ヘルパーが困りがちな「利用者から宗教の勧誘をされる」事例から対応方法を学ぶ。

 

訪問介護のヘルパーは利用者の宗教観にふれることがあります。そんなときにヘルパーの対応の仕方によっては大きなトラブルになりかねない状況になる事も・・・

宗教活動は、利用者の生き方のベースにもなっており、生きる支えになっているのでとてもデリケートな分野でもあります。

 

そこで今回は私の訪問介護経験から

  • トラブルになる前に利用者から宗教に勧誘された時の対応を事例から学びましょう!

でさっそく行ってみましょう!

 

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本記事の信頼性

介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。

保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイヘル、ほか

制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

ヘルパーが「利用者から宗教の勧誘」を受けた事例から対応方法を学ぶ!

 

今回は宗教によって人の繋がり、コミュニティ、行動意欲にもつなげている利用者の例をあげてみます。

 

利用者Aさん 

  • 50歳女性
  • 両親と3人暮らし
  • 中学生で脊髄性筋委縮症発症
  • 現在は車椅子で移動している
  • 神経痛があるがかろうじて立ち上がり可能

 

利用者Aさんの訪問介護には3人のヘルパーで入っており、訪問しだして3ヶ月のヘルパーBとの会話の中で宗教の話題となった。

介助中にふと利用者Aさんが「Bさん、神様って信じますか?」という質問が出る。

ヘルパーBは無宗教なので「神様?さあ、私は会ったことがないけど神様っているのかな?」とあまり深く考えずに答えた。

Aさんは「神様はいるんですよ」と言うと、宗教活動をなぜはじめたのか?と、宗教観について熱く語り始めました。

中学生の時テニス部で運動が好きだったのに難病を発症してしまったことから、色々な神様を求めて宗教を調べた結果、ある宗教団体の信者になることに決めてから活動しているようです。

車椅子生活になってからも、宗教団体の集会所に出向くことを楽しみにしており、ヘルパーBにも「集会所に一緒に行きましょう」と言われました。

 

こまったヘルパーBは、集会所に行ってしまうとどんどん断りにくくなると思い「仕事が忙しいから行けない」などと断っていました。

Aさんは、宗教団体が配っている、冊子をヘルパーBに渡して「これを読んで勉強してください」と言われたのでヘルパーBは咄嗟に受け取ってしまい持ち帰りました。

 

ヘルパーBがヘルパーステーションに戻った時、利用者Aさんに宗教の勧誘を受けて冊子を受け取ったことを他のヘルパーにも話ました。

他のヘルパーで神様について聞かれたのは1人で、それも同じように「神様を信じますか?」という質問だったようです。この質問に対し「神様なんていませんよ」と言ったので、話はそれ以上発展しなかったそうです。

ヘルパーBは、宗教団体の冊子を受け取ったので、読んで感想を言わないといけないと思い冊子を読みました。

特に共感できる内容もなく、関心もなかったので次の時には断ろうと思っていました。

 

次にAさんを訪問した際すぐに「冊子を読んで勉強しましたか?」と聞かれたので、正直に「私はこういうのよくわからないんだよ」と伝えました。

Aさんはまた、神様の教えについてヘルパーBに話し、違う冊子を渡し「これを読んでもっと勉強したほうがいいですよ」と言われました。

 

ヘルパーBは1度受け取ってしまったのでますます断りにくくなり、欲しくないのに持って帰ってしまいました。訪問するたびに冊子を渡され、集会所に誘われるヘルパーBは本当に困ってしまいました。

 

AさんはヘルパーBを救おうとしているようです

 

次第に訪問介護に行く足取りが重くなってしまい、本来の仕事の通院介助や買い物援助などの間も、宗教の話題が7割を占めるようになってしまったのです。

以後、担当を変えてもらうことでヘルパーBはAさんへの訪問を中止しました。

 

こんな状況になる前に、もっと良い方法はなかったのでしょうか?

 

まず、ヘルパー困る原因を作ってしまったのはなぜか?

 

  1. 「神様を信じますか?」の問に「神様っているのかな?」に答えを返したことで「教えてあげよう」と思われてしまった。
  2. 宗教団体の冊子を受け取ってしまった。
  3. 集会所への誘いに「仕事が忙しい」と言ってしまったので、暇があれば来れると思われた。
  4. 本来のヘルパーに必要な話題からそれてしまって、利用者さんの会話ペースになっている。

この4点が大きいです。

勧誘されなかったヘルパーは「神様はいませんよ」と断言したので話しをふらなかったのでしょう。

熱心に活動している人は、冊子を受け取ると「関心がある」と思ってしまうのです。

 

普通なら、神経痛や冷えで眠れなかったり、身体が思うように動かせないと心も不安定になりがちです。が利用者Aさんの精神はとても落ち着いて明るいように思えます。

穏やかに微笑んでいられるのは、宗教による支えも大きいのではないでしょうか?

宗教活動によって得られるものは「祈り」「神様とのつながり」「社会貢献」「心の平安」「信者同士の絆」「仲間意識」「助け合いの精神」「行動意欲」「外出意欲」など障害があっても生きがいとなる資質がたくさんありそうです。

 

利用者の生きがいである宗教を否定せず、勧誘もされずにヘルパーとしてできる方法は何だったのか?

具体的にあげてみますので是非参考にしてみてください!

 

  1. 神様を信じるかどうか?の話題で宗教とわかったら、メジャーな宗派などで「うちは仏教徒なんです」「家族代々真言宗なのです」などと、他の宗教を信仰していると伝える。もしくは、無神論者だとはっきり伝える。
  2. もし冊子を出されても「ごめんなさい。宗教観が違うので受け取れません」とはっきり伝え、その後に本人の気分を害さないように、フォローするように気を配る
  3. 集会所への誘いには「忙しい」などという断り文句でなく「行けません」とはっきり言う。
  4. 利用者のサービス中にできる会話時間というのは本当に短いので、どんな情報を引き出すことが本人のためになるか?と考える。宗教の話題から、あえて話しをそらすことも必要。
  5. 曖昧にしていることが、宗教へ関心があると勘違いされてしまうのでイエス・ノーをはっきりと。
  6. 生きがいでもあるので、適度に楽しく話題になる程度なら聞き手にまわる。

 

 

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まとめ

今回は利用者から宗教の勧誘を受けた時のヘルパーの対応を事例から解説しました!

訪問するヘルパーはあらかじめAさんの状況を共有しておくと、宗教との距離感が保てるかなと思います。

宗教自体は個人の自由で素晴らしい面もたくさんあると思います。ですがヘルパーの対応次第でトラブルのもとにもなりかねないのが宗教です

十分注意してサービスを行いましょうね!

少しでも参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!

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