唐突ですが「介護職は人間関係が悪い」というイメージを持っている方は多いのではないでしょうか?
私の周りにも介護職員同士の人間関係で悩み退職していった方を何人も知っています。
では訪問介護ではどうでしょう?
施設介護に比べて「人間関係では楽」なんて言う方もいるかと思いますが、実際のところ訪問介護事業所によってはかなり人間関係の悪い事業所も存在しています。
訪問介護で働いているヘルパーさんなら人間関係が悪くなってしまい苦労した・・・
という経験したことのある方も結構いると思います。
なぜ訪問介護のヘルパー同士の人間関係が悪くなることがあるのでしょう?
せっかく働くなら人間関係で苦労せず働きたいものですよね。

そこで今回は
- ヘルパー同士の人間関係が悪くなる要因
- 人間関係が悪い訪問介護事業所の特徴
を解説します。人間関係で苦労しないためのポイントについて探っていきましょう!
訪問介護事業所の人間関係が悪くなってしまう2つの理由
訪問介護のヘルパーさん達の人間関係が悪くなりやすい理由は2つあります。
それは
- 「同じ利用者に複数のヘルパーがサービスに入っている」
- 「ヘルパー同士で仕事の調整をしている」
ということが挙げられます。
それぞれ解説していきますので参考にしてくださいね。
①「同じ利用者に複数のヘルパーがサービスに入っている」について
少し例を挙げてみましょう
【週2回調理に入っている利用者のケース】
ヘルパーのAさんは料理が得意で、非常に手の込んだ料理をして出来るだけ利用者に美味しく食べてもらおうと工夫をしていました。しかし、時々時間がかかってしまい時間がオーバーしてしまうこともありました。ヘルパーのBさんは料理はあまり得意ではなく、特に手のこんだ料理はしませんでした。時間はきっちりしており必ず毎回時間通りに終わっていました。
このようなケースの場合、利用者からしてみればヘルパーのAさんの方が『良いヘルパー』となり、Bさんは『手の抜いたヘルパー』だと評価されてしまいがちです。
Bさんからしてみれば「Aさんが余計なことをするから私の評価が悪くなる」と思う可能性は高いです。
こういった些細なことから人間関係は悪化していきます・・・
ここでは調理を例に挙げましたが、利用者からよく挙がる声としては
- 「掃除のやり方がAさんとBさんで違う」
- 「Aさんは笑顔で、Bさんはいつも不愛想だ」
といった事も起こります。
しっかりとサービス提供責任者がヘルパーに事情を聞いて、なぜそのような行動をしているのか、注意すべきところ、褒めるところを抑えておくことが大切です。
が、実際にこのことが出来ていない事業所はあります。(サービス提供責任者はなかなか忙しいです・・・)
気がついた時にはヘルパーから「あのヘルパーが入っている利用者には行きたくない」と言われてしまいヘルパー同士の人間関係が悪くなってしまいます。
②「ヘルパー同士で仕事の調整をしている」について
ヘルパーをする方は主婦の方が多いのが特徴で、家事の合間にヘルパーとして働いている方もいます。
そのため、急用などが入って仕事をキャンセルするケースも多いのです。
通常であればヘルパーが事業所に行けない旨を連絡して、サービス提供責任者が代わりのヘルパーを手配していきますが、時々ヘルパー同士で仕事の調整をしてしまうことがあります。
また、事業所によってサービス提供責任者自身が「休むなら代わりのヘルパーを探して」と指示を出す場合があります。
ヘルパー同士で仕事の調整をしていくと関係性が悪くなったり、様々なデメリットがありますので注意が必要です。
それではどのような関係性の悪化、デメリットがあるのでしょうか?
ベテランが新人をいいように使ってしまう
新人の方であれば、どうしてもベテランへルパーに逆らうことが出来ず、急な仕事を引き受けてしまう可能性があります。
新人の方に負担がかかり新人のヘルパーが続かなくなってしまうのです。
サービス提供責任者が機能しなくなる
ヘルパーが困った時に手助けをするのがサービス提供責任者です。
休むと連絡をしたにもかかわらず「自分で代わりを探すように」と言われたヘルパーは憤りを感じるかと思います。
サービス提供責任者が信頼されなくなった事業所はまとまりません。
結果、ヘルパー同士の関係性は悪くなってしまいます。

こういったヘルパー同士でのやり取りは行われやすいです・・・
トラブルも多いですので、事業所を必ず通してもらうようにしましょう!
人間関係の良い訪問介護事業所の2つの特徴
ヘルパー同士の人間関係が良くお互いが助け合えている事業所は全体の雰囲気が良いものです。
人間関係の良い訪問介護事業所は2つの特徴があります。
それは
- ヘルパーが集まる機会をしっかり設けている
- サービス提供責任者が機能している
たった2つですが、非常に大事です。それぞれ見ていきましょう。
①ヘルパーが集まる機会をしっかり設けている
人間関係の良い事業所は関係性が悪くなってしまう前に、対策を取って出来るだけ関係性を良くしていく取り組みを実施しています。
それはヘルパーが集まる機会をしっかりと設けているということです。
ヘルパーという仕事は直行直帰も多いため、『同じ利用者にサービスを提供しているがヘルパー同士で顔を合わせたことが無い、見たことが無い』ということもしばしばあります。
お互いがどういった人間かを知らないため、勝手なイメージを膨らませ人間関係の悪化につながるわけです。
例えば
- 毎月1回茶話会を開いてヘルパー同士の交流を持ってもらう
- ケースを1例か2例ほど出して勉強会をする
など、しっかりと顔を見て話をすることによって関係性を良くしようと取り組んでいる事業所は人間関係が比較的良好です。
②サービス提供責任者が機能している
前述の通り、サービス提供責任者が機能していない事業所は人間関係が悪くなりがちです。
ではどのような状態がサービス提供責任者が機能していると言えるのかというと
それは「サービス提供責任者がサービスに入りすぎていない」
ということです。
結局のところサービス提供責任者が機能せず事業所がまとまらない原因は忙しさにあり、それはサービスに入りすぎていることが大きな要因なのです。
サービス提供責任者のケア稼働率が30%程度(1日1件~3件程度)に抑えれている事業所はサービス提供責任者がしっかり機能している可能性が高いです。
そういった事業所は事業所がまとまっているので人間関係が良好な場合が多いです。

これからヘルパーとして働こうとしている方は面接を受ける訪問介護事業所が
- ヘルパー同士が集まる機会を設けているか
- サービス提供責任者がケアサービスに入りすぎていないか
の2点を確認してみるのが良いです。しっかりと行っている事業所は働きやすい職場の可能性が高いですよ!
まとめ
今回は訪問介護事業所の人間関係に関して解説しました。
冒頭でも触れましたが、訪問介護は施設介護に比べると職員同士が顔を合わすことが少ないので人間関係が楽と言われたりします。
確かにそういった面はあると思います。基本的に単独で仕事が完結するため楽な面もあります。
ですが顔を合わさないからこそ人間関係が悪い方へ悪化してしまうこともあるということを覚えておいてくださいね!
ぜひ今回の記事を参考にしていただき人間関係で困らないような事業所で、活き活きと働けるヘルパーさんが増えれば良いなと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。