脳性マヒの方への支援で知っておきたい3つのポイントを解説!

 

 

身体障害と聞くと、脳性マヒが思い浮かぶ方も多いと思います。

話が聞き取りにくい等のマイナスイメージを持つ方もいるかもしれません。街やテレビで見かける方もいると思います。

今回は脳性マヒについて知識を深め、支援者として知っておきたいポイントを解説していきます!

読んで頂いた後に、脳性マヒの方との良い関りができると嬉しいです。

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脳性マヒとは

脳性マヒの定義

脳性マヒの定義は下記の通りです。

 

受胎から新生児期(生後4週間以内)までの間に生じた脳の非進行性病変に基づく永続的な、しかし変化しうる運動および姿勢の異常である。その症状は満2歳までに発現する。進行性疾患や一過性運動障害、または将来正常化するであろうと思われる運動発達遅滞は除外する。

(日本理学療法士協会より引用)

 

脳性マヒの原因

出生前の脳の発達の過程で発生した奇形、出生時や出生直後に起きた脳の外傷・酸素不足・感染症等が挙げられますが、原因不明な場合も多くあります。

 

脳性マヒの種類

脳性マヒは4種類に分類されます。

 

アテトーゼ型

四肢や顔面の不随意運動が見られます。不随意運動とは、意思とは関係無く異常な運動が起きる事です。

言語障害を伴う事も多い傾向があります。

 

痙直型

手足が硬直して、筋肉を引き伸ばす事に抵抗があります。筋肉に力が入りすぎてしまう為です。

知的障害・視覚障害・てんかんを伴う事もあります。

 

失調型

姿勢を保つ為の筋肉の活動の障害により、立ったり歩いたりするのにバランスが悪い状態になります。

転倒する事も多いです。知的障害・視覚障害を伴う事も多くみられます。

 

混合型

2つ以上の型を併せ持つ症状です。

 

 

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脳性マヒの特性

 

軽度の方から、重度の方まで症状は多岐に渡ります。

片側に麻痺がある方、両側に麻痺がある方もいます。また、上肢・下肢等マヒの部分もさまざまです。

症状は、視覚障害・発語の困難によるコミュニケーション障害・食事摂取の障害・歩行障害等が代表的です。

知的障害や、てんかんを伴う方もいます。

 

視覚障害

視覚認知の障害を伴う場合があります。

形・色の認知機能に比べて、空間認知機能に障害が出る場合があります。その為、字を書いたり衣服をたたんだりする事に難しさが見られます。

また、斜視になる事もあります。

物が2つにダブって見える事があり、それを避けるためにマヒのある方の目の視力が弱くなる場合があります。

 

コミュニケーション障害

発生発語器官と呼ばれる、唇・舌・声帯・口蓋帯等にマヒが生じて発生がうまくできない事があります。

また、振戦と呼ばれる震えにより言葉が聞き取りにくい場合もあります。

コミュニケーションでは、聞き取りにくかったり言葉を出すのに時間をかかる場合が多くみられます。

 

食事摂取の障害

神経系の障害により、咀嚼や呑み込みが困難な場合が見られます。

物を詰まらせたり、誤嚥性肺炎になる事もある為配慮が必要です。

 

歩行障害

体重を支えて歩行することが困難なため、股関節の脱臼や関節が変形する事もあります。

歩行バランスも悪い為、転倒するリスクも高いです。

歩行困難な方は、車椅子や電動車椅子、ストレッチャー型の車椅子を使用する方もいます。

体の変形が強い方は、ストレッチャーやリクライニング車椅子を変形に合わせて個々に調整する必要があります。

 

 

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脳性マヒの方が受けられるサービス

 

各自治体により、独自のサービスがある等、受けられるサービス内容が違う場合があります。

 

自立支援医療

生活能力を得るために必要な医療を給付します。

 

障害基礎年金

20歳になった以降に初診日のある病気やけがで障害者となった人や20歳到達日前に病気や

けがで障害になった人が対象です。医師の診断書と共に申請し、受給権を得る必要があります。

 

福祉サービス

身体障害者手帳取得により、総合支援法の福祉サービスや各自治体の福祉サービスを受ける事ができます。

日中支援事業・移動の支援・短期入所事業と多岐に渡ります。

痰吸引等医療ケアが必要な方は、看護師か、特別な研修を受けた介助員や介護士が必要なため事前確認が必要です。

数は少ないですが、医療的ケアを行う事業所も増えています。

障害者雇用に対する法定雇用率の上昇によって、一般企業で働き活躍する脳性マヒの方も増えています。

どんな仕事が出来るか、仕事内容の切り出しや就労の導入に対するジョブコーチや就労支援を受けることで、働くための導入がしやすい環境も整ってきています。

重度の方は、重度訪問介護等在宅のサービスも充実しています。

公営住宅には、優先席に入居できるサポートも、自治体によってはあります。仕事の収入・障害年金・公営住宅入居による低家賃等で、軽度の方は脳性マヒであっても、自立した生活をしている方も多くいます。

脳性マヒは、出生前や出生時から障害が起きる為、症状の程度によりますが学校教育については、特別支援学校で教育を受ける方も多くいます。

もちろん、福祉サービスのみならず、ボランティアや近隣住民の協力(インフォーマスサービス)も活用し社会参加する方もいます。

 

 

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脳性マヒの方の支援で知っておきたい3つのポイント

 

言葉が聞き取れず、内容も分かっていないのに適当に返事をしない

コミュニケーションに関しては、何度も聞き返すと失礼かと思いから適当に返事をしてしまいがちです。

しかし、内容を分からずに頷いて聞き流す事は、その方にとって失礼にあたる為「もう一度ゆっくり話してください。」とお願いをして聞き返す事が良いでしょう。

ノンバーバルコミュニケーション(非言語表現)も読み取る為、視線や身振りにも注視しましょう。

紙に書いてコミュニケーションを取る方法も良いです。しかし、手にマヒがある場合は書くことが難しい為、有効ではありません。

 

食事介助時は「口の動き・喉の動き・目線・しぐさ」に注意して行う

 

口の中にマヒがある場合、咀嚼が困難だったり、咀嚼したものを喉へと送る舌の動きが困難な場合があります。

そのため口の動き・喉の動き・目線・しぐさにも注視して食事介助を行う必要があります。

咀嚼から飲み込みまで時間がかかる事がありますが、ご本人のペースで食事を進めてもらうよう配慮が必要です。

介助に焦って次から次へ口に運ぼうとすると、詰まる事は勿論のこと介助者への気遣いの為、食事が苦痛な時間になる事があります。

 

食事に関しては、詰まらせないか見守りをすると共に、麻痺による口外への食べこぼしや唾液が垂れてしまう事もある為、周りの人からの目線に配慮しハンカチを用意し支援する必要があります。

 

利用者本人の歩き方を把握して過剰介助を防ぐ

移動面については、少しの段差でも躓いて転倒してしまう事もある為、外出場面では注意が必要です。しかし、あまり過度に注意をしすぎるとその方の自尊心を傷つけてしまう事もある為、配慮が必要です。

マヒ側は力が入りにくい為、片マヒの場合は、マヒ側に介助者が立ち付き添って歩行する必要があります。

その方の歩き方を観察し、安定して登れる段差を把握することで、過剰介助を防ぐことができます。

しかし、その場合でも転倒のリスクがある為、いつでも手を差し伸べられる状態でいる事が重要です。

 

車椅子移動の方と外出する場合は、事前にバリアフリーマップ等でトイレの場所や、移動経路を確認しておきましょう。飲食店には合理的配慮として、障害を持っている方が利用できるよう配慮が求められますが、実際には段差解消等の配慮が行われていない店舗も多くあります。せっかくの外出が、マイナス経験にならないように、介助者は、その方の希望を聞いた上で行く場所の事前確認をする事が求められます。

 

 

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まとめ

ここまで、脳性マヒの定義・特性・サービス・関わり方のポイントを紹介してきました。

脳性マヒは、中途障害と違い出生前か出生時に起こる脳への障害がほとんどです。

幼児期や学齢期では、他のお子さんと自分を比べてしまい、家に閉じこもりがちになる事もあります。

また、思春期では「なんでこんな体に産んだの?」と親に対して当たってしまう事もあります。

本人はもちろん、兄弟や両親を含めた家族の支えと理解がとても重要になってきます。

「障害を受け止め、受容し、前を向く。」

言葉にすると、とても簡単に思えますがそれぞれの過程は、とても難しく精神的にも体力的にも大変な事です。

両親は、脳性マヒの状態で産んでしまった事への申し訳なさを感じ、兄弟は親亡き後のことを考えたり遊ぶ時間をその方への介助にあてるというエピソードもテレビで良くみかけます。

しかし、一番頑張っているのは脳性マヒを抱えている本人だと思います。もしかしたら、自分でできるのにと思っていても、善意の介助を拒むと申し訳ないと思っているかもしれません。

その為、日々から本音で話せる信頼関係を作り、何か気になったら話し合うという環境作りが必要です。