【訪問介護】ヘルパーさんの仕事内容を分かりやすく徹底解説!

訪問介護をこれから始める方、働きたいと考える方にとって、訪問介護の仕事内容を詳細に知るということは、非常に大切なことです。

 

なんとなく利用者さんの自宅に行きお手伝いをするというイメージを持たれている方が多いですが、具体的に何をするのかを把握している方は少ないといえます。

 

ここでは介護保険サービスの訪問介護の仕事内容について詳しくご紹介していきます。

 

 

ヘルパーさんはどんな事をしているのか?

 

訪問介護は基本的に身体介護生活援助に分かれます。まずは、この二つについてご紹介していきます。

 

身体介護について

身体介護と生活援助の大きな違いは、利用者さんの体に触れるかどうか というところです。利用者さんに触れない場合は基本的に生活援助、利用者さんに触れるときは身体介護と覚えておいて間違いないでしょう。

 

主な身体介護は排泄・入浴・食事介助になりますが、それ以外にも移乗介助や、車椅子を押したり、通院へ付き添う通院介助などがあります。

それぞれ見ていきましょう。

 

排せつ介助

 

排泄介助は身体介助の基本的な支援になります。

訪問ヘルパーさんが行う排泄介助は

 

①トイレへ誘導し排泄介助を行う

②ベッド上でのおむつ交換

 

のパターンのどちらかが大半になります。

おそらくイメージしやすい一般的な介護ではありますが

施設での排泄介助と利用者さんの自宅に訪問する訪問介護での排泄介助は異なる部分も多いです。

 

・備品関係は自宅にあるものを使用する

施設では排泄介助に必要な備品はすべてそろっている状態で排泄介助を行いますが、在宅介助で同じような備品をそろえようと思うと金銭的な負担が大きくなってしまいます。経済的な事情がある利用者さんも多くできる限り金銭的な負担を軽くするために自宅にあるもので揃えていく必要があります。

 

清拭タオルなどは通常のタオルを使用しているケースもありますし、陰部洗浄をする場合は簡易的なプラスチックの入れ物やペットボトルに穴をあけて使用している場合が多いです。

 

陰部洗浄ボトル等の介護用品はたくさん存在しますが出来る限り金銭的に負担の無い様にすることも在宅の介護では大事になります。

 

・必ずしも介護に適した環境が整っているわけではない

施設では環境が整っている為介助者としては身体介護がしやすい体制になっています。ですが在宅での介護では一人一人利用者さんの家は違います。

 

例えば

介護ベッドを使用しているところがほとんどですが、経済的な事情によって通常のベッドを利用しているところも少なくはありません。

またトイレまで誘導する際も、トイレまでの道中やトイレの中が狭く適正な介助をするスペースが取れない、ということもしばしばあります。

これは排泄介助以外でも言えることですが、工夫や慣れが必要であると言えます。

 

・施設介護よりおむつ交換の回数が少ない

施設でのおむつ交換は大体1日に5~6程度の回数になりますが、訪問介護でのおむつ交換はと1日に3回~4回と少なくなります。

 

利用者さんによっては家族さんがヘルパー訪問時間以外におむつ交換をするケースもありますが、家族さんが介護出来ないケースや独居のケース等はどうしてもおむつ交換の回数は少なくなります。

 

つまり、おむつを当ててから次の交換までの時間が、長時間空く事になるということです。

 

例えば、夕方にオムツ交換をして次に変えるのは、翌日の朝というケースも多いです。

そのためオムツをしっかりと当てておかないと翌日の朝訪問するとかなり漏れていたりする場合もありますので注意しましょう。

 

 

入浴介助

 

入浴介助は介護中の事故も多く、身体介護の中でも難しい部類に入ります。

排泄介助と同じように施設介護と訪問介護での入浴介助は大きく異なります。

 

・浴室の構造が利用者さんによって違う

自宅での入浴になりますので、利用者さんによって浴室の構造が大きく異なります。浴室の広さや浴室の床がタイル張りで冷たい、浴室がかなり深い、浴室暖房が有る無し等々・・・

 

そのため浴室によって介助手順も変わります。

浴室の床が冷たければ入る前にシャワーを流し温めて置いたり、浴槽が深く利用者さんが跨ぐことが難しい場合はバスボードを使用したり、浴槽内が滑りやすければ滑り止めマットを使用したりと自宅の浴室環境によって適した介助が必要になります。

 

・そもそも重度の利用者さんは入浴介助を利用しない

訪問介護では基本的に歩行がある程度可能な方が入浴介助を利用されます。

重度の方は訪問介護の入浴介助ではなく訪問入浴介助という入浴専門のサービスがありそちらを利用するケースが多いです。

 

・出来ない部分だけを手伝う介助が大半

入浴については大きく分けると2つのパターンに分別できます。

着替えや浴槽への出入り、洗身介助などの入浴全般に関わる介助と、できない部分だけを手伝う介助の2つがあります。

 

訪問介護での入浴介助に関しては、できない部分だけを手伝う介助が大半です。

例えば半身麻痺の方の場合は、着替えの介助や浴槽への出入りを一部だけ介助するなどです。全介助が必要な場合は訪問入浴で対応するというパターンが多いと言えます。

 

なぜ訪問介護の入浴介助は一部介助が多いのかというと、そもそも介護サービスは自立支援の理念に基づいているので出来る部分はご自身で行っていただくことが大事になります。

 

施設や病院の入浴は施設や病院のやり方が重要視されますが、自宅では今までの慣れ親しんだ浴室なので

本人なりの入浴の仕方や体の動かし方があります。

それに沿った形で入浴介助を行うことも訪問介護では重要なポイントになります。

 

 

食事介助

 

食事介助も身体介護の一つに入ります。

 

訪問介護では食事介助は調理とセットになっていることが多く、生活援助で調理をした後に、身体介護で食事介助をするというパターンが多いです。

 

食事介助を行う場合は、一人暮らしの方が多いといえます。食事介助は他の介助に比べると介助者の負担が少ない為、家族がいる場合はサービスを利用せずに家族が行うということが大半です。

 

自分で食事を食べられない為、食事介助が必要になりますが、あまり時間がかけられないのも現実としてあります。

その方に合した食事形態を作り、食事介助のペースを決めていきますので時間制限のある中、やや難易度は高いといえます。

 

 

デイサービスの送り出し

 

デイサービスに通いつつ、訪問介護のサービスを受けている方は非常に多くいます。

 

デイサービスは車で迎えに来てくれますが、基本的には玄関までしか来てくれません。そのため、デイサービスへ行く為の準備や、玄関までの送り出しを実施しているところは非常に多いといえます。

 

デイサービスに行くことを楽しみにしている利用者さんも多いですが、デイサービスに行きたくないと拒否される方もおられます。そういった方を誘導し送り出すこともヘルパーさんの仕事の一つになります。

 

また、デイサービスの送り出しは、送り出しと迎え入れがセットになっている場合もありますので、1週間に4回~6回ほどサービスに入る事も多いです。

 

 

通院介助

 

通院介助も身体介護に含まれます。

 

通院だけは家族さんが同行するケースやヘルパーさんが通院介助を行うケース、または往診をしてもらっているケース等様々です。

 

通院介助は利用者さんが医師の話を良く理解出来ないことも多いので検査結果や医師からの指示を利用者さんの代わりに聞くこともあり、ケアマネや家族に報告する非常に大事なケアとなります。

 

 

買物同行

 

買物同行は利用者さんと一緒にスーパー等に買物に行く支援になります。

 

身体機能の低下で買物に行きたくてもいけない。歩くことはできるが荷物を持てないので買物が出来ないといった利用者さんが利用しています。

 

買物に行くことでリフレッシュ出来たり、気分が良い方向に変わる方もおり、特に女性の利用者さんには良い変化がみられることもしばしばあります。

 

行き帰りは車いすをヘルパーさんが押して移動し、スーパー内は調子が良ければカートを押して利用者さん自身で歩くようにしたりと工夫してサービスを提供している事業所も多いです。

 

 

見守り的援助

 

見守り的援助は直接利用者さんの身体に触れることはない唯一の身体介護に分類されるサービスです。

 

自立支援、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等の事を言います。

難しい言い方をしましたが

 

○ ベッドの出入り時など自立を促すための声かけ(声かけや見守り中心で必要な時だけ介助)。

○ 本人が自ら適切な服薬ができるよう、服薬時において、直接介助は行わずに、側で見守り、服薬を促す。

○ 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行う掃除、整理整頓(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)。

○ ゴミの分別が分からない利用者と一緒に分別をしてゴミ出しのルールを理解してもらう、または思い出してもらうよう援助する。

○ 認知症の高齢者と一緒に冷蔵庫のなかの整理等を行うことにより、生活歴の喚起を促す。

○ 洗濯物を一緒に干したりたたんだりすることにより自立支援を促すとともに、転倒予防等のための見守り・声かけを行う。

○ 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行うベッドでのシーツ交換、布団カバーの交換等。

○ 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行う衣類の整理・被服の補修。

○ 利用者と一緒に手助けや声かけ、見守りをしながら行う調理、配膳、後片付け(安全確認の声かけ、疲労の確認を含む)。

○ 車イス等での移動介助を行って店に行き、本人が自ら品物を選べるよう援助する。

 

等々、安全を確保しつつ常時介助できる状態で行うもの等であって、利用者と訪問介護員等がともに日常生活に関する動作を行うことが、ADL・IADL・QOL向上の観点から、利用者の自立支援・重度化防止に資するものとしてケアプランに位置付けられたもの。

出典 平成30年3月30日付け老計10号

 

とされており上に挙げた例は身体介護に含まれます。

 

 

生活援助について

 

 

生活援助はその名の通り生活を援助するというサービスです。主には掃除、洗濯、調理、買い出しなどがあります。要介護の方よりも、要支援の方で利用しているケースが多いのが特徴です。それぞれ見ていきましょう。

 

 

出来ること、出来ないこと

 

生活援助を説明する上で知っておいて頂きたいものとしては、ヘルパーさんが出来ること、出来ないことの決まりがあるということです。その為利用者から頼まれたからといって、手伝ってしまいますと介護報酬が出ない可能性もありますので注意しておきましょう。

 

例えば「本人以外の食事を作ること」「本人が使っていない部屋の掃除」「花木への水やり」などはしてはいけないことになります。

 

また、生活援助は基本的には家族がいない独居高齢者しか使えません。家族がいる場合は使えないので注意が必要です。(家族が高齢者の場合は使用可能)

 

 

 

調理

 

調理は買い出しとセットになることが多いです。

 

ヘルパーさんが利用者さんから買ってきて欲しい物を聞き出して、買い出しに行き、調理をします。

ヘルパーさんをしたことの無い方は「自分に調理なんて出来るのか」と思いがちですが

基本的な調理が出来れば問題ありません。

 

特別な調理をすることはなく、煮物やみそ汁、炒め物など一般的な料理が出来れば問題ありません。

しかし、高齢者が食べますので薄味や柔らかいものを好みとしている方も多いですので、出来るだけ好みに合した食べやすいものを作るようにしましょう。

 

 

掃除

 

掃除は掃除機をかけたり、ごみを捨てたり、拭き掃除をしたりなどが一般的です。

 

よくあるパターンとしては、足が悪く床掃除が出来ないのでヘルパーさんに頼んでいる、重いものが持てないのでヘルパーさんに頼んでいるといったことがあります。

 

また、ヘルパーさんが掃除をしている合間に、利用者が入浴をすることもあります。これは、何かあった際にすぐにヘルパーさんを呼べ安全を確保することが出来ます。

 

 

洗濯

 

洗濯は洗濯機が行ってくれますので、ヘルパーさんが主に行うのは洗濯干しと取り込み、洗濯もの畳になります。

 

洗濯に関しても、洗濯の間に入浴をすることが多いです。また、洗濯にかかる時間はそこまでありませんので、掃除とセットになっていたり調理とセットになることも多いといえます。

 

洗濯はそこまで技術が必要なことがありませんので、ヘルパー初心者の方が初めて入ることが多いといえます。

 

 

 

利用者さんとの関わり

 

ヘルパーさんの行っているサービスについて身体介護と生活援助について具体的に説明してきましたが、気にかかるのは利用者さんとの関わりについてですね。

 

施設系の介護職の方が訪問介護に転職するケースとして一人ひとりの利用者さんと密に関われるからという方が多いと思います。

確かに密に関われる面もありますが、時間に追われしっかり話すことが出来ないことも多かったりします。

ですが施設と違い訪問介護ではコミュニケーションは非常に大事になります。

 

なぜかというと

 

施設では一人なる事はありませんが、ヘルパーさんが訪問する利用者さんは独り暮らしの方も多く、ヘルパーさん以外の人との関りがあまり無い利用者さんも多く存在します。

 

ヘルパーさんとしか会わないなんて人もいます。「寂しい寂しい・・・」と仰る方も多いです。

そんな利用者さんからするとヘルパーさんとのコミュニケーションは唯一の社会との繋がりであったり、唯一の楽しみだったりします。

 

利用者とのコミュニケーションに不安を感じている方も多いと思いますが、ヘルパーが緊張していると反対に気を使って話してくれる方もいるほどです。コミュニケーションに関してはそこまで心配はいりません。

人生経験が豊かな利用者さんも多いのでまずは話を聞くことから始めたら良いでしょう。すごく楽しいタメになる話が聞けたりします。

 

ですが、ヘルパーさんとして働いているとどうしてもクレーマーや難しいケースに当たることがあります。

 

その場合は一人で抱え込む事はせず、早い段階でサービス提供責任者に相談し対応してもらいましょう

サービス提供責任者はヘルパーを守る役割もありますし、訪問介護として責任を持つ立場ですので、何かあれば積極的にサポートしてくれます。

 

またヘルパーさんが利用者さんをクレーマーや難しいケースにしてしまっている場合も実は多いです。

 

例えばヘルパーサービスでは出来ない事をヘルパーさんの判断で行ってしまい、それがきっかけでヘルパーサービスでは出来ない事を利用者さんからどんどん要求されるようになってしまうケースなど

 

安易な判断が、知らず知らずのうちに利用者さんを難しい利用者さんにしてしまいヘルパーさんも負担に感じ精神的にしんどくなってしまう、なんてことも良くある話です。

 

まずはしっかりと線を引く事を最初から考えていくことが大事になります。

 

 

 

最後に

身体介護、生活援助、利用者さんとの関りについてご紹介してきましたが、訪問介護では利用者さんの自宅に訪問する為、住み慣れた環境に入っていくことになります。

 

それは利用者さんの生活スタイルや価値観など、今まで作り上げてきたことに入っていくということです。

技術的な部分は経験とともに成長しますがヘルパーさんとして何より大事なことは

「その人の生き方を支える事」です。

この事を心にとめて良いヘルパーさんが一人でも増えることを願っています。