訪問介護では利用者の通院に付き添うことが可能です。
一人で通院することが難しい高齢者も多々いるため、介護保険サービスで対応できるということは非常に便利な支援になるかと思います。
しかし、便利なだけではなく制約があるのも介護保険。

訪問介護で通院に付き添えるのは知っているけど、そのまま2か所の病院へ付き添うことは可能なの?
と疑問思われた人もいるかもしれません。

そこで今回は
- 訪問介護で2か所の病院へ付き添うことは可能なのか
- 通院介助を算定する場合の注意点
を合わせて解説していきます。ぜひ参考にしてみてください!
訪問介護で連続して「2か所の病院」への通院介助も介護保険で算定できる
結論からお伝えすると、2か所の病院への通院介助も介護保険で算定することが可能です。
訪問介護の考え方として、利用者の居宅において行われるものという前提があるものの、通院・外出介助に関しては居宅において行われる目的地(今回で言う病院)に行くための準備を含む一連の行為が、訪問介護のサービスとみなされる場合において、例外的に算定できるとされています。
簡単に図に表すと、
このような場合は訪問介護として算定できるということです。
しかし、今回は2か所の病院へかからなければならない場合です。
本来の訪問介護の考え方を採用すると以下のような図になります。
このような移動をすると利用者への負担になることが考えられ、移動する距離によっては合理的ではないことがあります。
そのような場合は、利用者の負担軽減を勘案して病院から病院への移動も介護保険で算定することが可能です。
図に表すと上記のような状況になります。
連続して2か所の病院への通院介助はケアプランへの記載は必須
2か所の病院への通院介助は可能と伝えましたが、前提としてケアプランに記載されていることが必須となります。
訪問介護に限らず介護保険のサービスはケアプランに基づいて行われるので当然とも言えますが、今回のように要件が複雑な場合こそしっかりとケアプランに記載する必要があります。
2か所の病院へ行くことの必要性と病院間の移動が合理的であることが伝わるような内容になっているかの確認をしましょう。
病院の帰りに薬局やスーパーに寄ることはできる?
2か所の病院は可能でしたが、病院の帰りに薬局やスーパーに寄ることも可能です。
薬局に関しては、病院へかかったことにより薬が処方されることも多く、ケアプランへ位置付けることは比較的容易かと思います。
が、スーパーに関しては病院の帰りにスーパーに寄ることの必要性がはたしてあるのかを確認し、ケアプランに反映させていなければならないので注意が必要です。
通院介助の細かい部分は行政に確認するのが確実
また、行政によっては通院介助後にスーパーへ寄ることの必要性を感じないため介護保険外とみなす場合もあるので、通院介助の細かい部分に関しては行政へ確認するのが確実です。
例えば、住んでいる自宅周辺にスーパーがなく、かかる病院のすぐそばに唯一のスーパーがある場合は、通院後にスーパーへ寄ることの必要性が感じられると思います。
このように訪問介護は利用者の住んでいる環境によって認められる認められないということも起こり得るサービスなため、行政に確認することが確実と言えます。
通院介助に関して下記に詳しく解説していますのでこちらも参考にしてみてください!
介護保険で対応できない場合は自費サービスで
2か所の病院の付き添いは介護保険で算定できますが、通院後にどこかへ寄ることが介護保険で対応できないとなってしまった場合、介護保険外の自費サービスで対応することができます。
介護保険と比べると費用は高くなってしまいますが、利便性が高いことが最大のメリットです。
とはいえ、事業所の方針としてはできることできないこともありますので、自費サービスをお願いする場合は前もって確認をしましょう。
まとめ
訪問介護の通院介助では、2か所の病院へ付き添うことが可能で、介護保険として算定することができます。
しかし、前提としてケアプランへ必要性が記載されているのは必須となりますので、サービス提供前に確認をしましょう。
病院以外にも薬局やスーパーへ寄ることも可能とされる場合がありますが、行政によっては介護保険外とされる可能性があるため、直接確認することが望ましいです。
もしも介護保険外という判断がされた場合は、費用が高くなってしまいますが介護保険外の自費サービスで対応できることも覚えておきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。