現在ALSの利用者さんの所に訪問していたことがあります。重度訪問介護と介護保険を併用していてヘルパーサービスをフル活用されていたのですが、とにかくよく怒っていて気難しい方でヘルパーさんを良く変更していたので引き受ける事業所もあまりなくなってきているような状態です。
私も以前は訪問するのが億劫で、重度訪問介護で入っていたのでケアの時間も長く、かなり精神的に参っていました。移乗の仕方やおむつ交換の仕方、座り位置や食事の提供の仕方、水分の置き場所等々とにかく毎回かなり細かく指摘されるので本当に大変でした。
でも冷静になって考えてみると、そうなっても仕方がないかなと思うようになりました。
というのもALSは身体を動かす神経に障害がある為、身体が思うように動かなくなります。ですが痛みを感じる神経は正常なので皆と同じように痛いわけです。さらに頭もしっかりしているので考える力も同じようにあります。そうなると本人さんが思っているように身体を動かしてくれたり、本人さんが思っている生活環境をヘルパーさんに求めるのも必然かなと思いました。
本人さんからすると「ここに水分を置いてくれたらストローを吸うだけだから水分を摂取できる」「座り位置をこの位置にしてくれたら身体に負担が無いし、ヘルパーさんがいない間に前に倒れる心配もない」「こういう移乗の仕方をしてくれたら身体に負担が無い」等々と言った思いがあります。
ですが、ヘルパーさんと上手く噛み合わない、さらに重度訪問になると関わるヘルパーさんの数も他のケアと違ってかなり多いのでヘルパー間のケアの違いも本人さんからしたらストレスになっていることも多いです。
というようにヘルパーさん達も精神的にストレスですが本人さんもそれ以上にストレスに感じているのだと思います。
工夫というか対応方法としては、まず本人がケアの仕方をどうしてほしいかをしっかりと傾聴することから始めたら良いと思います。移乗の仕方一つとってもALSの方の場合が違いますので。(移乗の時に腕に力が入らないので腕がずり落ち、利用者さんの腕をぶつけて骨折させてしまうことがあります。)
それをもとにケアを作っていってヘルパー間でしっかりと共有することが大事かなと思います。
後は精神的な不安感をヘルパーさんに伝えることが出来るような関係性を築けたら良いかなと思います。一度昔の写真を一緒に見ていた時に急に泣き出されたことがありました。徐々に自分の思うように身体が動かなくなっている事への恐怖であったり、将来的に呼吸困難になってしまうことへの恐怖など現実を受け入れることは難しいです。同じ立場ではないので心中を察する事は難しいですが少しでも心の支えになれば良いなと思っています。
すごく長くなってしまいましたが、ALSの方のケースはかなり勉強になります。高齢者介護とは全然違いますので目線も変わります。
皆が皆そうではないとは思いますが少しでも参考になればと思います。