重度訪問介護は障害福祉サービスの一つで、重度障害者への訪問介護を行います。
この重度訪問介護は介護保険での訪問介護とは違い、できることの幅が結構広く設定されています。
その一つが
「入院時の利用」です。
ただし、重度訪問介護を入院時に利用するためには一定の条件をクリアする必要があります。

今回は
- 入院時に重度訪問介護を利用するための条件
- 入院時に求められるサービス内容
を解説していきます。
重度訪問介護を入院時に利用するための主な条件は2つ
重度訪問介護を入院時に利用するためには2つの条件をクリアしないといけません。
市町村によって細かい条件の違いはありますが、原則としてこの2つの条件を提示しているところがほとんどです。
条件① 障害支援区分6であること
障害支援区分は障害程度により1から6までの区分に分けられています。1は最も軽く6が最も重いです。
また重度訪問介護は障害支援区分4以上で利用できることになっていますが
支援区分が4と5の方で重度訪問介護を利用していても、入院時には利用できない
ということになりますので要注意です。
条件② 入院前から重度訪問介護を利用していること
こちらはそのままの通りで、入院前から既に重度訪問介護を利用していなければいけません。
例えば
入院中に区分変更申請をして障害支援区分が6になったとしても、入院前から重度訪問介護を利用していない限り入院時の利用はできない
ということになります。
重度訪問介護で入院時に求められるサービスとは?
先ほど説明した2つの条件をクリアすれば入院時に重度訪問介護を利用できます。
ただし、入院中のサービス内容は限られています。
定められているサービス以外のことで重度訪問介護の利用はできませんので注意していきましょう!
サービス内容① 医療関係者との意思疎通の代弁
重度訪問介護の利用者は自らの意思を伝えることが難しかったり、発語が出来なかったりと様々なケースで意思疎通が難しい場合があります。
そういった時に元々から入っていた顔馴染みのヘルパーが、本人の意思を代わりに医療関係者に伝える為にサービスに入ります。
意思疎通が出来ないと様々な弊害が起きる
医療機関で治療を受けている際には意思疎通が出来ませんと、様々な弊害が起きてしまいます。
代表的なこととしては、治療の決定です。
親権者や後見人がいればその方が、本人に代わって意思決定をすることが出来ますが、そういった方がいない場合は、治療方針などは誰が決めるのでしょうか。
本人が決めるのです。
本人以外が本人の治療方針を決めることが出来ません。
しかし、本人が自らの意思疎通が出来ないため、本人の治療決定が出来ない場合があります。
そういったときにヘルパーが本人の意思を確認して代弁をするのです。

ちなみに意思疎通のための「見守り」も報酬算定は可能ですよ!
サービス内容② 医療関係者へ介護方法の伝達
介護方法は利用者一人一人違うと良く言われますが
特に重度訪問介護の利用者は一人一人介護方法に大きな違いがあります。精神的にも身体的にも非常に繊細です。
そんな利用者を入院時にいきなり在宅と同じような介護を提供することは困難です。
介護方法に慣れているヘルパーが医療関係者に伝達することで、できるだけスムーズに介護を行えるよう支援します。
入院時の重度訪問介護はローカルルールに注意をする
入院時の重度訪問介護の利用に関しては厚生労働省がOKだと提示しています。
そのため、厚生労働省が作成したルールに基づいてサービスを実施するのですが、細かいルールについては市町村ごとに違いますので注意が必要です。
例を挙げてみますので確認しておきましょう!
利用日数は原則90日以内
ある市町村では、利用日数は原則として90日以内としています。
90日を超える場合は市町村の許可が必要であり、90日を超える場合は算定単位数は80%に減算されます。
90日以内の利用、90日を超える場合は減算という対応は良くあることですが、それに加えて120日以上であれば70%まで減算というルールを設けているところもあります。
利用前に市町村に確認をしておく
先ほどのようなローカルルールがあるかどうかを利用する前に市町村に必ず確認しておきましょう!
病院や本人から依頼されたのでサービスに入ったが、ルールを知らなくて後々面倒なことになったということは良くあります。
本人はもちろん、病院関係者でも詳しく知らないことが多いですので、まずはしっかりとルールを確認し、そのルールに基づいてサービスを提供することが必要になります。
病院からサービスを依頼をされた場合の注意点をチェック!
こちらは病院でサービスを実施するならではの注意点ですが、病院から依頼をされてサービスに入る場合は様々なことに注意を払っておく必要があります。
例えば、他の患者さんに迷惑にならないようにするということです。
個室であれば多少のことでも問題ありませんが、多床室の場合は他の患者さんもいますので、配慮をして意思疎通を図る必要があります。
個人情報も含まれる内容が多いかと思いますので、出来るだけ他の方に知られないように障害者の尊厳を配慮すべきです。
【最後に】重度訪問介護のことをもっと知りたい方へ
今回は重度訪問介護を入院時に利用するための条件とサービス内容を解説しました。
重度障害者の場合、意思疎通が出来ないと様々な場面で支障が出てしまいますので入院時の訪問介護は非常に重要な役割を担っています。
利用する際には、利用にあたってのルールを把握してサービスを提供するようにしましょうね!
また当サイトでは重度訪問介護サービスについてもっと知りたい方に向けて
サービス内容や介護報酬、制度面について詳しく解説した『完全ガイド』を作成しています。
下記から確認できますのでぜひご活用ください。