は人に食べさせてもらうよりも自分で食べた方が食べやすいです。気も使いませんし、出来る限り自分で食べてもらうように工夫をしましょう。ポイントとしてはお箸や器などの食器が本人に適しているのかどうかを見る事です。

手が不自由な方では自分でお箸を使うことが難しいことが多いですが、フォークやスプーンなら食べる事も出来ます。食器が軽くて支えが無いので食べにくい場合は下に滑り止めシートをひくことで、自分で食べれる場合もあります食事介助は全ての食事をヘルパーが食べさせてあげるのではなく、出来ない部分のみをお手伝いするという意識を持っておきましょう。

 

 

食事介助を行う際には様々なポイントを説明しましたが、危険を回避することと、美味しく食べてもらうこと意識すると良いでしょう。高齢になり体が動きにくくなると楽しみは食事だけという方も少なくありません。

食事を美味しく食べてもらうことによって生活に張りが出てきますので、是非意識して食事介助を行うようにしましょう。

 

スポンサーリンク

まとめ

今回は在宅での排泄・入浴・食事の3大介護のポイントについて紹介しました。冒頭でも説明した通り、ヘルパーをするなら3大介護は必ず経験することになります。だからこそ上手く行うことが出来ればヘルパーとして、どこの職場でも即戦力として活躍することができる重要な介護技術です。少しでも今回のポイントを活用してみてください!