調理は訪問介護の生活援助サービスの代表格です。
この調理、サービス内容によって身体介護での算定になる事を知っていますか?
結構知らないヘルパーも多く、本来身体介護で算定できるのに生活援助で算定していることもあるかもしれません。

そこで今回は
- 調理サービスが「身体介護」になる場合と「生活援助」になる場合の違い
- 調理を身体介護で算定できる具体的支援内容
を解説したいと思います。ぜひ参考にしてみてください!
ヘルパーと利用者が一緒に調理を行う場合は身体介護として算定
利用者と一緒に調理を行う場合は身体介護として算定することが可能です。
身体介護として算定する条件の一つとして、
「利用者のADL・IADL・QOLや意欲の向上のために利用者と共に行う自立支援・重度化防止のためのサービス」
があり、一緒に調理を行う場合はこれに該当します。

ケアプランに身体介護として一緒に調理をする必要性の記載があることを確認し、身体介護としての支援を行いましょうね!
声かけや見守りも含まれる
一緒に調理を行う行為に、声かけや見守りも含まれます。
平成30年に身体介護における「自立生活支援のための見守り的援助」の明確化が行われ、厚生労働省により提示されました。
さらに、調理だけではなく配膳と後片付けに関しての声かけや見守りも該当し、声かけの内容としては、安全確認や疲労の確認も含まれます。
見守り的援助に関しては下記記事に詳細を解説してますので確認してみてください!
ヘルパーのみの一般的な調理は生活援助に
利用者による調理ではなく、ヘルパーのみの一般的な調理は生活援助に該当します。
一般的な調理というのはどこまでが一般的なのか曖昧な表現ではあります。
が、介護保険制度は社会保障の一部であり、社会保障は「国民の最低限保障されている生活水準を維持」するためと憲法で規定されていることから
例えば以前の利用者が豪華な料理を調理する人であったとしても、そのような調理を生活援助で行うことはふさわしくないと言えます。
特段の専門的配慮をもって行う調理は身体介護として算定
ヘルパーのみの調理であったとしても身体介護として算定できるのが
特段な専門的配慮をもって行う調理です。
特段な専門的配慮をもって行う調理という表現もまた曖昧ではありますが、厚生労働省では以下のような例を挙げています。
- 嚥下困難者のための流動食等の調理
たしかに嚥下困難者のために通常の食事ではなく、流動食を調理するというのは特段な専門的配慮と言えるのは理解できるかと思います。
では、嚥下困難者のための流動食の調理以外ではどのような調理が該当するのでしょうか。
厚生労働大臣が定める特別食
厚生労働大臣は以下のような食事を特別食として定めています。
疾病治療の直接手段として、医師の発行する食事せんに基づき提供された適切な栄養量及び内容に有する腎臓病食、肝臓病食、糖尿病食、胃潰瘍食、貧血食、膵臓病食、脂質異常症食、痛風食、嚥下困難者のための流動食、経管栄養のための濃厚流動食及び特別な場合の検査食(単なる流動食及び軟食を除く。)
これらが特段の専門的配慮をもって行う調理であると言えることができます。
引用の中にも記載されていますが、特段の専門的配慮をもって行う調理は
医師の指示が必要であることがポイントです。
また、「単なる流動食及び軟食を除く」の一文から、医師の指示ではなく、利用者の要望のみで流動食を調理しても身体介護では算定できないと考えて良いでしょう。
まとめ
ヘルパーのみの一般的な調理は生活援助として算定されますが、利用者が一緒に調理を行う場合は身体介護として算定することが可能です。
一緒に調理の中には声かけや見守りといった行為も含まれているので、把握をしておきましょう。
また、ヘルパーのみの調理であったとしても、特段の専門的配慮をもって行う調理は身体介護として算定することが可能です。
身体介護と生活援助を区別して理解し、適切な支援を行っていきましょうね!
最後までお読みいただきありがとうございました!少しでも参考になれば幸いです。