【介護保険】訪問介護の「通院介助」とは?間違いやすい算定方法も解説!

 

通院介助

 

介護保険サービスの訪問介護には様々なサービスがあります。調理や洗濯、掃除などの生活援助はもちろんですが、おむつ交換や食事介助、入浴介助などの身体介助もあります。

その身体介助の中の一つに通院介助というものもあり、病院受診をする際にヘルパーが付き添うというものです。

 

今回は介護保険サービスである

 

訪問介護の通院介助とは?

 

通院介助で良く間違われやすい算定方法

 

について解説していきます。ぜひ参考にしてみてください!

 

ちなみに障害福祉サービスの居宅介護で行う通院等介助について知りたい方は下記をご覧ください。

>>【障害福祉サービス】居宅介護の「通院等介助」とは?

 

 

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本記事の信頼性
  • 介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。
  • 保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイドヘルパー、ほか
  • 制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

 

訪問介護の「通院介助」とはどんなサービス?

女性介護士が車イスを押している

 

冒頭でも述べた通り、通院介助では利用者の病院受診をするためにヘルパーが介助を行います。

 

通院介助において具体的に訪問介護のヘルパーが行う援助内容は下記のとおりです。

 

  1. 通院準備
  2. 利用者宅から交通機関までの介助
  3. 交通機関への乗り降りの介助
  4. 車内での気分確認などの援助
  5. 交通機関から病院までの介助
  6. 受診手続きなど
  7. 院内での安全確保、移動、排泄などの介助
  8. 会計、次回予約など手続き
  9. 薬の受け取り

 

このような流れで通院介助は行われます。

少し掘り下げてみていきましょう。

 

 

通院介助は「通院の準備」も含まれる

当然ながら受診をするための準備をしなくてはいけません。

例えば、着替えをしたり、診察券や保険証を用意したりなどです。一人では準備ができない方は多いですので、そうったことも通院介助として算定されます。

 

 

通院時の「行き帰り」の移動について

病院まではタクシーを使ったり、バスを使ったり、徒歩などがありますが、どの交通機関を使ったとしても通院介助として算定されます。

病院に着くまでは道中での体調確認も含めて支援をして事故を起こさないように配慮しなければいけません。

 

 

院内の介助について

前述の⑦「病院内での安全確保、移動、排泄の介助」についてになります。

ヘルパーによる院内介助については注意が必要です。

 

そもそもの原則として訪問介護では院内介助の算定は不可とされています。

理由としては、「基本的に病院内では病院のスタッフが介助するもの」と考えられているため

病院側の介助体制が整っている場合は、病院が介助を行います。

 

とはいえ、介助体制が整っている病院などほとんどありませんので

例外的に訪問介護による通院介助でも院内介助を算定することができることになっています。

 

例外的に「院内介助」を算定できるケース

 

厚生労働省の通達によると

 

  1. 適切なマネジメントを行った上で
  2. 院内スタッフ等による対応が難しく
  3. 利用者が介助を必要とする心身の状態であること

厚生労働省老健局振興課「訪問介護における院内介助の取り扱いについて」より抜粋

 

上記の3つを前提とした上で

  • 院内の移動に介助が必要な場合
  • 認知症などの疾患から常時見守りが必要な場合
  • 排泄介助を必要とする場合

 

などに関しては、その行為を院内介助として算定することが可能としています。

 

ただし、院内介助の取り扱いについては各自治体によって微妙に差がありますので注意しておきましょう。

 

例えば、大阪市では院内介助の算定要件を下記のとおり定めています。

 

○以下の確認ができた場合に対応が可能とします。

 

  1.  院内介助が必要な状態であることを確認する。利用者の状態とどのような内容のサービスが必要であるかを明確にすること。
  2. 院内介助が必要な状態である場合、受診先の医療機関に院内介助の体制があるか否かを確認する。院内介助の体制がない場合、その旨を居宅介護支援経過に記録する。(対応できない理由、必要なサービス内容。「院内介助が必要」だけの記録では不十分)
  3. 1、2の状況をもって、サービス担当者会議で検討した結果、利用者の状態等から院内での介助が必要であることの判断がなされた場合、サービス担当者会議の記録にその旨を明記すること

 

厚生労働省老健局振興課「訪問介護における院内介助の取り扱いについて」より抜粋

 

 

多くの自治体は同じような感じですが、細かく院内介助の取り扱いは定められていますので、気になる方は問い合わせてみることをおすすめします。

 

ちなみに単なる待ち時間については算定対象となりませんので注意してくださいね。

 

 

薬の受け取りについて

病院の帰りに処方箋にもとづく保険調剤薬局へ寄って、薬を処方してもらいます。

また通院介助後にヘルパーが単独で薬局にいき薬の受け取りを代行することもできます。

 

 

通院介助は必ず「自宅が起点」でなければならない

訪問介護は居宅サービスですので、自宅からの一連のサービスである必要があります。

なので必ず自宅が起点とならなければなりません。

例えば、

  • 病院から違う病院まで付き添ってほしい
  • 病院から薬局まで付き添ってほしい
  • 友人の自宅から病院まで付き添ってほしい

などのパターンは対象外となりますので注意しておきましょう。

「目的地が病院であればなんでも良い」と勘違いされやすいのですが、必ず自宅から出発しないといけない点を知っておきましょう。

 

 

訪問介護の通院介助で算定「できるもの」「できないもの」

 

通院介助は医療保険の管轄である病院に受診することから、介護保険を使う通院介助との間で微妙な取り決めがあります。

何が通院介助として算定出来るのか、算定できないのかはしっかりと把握しておくことが必要です。

分かりやすいように今回はQ&A方式で詳しく見ていきましょう!

 

 

Q:病院への受診後に買い物に付き添っても良いのか?

 

可能としている自治体が多いです。

 

最終的には自治体の判断によりますが、病院の帰りに買い物に行くことの必要性、合理的な理由を明確にしたうえで、ケアプラン・訪問介護計画に位置付けておくことが必要となります。

 

例えば、大阪府堺市では下記の場合はOKとしています。

 

  1. 複数の医療機関への通院介助
  2. 買い物が必要な利用者であって、定期的な通院に連続して買い物を行う場合
  3. 買い物同行や買い物代行が位置付けられている利用者であって、随時の通院に連続して当該買い物を行う場合

 

上記の1~3については、居宅外から居宅外(病院⇒病院、病院⇒スーパー等)の身体介護も含めて算定することができます。

3については例えば、水曜日に買い物同行が位置付けられている利用者で、通院日が水曜日となったためその通院帰りに買い物を行う場合や、通院日が火曜日となったため水曜日の買い物を火曜日の通院帰りに変更して行う場合など。

堺市介護保険課長・監査指導課長通知「訪問介護サービス内容について」より引用

 

 

また他の自治体では「病院と自宅の経路上にあるスーパーしか認めない」

としている地域もありますので、事前に自治体へ連絡し調べておくことをおすすめします。

 

 

Q:連続して2か所の病院への通院介助はできる?

 

可能です。

仮に自宅→A病院→自宅→B病院→自宅とした場合、利用者への負担がかなりかかってしまいます。そのため基本的には問題ありません。

ただしこれも先ほどの堺市の通知のとおり、ケアプランに連続して通院を行う必要性と病院間の移動が合理的であること分かるように記載している必要がありますので注意しておきましょう!

 

 

Q:診察券を先にヘルパーが病院へ出しに行っても良い?

 

可能です。

待ち時間を短縮するために先に診察券を出しておいて後で通院介助を行うことはアリです。

ただし算定上の注意が必要です。

例えば良くあるパターンだと

  • 午前9時:ヘルパーが診察券をだす(20分)
  • 午前10時30分:通院介助(50分)

 

このような場合、一連のサービス行為とみなす必要がありますので

1回の訪問介護として算定することになります。

なので身体2生活1で算定します。

 

 

Q:入院時、退院時の手続きを通院介助で行うことはできる?

 

基本的にはできません。

理由としては入退院の付き添いは家族が行うものだとされているからです。

しかし、これにも例外があり、例えば家族がいない場合、移動に特別な配慮がいる場合(寝たきりなど、家族では対応が難しいケース)などが通院介助として適用されるケースとして挙げられます。

 

下記でより詳しく解説してますのでご参考ください。

>>利用者の退院日に訪問介護サービスは算定可能?外泊時には?

 

 

Q:鍼灸、接骨院、マッサージへの通院介助は可能?

 

自治体によって異なります。

自治体により「医師がいる所ではないとNG」「医療保険の対象でないとNG」としているところもあれば

利用者の状況に応じて必要であれば認められるところもあります。

 

例えば大阪府堺市では下記の場合はOKとしています。

 

医療保険対象か否かではなく

  1. その通院が日常生活上必要かどうか
  2. 要介護者等の身体の状況等から通院のための介助が必要かどうか

 

この二点を満たすかどうかで個別的に判断する必要がある。

ただし、治療のためではなく単なる慰安を目的とするものは介護給付費を算定することはできない。

 

堺市介護保険課長・監査指導課長通知「訪問介護サービス内容について」より抜粋

 

 

地域によるローカルルールはありますので気になる方は自治体に直接聞いてみてくださいね!

 

訪問介護の通院介助は「記録」がかなり大事

 

訪問介護で行う通院介助は前述したとおり、待ち時間の算定方法など、保険給付の対象となる部分が難解なところがあります。

誤って算定対象外の部分を請求してしまうと不正受給となりますので、算定対象の部分と対象外の部分を明確に分けて請求を行う必要があります。

またその請求が正しいという証拠となるものが「記録」です。

なので通院介助時には必ず、算定対象部分と対象外の部分を明確に分けて細かく記録しておく必要があります。

もし実地指導や監査が入った場合に通院介助記録がないと指導対象の可能性がありますので必ず作成しておきましょう!

 

下記でより深掘りしてますので良かったらどうぞ。

>>【記入例あり】正しい通院介助記録の書き方を現役サ責が解説

 

最後に

今回は訪問介護の通院介助について解説しました。

通院介助は制度面での知識をしっかり持っておく必要がありますので取り扱いに注意が必要です。

また当サイトではホームヘルパー・サービス提供責任者の初心者向けに業務マニュアルを無料で公開しています。

良かったら下記から参考にしてみてください!

※ホームヘルパーはこちら

※サービス提供責任者はこちら

 

※訪問介護の身体介護マニュアルも公開してますので下記もどうぞ。

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