訪問介護の口腔ケアマニュアル【基本知識と実践手順を徹底解説】 | ヘルパー会議室

訪問介護の口腔ケアマニュアル【基本知識と実践手順を徹底解説】

訪問介護口腔ケアマニュアル

 

訪問介護で働き始めて間もない初心者ヘルパーです。

今度、はじめて口腔ケアをすることになったのですが、うまくできるか不安…

なにかコツがあれば教えてほしい。

 

当サイト「ヘルパー会議室」では、こんな悩みを解決すべく訪問介護の『口腔ケアマニュアル』を作成しました。

本マニュアルは、初心者ヘルパー向けに口腔ケアの基本知識や実践手順をわかりやすく解説した入門書です。

基本的に、このマニュアルどおり進めれば問題なく口腔ケアを実践できるはず。なお、本マニュアルは情報公表制度により求められている口腔ケアマニュアルとしても使えますのでヘルパーに限らず管理者やサービス提供責任者の方々もぜひ活用してください。

 

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この記事を書いた人

ヘルパー会議室編集部

くらたろう

30代男性。大阪府在住。東証一部上場企業が運営する訪問介護事業所に3年従事し、独立。事業所の立ち上げも経験。訪問介護の経験は11年目、現在も介護現場に自ら出つつサービス提供責任者として従事している。ヘルパー・サ責の学ぶ機会が少ないことに懸念を抱き、2018年に訪問介護特化型ポータルサイト「ヘルパー会議室」を設立。

【保有資格】 訪問介護員2級養成研修課程修了/介護職員基礎研修修了/社会福祉士/全身性ガイドヘルパー/同行援護従業者養成研修修了  

訪問介護の口腔ケアとは

訪問介護の口腔ケアとは

 

口腔ケアとは、口腔内の食べかすや歯垢などを取り除き衛生状態を清潔にするだけでなく、嚥下・摂食機能の改善など幅広い目的で活用されるサービスです。

人間にとって“食べる”という行為は生きることそのもの。適切な口腔ケアを行うことで利用者の健康維持やQOLの向上にもつながるとても大切な支援です。

利用者の中には、加齢にともなう身体・認知機能の低下から「自分で歯をみがけない」「嚥下・咀嚼力が落ちる」「歯みがきそのものを忘れてしまう」といった方が少なくありません。

訪問介護では、こうした状況にある利用者に対して口腔ケアを実施します。

具体的には

  • 起床・就寝介助時
  • 入浴介助時
  • 食事介助の後
  • 外出介助の前

など、基本的に口腔ケアのみを目的とした訪問ではなく、何らかの身体介護に付随して実施するケースがほとんどです。

 

ヘルパーが口腔ケアを実施できないケースもある

ただし、訪問介護の利用者すべてに対して口腔ケアを実施できるわけではありません。

口腔ケアは、利用者の状態によって「医療行為」とみなされる場合があるため注意が必要です。

医療行為とは、医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、または危害を及ぼすおそれのある行為を指し、ヘルパーが行うことはできません。

 

厚生労働省によれば、以下の口腔ケアを医療行為ではないと明示しています。

重度の歯周病等がない場合の日常的な口腔内の刷掃・清拭において、歯ブラシや綿棒又は巻き綿子などを用いて、歯、口腔粘膜、舌に付着している汚れを取り除き、清潔にすること

厚生労働省通知「医師法第17条、歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」より引用

したがって、重度の歯周病等の診断を受けた利用者への口腔ケアは、実施できないということになります。仮にヘルパーが実施してしまうと医師法違反に問われる可能性があるため注意しておきましょう。

 

参考:訪問介護で注意すべき「医療行為の範囲」とは

 

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口腔ケアは誤嚥性肺炎の予防につながる

誤嚥性肺炎とは、口腔内の細菌や食べかす、唾液、胃液など本来入ってはいけないものが気管を通って肺に入り、炎症を起こしている状態です。

通常、食べた物は食道を通って胃に入りますが、老化や疾患などにより嚥下機能や咳をする力が弱くなると食道ではなく気管に入ってしまう「誤嚥」を引き起こします。それにより発生する肺の炎症が誤嚥性肺炎であり、体力低下が著しい高齢者の場合、命の危険があるケースも珍しくありません。

誤嚥 仕組み

また、ムセのない誤嚥と言われる「不顕性ふげんせい誤嚥」は、誤嚥の防御反射として気管に空気以外の異物が入りこむと生じる咳嗽がいそう反射(ムセこみ)が起こりません。すなわち本人の自覚がない誤嚥ですから、繰り返し発症する可能性が高く、特に注意が必要です。

ただ、残念ながら誤嚥自体を防ぐことは極めて難しく、誤嚥してしまった際に肺炎のリスクを減らす予防が大切になります。

そこで重要になるのが日々の口腔ケアです。口腔ケアにより細菌や食べかすを減らし、清潔な状態を維持することが誤嚥性肺炎の最適な予防法となります。

参考:厚生労働省e-ヘルスネット

 

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口腔ケアの2つの種類

口腔ケア 種類

 

口腔ケアは主に「器質的ケア」「機能的ケア」の2種類に分類されます。

 

器質的ケア

器質的ケアとは、歯みがきやうがい、義歯や舌の清掃を行い口腔内の清潔保持を目的とした口腔ケアです。

口の中に汚れが残り細菌が繁殖すると、歯周病や誤嚥性肺炎のリスクが高まるため、器質的ケアにより食べかすや歯垢を取り除き細菌の繁殖を防ぎます。

主な実施方法は、以下のとおりです。

  • ブラッシング法
    上体を起こせてうがいが可能な利用者に用います。歯ブラシや舌ブラシによる歯や歯茎、舌のブラッシング。
  • 洗口法
    水を口に含んで吐き出せる利用者に用います。イソジン液やうがい薬を入れた水や、緑茶やレモン水などを口に含んでもらい吐き出す動作を4~5回繰り返す。
  • 口腔清拭法
    寝たきりの方やうがいができない利用者に用います。スポンジや綿棒、うがい薬に浸したガーゼ、専用のティッシュなどで歯や歯肉、舌や口腔内の汚れをていねいに拭き取る。

歯みがきというと歯や義歯だけをみがくイメージがありますが、舌や口腔内の粘膜など口腔内全域を清掃してきれいにしていきます。

 

機能的ケア

機能的ケアとは、口腔・嚥下機能の回復・維持・向上を目的とした口腔ケアです。

噛む、飲み込むなど口から食べる機能や、発語、呼吸機能、唾液の分泌を促すなどのトレーニングを行います。

本格的な機能訓練は、歯科衛生士や言語聴覚士などの専門職が行いますが、訪問介護においても機能的ケアを行うことは可能です。例えば、食事の前に口腔体操や唾液腺マッサージを促すなどを取り入れると良いでしょう。

 

口腔体操

(1)あいうべ体操

あいうべ体操

あいうべ体操は、上記図にとおり

①「あー」と口を大きく開ける

②「いー」と口を大きく横に広げる

③「うー」と口を前に突き出す

④「ベー」と舌を突き出して下に伸ばす

の①~④を1セットとして1日30セット行うと良いとされています。(※声を出す出さないはどちらでもOK)

 

(2)パタカラ体操

パタカラ体操

パタカラ体操は、上記図のように「パ」「タ」「カ」「ラ」の4文字を1音ずつはっきり発音することを繰り返しす、あるいは「パパパパパ」「タタタタタ」「カカカカカ」「ラララララ」と3回程度繰り返し発音します。

 

唾液腺マッサージ

唾液腺は、耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つからなり、各箇所をマッサージをすることで唾液の分泌を促します。

唾液腺マッサージ

  • ①耳下腺
    人差し指から小指までの指を4本、両側の耳下腺にあてて、ぐるぐる円を描くようにマッサージする。(10回程度)
  • ②顎下腺
    両親指を顎の骨のやわらかい部分にあてて、耳の下から顎の下までを4~5か所にわけて軽く圧迫する(5回程度)
  • ③舌下腺
    両手の親指で顎の先の内側をぐっと押し上げるように軽く圧迫する。(10回程度)

 

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訪問介護の口腔ケアで準備すべき物品

口腔ケア準備物品

口腔ケアを実施するにあたっては、歯ブラシだけでなくさまざまな物品の準備が必要です。

以下に物品の例をあげましたので、利用者の身体状況に応じて準備してください

 

 準備物品 

  • 歯ブラシ(歯や歯茎の食べかすや歯垢を磨いて落とす)
  • スポンジブラシ 綿棒、巻綿子(歯や歯茎、舌や歯の裏、口腔内の汚れを絡め取る)
  • 歯間ブラシ 糸ようじ(歯と歯の間の汚れを取る)
  • 舌ブラシ(舌の苔などを除去する)
  • 歯磨きティッシュ(歯の汚れを指を入れて拭き取る)
  • 義歯用歯ブラシ(義歯みがきに使用)
  • 歯磨き粉
  • 水を入れたコップ×2(うがい用と歯ブラシやスポンジを湿らす用)
  • イソジンなどのうがい薬や口内清涼剤
  • ガーグルベースや洗面器(うがいした水を受ける用)
  • 口を拭くタオル
  • ディスポーザブル手袋(感染予防)
  • 防水エプロン

 

ちなみに歯ブラシは月に1回を目安に取り替えるのが良いとされています。

 

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口腔ケアの5つの基本

訪問介護の口腔ケア5つの基本

 

訪問介護における更衣介助は、以下、5つの基本原則をもとに実施します。

 

5つの基本 

  1. 声かけ
  2. 口腔内の観察
  3. 残存機能を活かした介助
  4. ブラッシング時に力を入れすぎない
  5. 口腔ケア中の誤嚥に注意する

 

基本①声かけ

すべての介護の基本ですが、介助を始める前に利用者へこれから行う手順を説明して同意を得ます。

特に認知症の利用者は、口を開ける動作や歯ブラシを入れられることを嫌がる傾向にあり、十分に声かけを行わず、いきなり口に手を入れると指を噛まれてしまうことがあります。

ですから、介助前にしっかりコミュニケーションをとり、口腔ケアにより得られる効果や爽快さを説明するなど納得してもらった上で実施することが重要です。

また、介助前だけでなく、介助中の声かけも意識しておくと良いでしょう。

利用者からすれば黙々と介助されるのは不安でしかありません。「痛くないですか?」「次は右上の方を磨きますね」などと声をかけながら行うことで安心して口腔ケアを進めれます。

 

基本②口腔内の観察

口腔ケアは、口腔内の観察を行う絶好の機会となります。

以下のポイントを参考に観察を行ってください。

  • 顎関節に問題がなく、十分に口を開けるか
  • 虫歯やぐらついている歯がないか
  • 噛み合わせが悪くないか 歯の変色はないか
  • 歯垢や歯石が溜まっていないか 口臭がきつくないか
  • 歯茎が腫れていたり、少しの刺激で出血しやすくないか
  • 唇や口腔内に潰瘍や炎症がないか
  • 舌や唇の裏、頬の内側が苔で覆われていないか

口腔内の異常を発見したら、すぐにサービス提供責任者に報告し、医療機関や専門職につないでもらいましょう。

 

基本③残存機能を活かした介助

介護保険法の基本理念は「自立支援」。利用者の有する能力に応じ、残存機能を生かして、“できることは自分で行ってもらう”ことが大切です。

認知症があっても、ADLに問題がなく自分で歯をみがけるならば、声掛けをして自分でみがいてもらいます。片麻痺があっても、健側の手で歯ブラシを持って歯をみがいたり、コップを持って口をすすいだりすることは可能です。

ヘルパーは日ごろから利用者のできる動作を観察・把握し、自分で行ってもらうよう促していきましょう。

 

基本④ブラッシングは力を入れず、細かく動かす

ブラッシングは、力を入れず歯ブラシを細かく指導させるように動かしてみがくのが基本です。

歯ブラシの先端が歯面に触れていれば、力を入れなくとも歯垢や汚れはしっかり除去できます。力を入れすぎると歯茎を傷つけたり、歯根の表面をすり減らしたりしてしまうので注意してください。

なお、歯と歯茎の間にすき間がある場合は、下記イメージ図のように、すき間に対して45度の角度で歯ブラシをあててみがきましょう。

 

基本⑤口腔ケア中の誤嚥に注意する

嚥下機能が低下している利用者の場合、うがいをする時の少量の水や自身の唾液で誤嚥する危険性があります。

パーキンソン病やALS(筋萎縮性硬化症)などの難病や脳梗塞の後遺症によるマヒ、その他、長期間の臥床により嚥下機能が低下している方への口腔ケアは、特に注意し介助にあたってください。

例えば、片麻痺がある方なら、マヒ側に食べものが残っていないかをしっかり確認し、できるだけ少量の水で数回に分けてうがいを行います。

うがいが困難な場合は、固く絞ったスポンジブラシや歯みがきティッシュなどで歯を清掃し、ティッシュなどで水分を拭きとるようにしましょう。

また、先に紹介した口腔体操により唾液をスムーズに分泌させ、嚥下しやすい状態をつくりだすことも効果的です。

 

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訪問介護の口腔ケアの実践手順

訪問介護の口腔ケア 手順

ここからは、基本的な介助として

 

  1. 上体を起こせる利用者への口腔ケア
  2. 寝たきりの利用者への口腔ケア
  3. 義歯洗浄

 

の3パターンについて実践手順を解説していきます。

 

パターン①上体を起こせる利用者への口腔ケア

  • STEP1
    口腔ケアの説明

    利用者に「今から歯を磨きますね。体調や気分は悪くないですか?」と声をかけ、これから口腔ケアを行うことを説明、同意を得る。ヘルパーは感染予防のために、ディスポーザブル手袋を装着、身支度を行う。

  • STEP2
    椅子に座ってもらい、口腔ケアの準備を行う

    椅子や洗面所の椅子、車椅子などに座ってもらう。(この際、足が地面にしっかりついているか確認する)

    テーブルの前に座ってもらう時は、防水エプロンをつけて裾をテーブルの上に広げる。その上にコップ、歯ブラシ ガーグルベース、うがい薬などの物品を置く。

  • STEP3
    口腔内のブラッシング

    まず、軽く口に水を含み、口腔内を湿らせる。次に顎を引いた姿勢で、ヘルパーが顎に軽く手を添えて支えながら歯や歯茎、歯の裏、口内の奥や舌などすみずみまでブラッシングを行う。

     

    MEMO
    • 利用者に目線をあわせて同じ高さで介助する。
    • ブラッシングの最中は、返答がなくても声をかけながら行う。
    • 歯ブラシが汚れたら、事前に準備していた水につけてすすぐ。
    • 小さめの歯ブラシで細かく動かしてみがくのがよい。
    • 歯と歯茎の間にすき間がある場合は、すき間に対して45度の角度で歯ブラシをあててみがく。
    • 舌は先端の幅が広い専用ブラシなどでみがく。
    • 歯の隙間には歯間ブラシなどを活用する。
    • 半身マヒがある場合は、マヒ側口内の残留物に注意する。

  • STEP4
    うがい

    コップの水にうがい薬や清涼剤をいれてうがい水を作る。

    前かがみの姿勢で口に水を含んでもらい、口腔内をすすいでガーグルベースなどに吐き出してもらう。

    誤嚥しないように一口分の目安を水20〜30mlとし、しっかり吐き出せたことを確認してから再度口に含ませる。

    口腔内に歯磨き粉や残渣物が残らずきれいになるまで数回うがいを繰り返す(5~6回程度)

  • STEP5
    口腔ケア完了

    うがい後、体調や気分の確認を行い口腔ケア完了。口腔ケアにかける時間の目安は5~10分程度。

パターン②寝たきりの利用者への口腔ケア手順

  • STEP1
    口腔ケアの説明

    利用者に「今から歯を磨きますね。体調や気分は悪くないですか?」と声をかけ、これから口腔ケアを行うことを説明、同意を得る。ヘルパーは感染予防のために、ディスポーザブル手袋を装着、身支度を行う。

  • STEP2
    口腔ケアの準備を行う

    ベットを30度以上にギャッジアップし、利用者の顔を横向きにする。続いて頭の下に枕を入れるなどして顎を引いた姿勢を保ってもらう。その後、膝の裏にタオルを挟むなどにより安楽な姿勢へポジショニングを整える。

     

    MEMO
    • ベットが起こせない場合は側臥位で行う。
    • 片麻痺がある場合は、自力でみがけるのであれば健側を上に、介助者がみがくのであれば健側を下にする。
    • 顎を引いてもらう体制を保つため、頭の下に枕やクッション、タオルを挟んで微調整を行う。

  • STEP3
    スポンジブラシを湿らせる

    うがい薬や清涼剤を混ぜたコップの水に、柄の先についたスポンジブラシを浸して湿らせる。誤嚥の危険性があるので、水はよく絞っておく。

  • STEP4
    ブラッシング

    スポンジブラシで歯や歯茎、歯の裏や頬や唇の裏側、口腔の奥や舌など口腔内のすみずみを清掃する。

     

    MEMO
    • ブラッシングの最中は、返答がなくても声をかけながら行う。
    • スポンジブラシは上の歯から下の歯へ、奥から手前の順番に動かして清掃する。
    • 歯茎の外側の汚れは、スポンジブラシを回転させたり、前後上下に動かしてみがく。
    • 舌はスポンジブラシの平らな部分でなぞり、汚れを落としていく。

  • STEP4
    うがい

    誤嚥しないように少量の水を口に含んでもらい、ガーグルベースに吐き出してもらう。

     

    MEMO
    • 下唇の部分に隙間ができないようにガーグルベースを当てる。
    • 少量の水でもムセる場合は、ティッシュなどで水分を拭き取る。

  • STEP5
    口腔ケア完了

    利用者の体制を戻し、体調や気分の確認を行い口腔ケア完了。口腔ケアにかける時間の目安は5~10分程度。

パターン③義歯洗浄の手順

  • STEP1
    義歯洗浄の説明

    利用者に「今から入れ歯をみがいて洗浄をしますね」と声をかけ、これから義歯の戦場を行うことを説明、同意を得る。ヘルパーは感染予防のために、ディスポーザブル手袋を装着、身支度を行う。

  • STEP2
    義歯を外す

    先に下の義歯、つぎに上の義歯の順番で利用者に外してもらう。できないところはヘルパーが介助する。

     

    MEMO
    • 総入れ歯は密着している顎や歯茎などの間に空気を入れると外れやすくなる。奥歯に密着している粘膜から浮かすようにするとカパッと一気に外すことができる。
    • 部分入れ歯は残っている歯に引っ掛けてあるクラスプに、人差し指や親指の爪をかけて外す。無理に力をいれずにゆっくりと外していく。

  • STEP3
    ブラッシング

    外した義歯を、歯ブラシを用いて水かぬるま湯ですすぎブラッシングする。

     

    MEMO
    • 研磨剤の入っている歯磨き粉は義歯を傷つけてしまうため、義歯用の洗剤を使用する。
    • 本物の歯と同じように、歯と歯茎の間、裏側もていねいに磨いていく。
    • 歯の隙間やクラスプの間は歯間ブラシなどを使って清掃する。

  • STEP4
    自歯のブラッシング

    残っている歯がある場合は、パターン①,②と同じ手順でブラッシングを行う。

  • STEP5
    うがい

    義歯を装着する前に、うがい薬や口腔清涼剤を入れた水で口をすすいでもらう。

    うがいができない場合はスポンジや巻綿子などで口腔内の清掃を行う。

  • STEP6
    義歯洗浄完了

    総入れ歯は入れ歯安定剤などを甲に塗り、上の歯を先に装着、次に下の歯を装着する。

    部分入れ歯は両手で平行に持って、クラスプを左右同時に残歯にかけてはめていく。(残歯の状態によっては片側ずつ入れる場合もある)

    義歯の装着後、痛みなどがないか確認を行い義歯洗浄完了。

     

    MEMO
    • 部分入れ歯を装着する際は、上からかぶせた状態で口腔内へ入れて噛む力で押し込まないよう注意する。自分の歯を痛めるばかりではなく、義歯を壊してしまう危険性があるため。
    • 義歯の着脱時に無理な力が加わると、頬の粘膜を傷つけたり、歯や歯茎を痛めたりすることがあるため注意する。

 

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口腔ケアを拒否する利用者への対応方法

口腔ケア 拒否対応

 

口腔ケアは、利用者にとって口の中を見られたり触られたりする羞恥心を伴う行為です。

時には口臭があることを気にされて“自分でするからいい”と断られたり、認知症の利用者には口を開けてさえくれない方もいます。

こういった利用者に対する口腔ケアは、なかなかに難しく、頭を悩ませているヘルパーは少なくありません。そこで、ここでは口腔ケアを拒否する利用者に対して、口腔ケアを気持ちよく行ってもらえるための対処方法をいくつか紹介します。

 

恥ずかしい気持ちがある場合の対処法

口臭があったり義歯が汚れていることを気にして拒否をされている場合は

  • 「綺麗にすると気持ちいいですよ」と声かけする。
  • 口腔ケアが口や身体の健康を保つために大事なことを説明する。
  • 「最初は恥ずかしがられる方もおられますが、みなさんすぐに慣れられますよ」と明るく声かけする

などで口腔ケアを促してみましょう。

 

途中で疲れてしまう場合

口腔ケアは食事介助の後に行うことも多く、そのために介助が長時間になり疲れてしまう場合もよくあります。

そんなときは無理をせず、休み休み行ってもらうようにしましょう。どうしても無理な場合は、ティッシュで歯を拭くだけにする。うがいだけにするなどして、早めに切り上げる配慮も必要です。

口腔ケアが“しんどい”というイメージを持たれてしまわないように、次回につなげられるようにしましょう。

 

認知症により拒否をする利用者の場合

認知症になると自分で歯をみがくことが困難になり、歯みがきの動作や歯をみがくという行為そのものを忘れてしまうことがあります。入浴などの介助で服を脱ぐことを嫌がられるように、口を開けるという無防備な行為に防御本能が働くこともあります。

軽度の認知症の方であれば対応に困ることはありませんが、問題なのは口を開けないなどの強い拒否があるケースです。

こうしたケースの場合は、口腔ケアを行うことよりも利用者との関係性の構築を優先してください。何度も訪問を重ね、まずは「顔なじみ」の安心できるヘルパーになることが重要です。

関係性ができれば、「うがいだけ行う」⇒「口腔ティッシュで口の中を拭く」⇒「歯ブラシを口に入れる」というように段階的に進めていきます。

また、動作を真似ることができる利用者ならヘルパーと一緒に歯磨きをしてみるのも良いでしょう。

 

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さいごに

訪問介護の口腔ケアマニュアルは以上となります。本マニュアルは、口腔ケアの基礎的な知識を網羅していますので、ぜひ繰り返し読み学んでくださいね。

また当サイトヘルパー会議室では、初心者ホームヘルパーに向けた業務マニュアルを無料公開しています。

ヘルパー業務には口腔ケア以外にもたくさん知っておくべき技術や知識がありますので、この機会に合わせてチェックしてみてください。

※サービス提供責任者向けマニュアルはこちら

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