ヘルパーへのハラスメント問題、利用者からの要望はどこまで答えれば良いのか?

 

訪問介護事業所にとって利用者は介護を必要としている要介護・要支援の利用者であり、一方が上の立場ということはありません。

あくまでも事業者は介護を提供するもの、利用者は介護を受けるものとして平等な立ち位置が必要なのです。

 

しかし、現在は介護事業所が生き残るのも難しくなってきている時代です。場所によっては一人の利用者を二つ以上の事業所が取り合いになるという現状もあり、利用者をお客様として扱わないと利用者獲得ができない状況になっているのも事実です。

 

特に訪問介護事業所では、利用者の自宅にヘルパーが入るため、

サービスの主導権としてはどうしても利用者になりがちです

 

無理難題を言われたり、過剰なサービスを要求されることも多々あります。

ここでは、訪問介護で起きる利用者の要望に対してどこまで答えるべきなのかを学んでいきましょう!

 

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近年増えてきている介護職のハラスメント問題

 

介護従事者が利用者に対してハラスメントを行うことは利用者虐待にあたり、非常に厳しく非難されます。

実際ハラスメントが行き過ぎて傷害事件や死亡事故にもつながった例もあります。

しかし、近年では介護職が利用者から受けるハラスメントが問題になってきています。

 

このハラスメントの問題と利用者の要望を叶えることは非常に密接に関係しています

 

 

厚労省が発表したハラスメント問題

 

厚生労働省は介護現場におけるハラスメントに関する調査研究事業実態調査という調査を実施し、介護職の4割以上が利用者からハラスメントを受けている実態を公表しました。

 

ハラスメントは、パワーハラスメント、セクハラ、過剰なサービスの要求による精神的なダメージなどがあります。

今まで介護職が受けるハラスメントは、タブー視されている面がありましたが、国の機関で厚労省が発表したということで非常に衝撃的な調査であったと言えます。

 

 

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どのようなハラスメント問題が問題視されているのか

ヘルパー 男性 悩んでいる

 

介護職が受けるハラスメントには具体的にどのようなハラスメントがあるのでしょうか。

特に訪問介護で起こりうる過剰なサービスの求めに焦点を絞ってご紹介していきます。

 

  • お金を支払ってるからと言い、本人以外の食事を作るように強要された。
  • 利用者が不在にしていることが多く、サービスが提供できない日が続いた。本人から「自分のいる時間に再度訪問をするのが当然だ」と怒鳴られる。
  • 「この程度できて当然」といい、必要以上のサービスを求められる(本格的なフレンチや中華を作れと言われる)

 

このようなことが訪問介護の現場で起きています。

 

 

要望が過剰する理由について

 

第三者の目から見ると上記の①~③については過剰なサービスを求めているということがわかりますが、なぜ利用者自身や家族がそのような行動を取ってしまうのでしょうか。

最も大きな理由としては、お金を支払っているということでしょう

お金を支払っている=客=客の要望は聞かなければいけない考えになっている方は多くいます。

また、自分は利用者であり社会的弱者だから、弱者に優しくするのは当然という考えもあるかもしれません。

 

 

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過剰な要求をされた時の対処方法

 

実際にサービスに入って過剰な要求をされた場合はどのように対策をしておけばいいのでしょうか。

ここで注意したい事としては感情をできるだけ払拭して対応することです。

感情が入ってしまいますと、どうしても気持ちが先に勝ってしまい、うまくまとまる話もまとまりませんので落ち着いて対応することが必要になります。

それぞれ良くある例をもとに解説していきましょう!

 

「お金を支払ってるから」といい、本人以外の部分の食事を作るように強要された。

 

介護保険料のサービスでは、サービスを受ける本人以外の食事を作ることができません。

もし要求された場合は、保険の仕組みとしてはいけないことを明確に伝えておくことが大切になります。

おそらく「バレなければ大丈夫」「一人作るのも二人つくるのも同じ」といわれてしまうかと思いますが、このまま行ってしまうとずるずると歯止めが利かないようになってしまい、サービスが崩壊してしまいます。

ルールなので断ることが第一です。

もし過剰に言われる場合は、サービスの停止もあり得ることを事前に伝えておくのもおすすめです。

 

 

利用者が不在にしていることが多く、サービスが提供できない日が続いた。本人から「自分のいる時間に再度訪問するのが当然だ」と怒鳴られる。

 

こちらに関しては難しい問題です。

訪問介護事業所として「やるべきことはやった」という事実を作っておくことが後々のトラブルを防ぎます

 

例えば

事前に電話をして在宅を確認し、もし不在だった場合利用者の携帯などに電話をして、連絡を取るようにする。不在が続くようであれば、サービス時間自体を変更するなどの対応が必要です。

それをした上で、それでも不在の場合はこれ以上サービスを提供することができない旨を伝えて対応します。

 

 

「この程度できて当然」と言い、必要以上のサービスを求められる。(本格的なフレンチや中華を作れと言われる等)

 

この程度というのはどのような基準で話をしているのか、客観的に考察する必要があります。

ヘルパーに本格的な中華屋フレンチを作るというのは、明らかにサービスの過剰であることが分かります。

そういったものは作れない、もし食べたいのであれば外に食べに行くように、と

作れないこと、どうしても食べたいのであれば代替え案を伝えるようにするとよいでしょう。

 

一番やってはいけないのは無理に作ろうとして失敗することです

 

 

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ヘルパーが行うことは法的に定められている

ヘルパー 教える 本

訪問介護は介護保険の授業であり財源に税金が使われています。税金が使われているのでできることは限られているのです。

もし定められていないサービスを実施した、場合保険料がおりないだけではなく、不正請求として扱われて罰則がありますので十分な注意が必要となります。

 

 

原則として本人のみに提供できる

 

これは原則としてしっかり覚えておきましょう。介護保険はあくまでも本人に向けたサービスですので、本人以外にサービスを提供してはいけません。

本人分で利用料が設定されていますし、本人分で保険料が使われているからです。

 

例えば掃除は本人が使用する場所でしか行うことができません、夫が介護保険を使っているとしても妻の部屋を掃除することは禁止されているのです。もし、妻の 掃除してもらいたい場合は妻も介護保険を使って、サービスの契約をする必要があります。

調理にしても同じです。調理は原則本人だけの分しか作ることができません。本人以外の部分は例えついででも作ることはいけませんので注意しておきましょう。

 

 

下記に訪問介護で「できること」「できないこと」を詳しく解説してますので参考にしてみてください!!

 

 

 

生活に必要な部分しか手伝えない

 

例えば、ペットのお世話などがそれにあたります。いくら本人がペットを大切にしていても、ペットがいないと悲しくなってしまう場合でも、ヘルパーはペットのお世話はできません。

もしどうしても必要であれば、専門の業者に依頼をする必要があります。

 

それと同じことで、年賀状の作成や大掃除模様替えなどもヘルパーはしてはいけないことになります。

基準としては、日常的に行う家事以外のこと日常生活を営むのに支障をきたさない行為などになります。

 

必要であれば、家族に手伝ってもらったり、専門の業者を選んだりなどで対策をします。税金を使っている介護保険サービスでも行うことができないのです。

 

 

できることは計画書に記載している

 

ケアマネジャーが作成するケアプランに訪問介護が行うことについて書かれています。詳細については、サービス提供責任者が作成する訪問介護計画書にサービスの詳細が書かれています。

 

ヘルパーができることとしては、この計画書に書かれていることなのです。

計画書がサービスの基盤となっていることを知っておきましょう。

 

計画書に書かれていることが、責任をもって提供し、書かれていないことに関しては提供しない事が必ず守るようにしましょう。

 

 

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制限がある中での信頼関係の作り方

 

実際にヘルパーとして働いていると、利用者からの過剰な要望に応えることによって信頼関係を築ける場合もあります 。(だからこそ無理に答えようとしていまうヘルパーもいます。)

また断る事によって、信頼関係が壊れる可能性もあります。

 

そのような事情から要望があった場合に、葛藤することもあり、なかなか信頼関係が作りにくいという事情もあるのです。

 

過剰な要求をしてくる方との信頼関係はどのように構築すべきなのでしょうか。

 

 

できることの中で信頼関係を作っていく

 

本来ではできないことをすることによって、信頼関係が出来上がる場合もありますが、それは非常にもろい信頼関係であることを理解しておきましょう

過剰な要求に応えて出来上がった信頼関係は、過剰な要求に応え続けることでしか成り立ちません。

 

些細なきっかけで崩れることも多いのです。長い目で見ると、

できることの中で丁寧に信頼関係を作っていくことが、結果的に強い信頼関係を生み出すのです。

 

 

断っても信頼関係は崩れない

 

過剰な要求を断ることで不機嫌にさせてしまい信頼関係が築けなくなったらどうしようと思いがちですが、

要求を断ったとしても信頼関係は崩れないことを理解しておきましょう。

 

これはしないといけない事はしっかりと行う。出来ないことはできないが、出来ることはきちんとするというスタンスを取っておくと信頼関係を生み出しやすくなります。

 

そのため、断ることを恐れて中途半端にサービスを提供する方が、信頼関係を作りにくいということを覚えておきましょう。

 

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まとめ

過剰な要求は社会的に問題視されています。そのため過剰な要求があったとしてもそれをしっかり断ることは問題にならないのです。

介護従事者の数も足りていません、過剰な要求に応えて心身が疲労することが問題視されていることを理解しておきましょう。

また一人で解決することは難しいと思いますので、サービス提供責任者や事業所の管理者などに相談をしておき、事業所全体で対策することが良いですね。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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