訪問介護でヘルパーさんとして働いていると利用者から

風邪気味だから薬を買って来て欲しい・・・
と市販薬の購入を依頼されたことがある方が多くいらっしゃるかと思います。
私たちも体調を崩すと薬局に行き、市販薬を購入して服薬することがあるため、
「当たり前のことだし大丈夫だよね・・・。」
と疑問を感じながら支援をしているヘルパーさんもいるでしょう。私自身がそうでした。

そこで今回は「ヘルパーによる市販薬の購入」について、改めて確認していきましょう!
ぜひ参考にしてみてください!
訪問介護で市販薬を購入することは「特に禁じられていない」
厚生労働省の通知では、訪問介護のヘルパーさんが市販薬を購入してはいけないと明記されていません。
ある種のグレーゾーンであるといえるでしょう。
困っているご利用者から頼まれると、ついついすぐにでも買ってきてあげたくなりますが、留意しなければいけないことがあります。
市販薬の中には、医師の指示に基づいて処方された薬と飲み合わせが悪いものがあるため注意が必要です。
又、風邪や発熱は重大な病気の前触れの可能性も考えられます。
市販薬を服用することで症状を抑えてしまい、病気の早期発見を遅らせてしまうことも考えられるでしょう。

利用者から相談を受けた場合、決して一人で判断せずにまずはケアマネジャーに報告をし、ケアマネジャーを介して医療職と連携をし、適切な支援が提供できるようにしましょう。
薬の受け取り代行はサービス提供可能
生活援助のサービスの一つとして、病院や薬局での薬の受け取り代行があります。
こちらはサービスの提供が認められています。
しかし、認められているからと言って、利用者に頼まれたからとすぐにサービスを提供してはいけません。
訪問介護は介護保険サービスになるので、ケアマネジャーが作成するケアプランに「薬の受け取り代行」について記載がなければ、サービスの提供はできません。
「薬受け取り代行についての注意点」
薬受け取り代行のサービスを提供する際、次のことに注意してください。
自宅を起点にサービスを提供する
事業所から直接薬を受け取りに行ってはいけません。サービスの提供の起点は自宅でなければいけないので、必ずご利用者の自宅を訪問してから、薬の受け取りに行かなければいけません。
具体的な流れとしては、
- 自宅訪問
- 処方箋や保険証、薬手帳等薬の受け取りに必要なものを預かり出発
- 薬を受け取る
- 自宅へ戻り、利用者に薬を渡す
というような流れになるかと思います。
一包化されていない薬のセットはできない
薬を受け取り自宅に戻った際に利用者から、「薬をカレンダーにセットして欲しい。」とお願いされたことはないでしょうか?
訪問介護のヘルパーは、一包化されている薬についてはセットしても良いですが、一包化されていない薬はセットしてはいけません。
一包化されていない薬のセットは服薬管理となるため、訪問看護の看護師や訪問薬剤師の薬剤師の方が支援する内容になります。
通院等乗降介助には薬受け取り代行が含まれている
通院等乗降介助としてサービスを提供している場合、薬受け取り代行はサービスの一部なので、何か追加で算定するようなことはありません。
まとめ
今回は訪問介護サービスで市販薬の購入は可能かどうかを解説しました。
利用者の体調が悪いとすぐにでも何かしてあげたくなりますが、市販薬の購入等も気楽に引き受けないようにしましょう。
ケアマネジャーに報告するなど多職種と連携をし、チームで適切な支援が提供できるといいですよね。
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。