訪問介護でヘルパーをしていると利用者と関わる中で
「あのヘルパーを交代してほしい」と言った声が出ることがあります。
「えっ?!なんで?あんなに良い感じだったのに・・・」
「やっぱりかー・・・言われそうだと思った・・・」
と思った経験を誰もが1度はあるのではないでしょうか?
一生懸命仕事をしているので「あの人には来てほしくない」と言われたら、さすがに傷ついてしまいますよね。

そこで今回は
・「ヘルパーを交代してほしい」と言われる要因
・ヘルパーとしての気持ちの切り替え方
を中心に解説していきます。
新人ヘルパーさんは是非参考にしてくださいね!
訪問介護ではヘルパー交代は良くある話なのでヘコむ必要なし!
まず理解しておいてほしい事は
訪問介護では利用者からヘルパーの交代を希望されることはどこの事業所でもあるという事です。
例えば、どんなに人気のあるヘルパーでも100人中100人が好ましく思うことはありません。
なぜなら、利用者との関係を良くしようと努力はできたとしても、相性ってあります。
他にも新人の時に多いことなども含めて、よくある交代の原因をあげてみました。
ヘルパー交代の6つの原因
ヘルパー交代のよくある原因は下記の6つになります。
- ヘルパー業務の不備
- ヘルパーの苦手意識が余計に状況を悪化させるパターン
- 利用者の過剰な要望
- 利用者家族の好み
- 「前のヘルパーはしてくれた」という利用者
- 利用者との相性
それぞれ見ていきましょう!
原因① ヘルパー業務の不備
シンプルにヘルパーの力量不足からくるものです。(利用者からの要望がひどすぎるとかではなく)
- 家事援助では、調理が下手、掃除が雑など
- 身体介護では、技術不足からヒヤリハット事例が発生し、利用者が怖い思いをしたなど
これに関しては能力向上に努める以外方法はありません。
経験値が上がってくると自然と発生しなくなりますので真摯に続けていけば問題なしです!
原因② ヘルパーの苦手意識が余計に状況を悪化させるパターン
ヘルパーをしていると利用者にきつく怒られたり、サービスを否定されたり、間接的に悪口を聞いたりすることがあります。これは避けようがない事実で私も何度か経験があります。
こんな時に「また言われるかもしれない」「苦手だな、嫌だな」と思ってサービスしていると、なんとなく相手に伝わってしまうことがあります。
悪循環に陥ってしまい、本来の力を発揮できないパターン。
経験上、認知症の方は、感覚的に素直に反応が出やすい傾向にあります。
原因③ 利用者の要望が過剰な場合
利用者によっては、異常なほど細かい方がいます。
- ヘルパーが調理をしているところに張り付き、切り方から味付けまで細かく指摘される
- ヘルパーの掃除を細かくチェックし埃ひとつ許さない
などヘルパーからすると尋常ではないストレスを感じながらサービスに入る場合もあります。
この場合ヘルパーを何度も交代していき、結果的に入れるヘルパーが限られてしまいます。訪問介護事業所を何事業所も変えてきている利用者もいます。
原因④ 利用者家族の好み
利用者よりも、その家族の方がヘルパーと相性が悪い場合もあります。
基本的には利用者ファーストですが、家族に決定権があったりもします。
原因⑤ 「前のヘルパーはしてくれた」と言う利用者
これはヘルパーあるあるです。
訪問介護は介護保険で「できること、できないこと」の線引きがあります。
引き継ぎで入ったヘルパーが利用者から「できないこと」を依頼されて断ると
「前のヘルパーさんはしてくれた!なんでや!」
と憤慨され交代させられるパターンです。
これに関しては「できないこと」をちゃんと断った自分を褒めてあげましょう!
後は責任者に任せたらOKです。
「ヘルパーができること・できないこと」の詳細は下記を参照にしてください。
原因⑥ 利用者との相性
どうしても同じ空間にいると取り繕うことができないのが、相性です。
水と油のようにあわない人とあわせようとしても、ぎくしゃくしてしまうことがあります。
どこの事業所にも様々な年代、経歴、性格のヘルパーが在籍していますが、利用者も各々で疾患、性格、地域性などの違いがありますよね。
(例えば、海に近い南部は「はっきり思ったことを言う」北部や山間部は言葉では「直接言わずに間接的に言う」など)
これには良い、悪いという白か黒かのような判断基準はあてはまりません。
事前に気をつけて、ある程度合わせることもできますが、定期的に訪問するのでやはり別人のように振る舞うことは中々に難しいものです。
相性に関しては、感覚的に優れているサービス提供責任者が「この利用者さんとこのヘルパーはたぶん合わないな」と上手くシフトを組めれば、ある程度は発生を防ぐことができます。
逆に、その感覚が鈍いサービス提供責任者が采配した場合、トラブル続出!ということにもなりかねません。
これも良くある話です・・・
そもそも好かれることがヘルパーの一番の目的ではない
新人ヘルパーの頃は、どうしても利用者に好かれようとしがちです。
好かれた方がヘルパーも嬉しいし、サービス自体もスムーズに提供することができるでしょう。
ですが、ヘルパーはあくまで介護の専門職です。
介護保険の理念は
①利用者本位
②利用者選択の尊重
③自立支援
の3つが柱となっていて、ヘルパーはこの理念に則り介護をする必要があります。
「利用者から好かれよう」と
「利用者から嫌われないように」と
すればするほどこの3つの柱から遠ざかってしまう可能性があります。
それは
ヘルパーの専門性が失われている
という事ですのでヘルパーは利用者から好かれることを一番の目的にしてはいけません!
ヘルパー交代を言われてヘコんだ時は逆に成長のチャンス
ヘルパーに限らずどんな仕事でもダメ出しを受けることはあります。
特に人と人とが直接関わる仕事での「褒められた時」と「けなされた時」では、モチベーションに大きな影響を与えます。
では、もし自分が利用者に「もう来てほしくない」と言われた時に、どのようにしたら良いでしょうか?
私の経験から言うと、新人であればあるほどこの経験はするでしょう。
例から考えてみましょう!
事例から失敗を成長につなげる方法をチェック!

ヘルパーAさん
・ヘルパー歴3か月の新人ヘルパー
・家事の経験があまりない
料理を普通に作ろうと思っても、料理経験ほとんどなくて訪問介護に入った場合わからないことだらけです。
ヘルパーAさんは、ある日利用者宅に訪問しサービスの提供をしました。
サービス内容は調理です。今回は煮魚を依頼され調理することに・・・
出来上がった煮魚は形が崩れている。それを出した時には、利用者の顔色が変わってしまった。
翌日サービス提供責任者から「あのヘルパーが作った魚は形がなくなっていた!もう料理できないヘルパーは来ないでほしい」と苦情の連絡があったと聞きました。
ヘルパーAさんは身に覚えもあるし、自分が未熟なのは重々わかってはいるもののすっかりヘコんでしまいました。
1度はショックでヘルパーに向いていないとか、退職も考えるほどでした。
ふと、先輩ヘルパーが
「私なんてもっとひどい失敗があったのよ」
と声をかけてくれたことで
「みんな通る道なんだ」
と納得できました。
それから、自宅で煮魚料理を何度も作るようになり、3ヶ月後に他の利用者様の家で同じ魚を煮たところ大好評でした。
1年後にはうろたえることなく、上手に煮魚が作れるようになりましたよ。
コツは、魚をいじりすぎないことでした。
この例では、どのようにしてヘルパーの成長につながったのでしょうか?
- 1度は落ち込んでも自分の苦手なところを直視する
- 先輩ヘルパーに話してみる
- 先輩ヘルパーの失敗談を聞く
- 辞めることはいつでもできると腹をくくる
- みんなできない所からうまくなっていると認識する
- 自分の苦手なところを練習する
なんでもそうですが、起きてしまったことはもとに戻ることはありません。
起きた後に自分自身が、どう考え、成長につなげていくのかが大事です!
ヘルパー交代は、おきた時が成長のチャンス!です。
まとめ
今回はヘルパー交代の要因とヘコんだ時の切り替え方を解説しました!
要因は様々ですが、ヘルパーをしていると必ず通る道です。
どんな仕事にも壁はつきものですが、先輩の背中を見ながら乗り越えたら、また大きな自分に出会えますね。
いつかは後輩に相談にのれるような自分でいたいですね。
また当サイトではホームヘルパー初心者向けに業務マニュアルを無料で公開しています。
良かったら下記から参考にしてみてください!