医療行為はその名の通り、病気やケガなどを治療する為に行われる医療の行為の事です。
これは医師や看護師など一定の資格を持っている方しか提供できないという決まりがあります。
ですが、訪問介護ではヘルパーが利用者から医療行為を頼まれることがあり、結構困ることがありますよね。
「これは医療行為かな?どうしよう・・・」と迷った経験が私もあります。
逆に
「これは医療行為ではないのでできる」と思い医療行為をしていまい、後から様々な問題を引き起こすことがあります。
そのためヘルパーが行うことができる医療行為には十分な注意が必要です。

そこで今回は
- ヘルパーが実施できる医療行為について
- ヘルパーが医療行為で注意したい2つの事
を解説したいと思います!ぜひ参考にしてみてください!
ヘルパーが実施できる医療行為とは?
訪問介護で働くヘルパーは、どの部分が医療行為に当てはまるのかはしっかりと理解しておく必要があります。
医療行為とは何かというところに着目をすると数が膨大になりますので
医療行為に該当しないもの、つまりヘルパーが実施できる行為について見ていきましょう。
※平成17年に厚生労働省が発表した医療行為についての解釈通知を元に解説していきます。
体温計を脇に入れて体温を計測、耳式電子体温計を外耳道入れ体温を計測する行為
これは、ヘルパーであればよく行われる行為です。肛門に体温計を指して直腸の温度を測る行為などは医療行為となるようです。
自動血圧測定器を使って血圧を測ること
血圧計も正確に測ろうと思いますと、水銀で測る方法がありこれは医療行為に当てはまります。家庭でも使うような血圧測定器を使う場合は医療行為には当てはまりません。
新生児以外で、入院治療が必要でないもの対して、血中の酸素濃度をパルスオキシメーターを使用して測る行為
これは、SPO2測定器であり施設系ではよく行われています。パルスオキシメーターを使えば医療行為ではありません。
専門的な判断が必要でない軽微な傷の処置
これは例があります。便等の汚物で汚染されたガーゼの交換等とあります。汚染されたガーゼを交換する程度の処置であれば医療行為ではないといえます。
専門的な知識が必要のない内服の補助、肛門からの座薬挿入、皮膚への軟膏の塗布等
これには様々な条件があります。例えば、医師や看護師などの継続的な経過観察が必要のない方への行為が大前提です。つまり状態として安定している方にのみ適用されることです。
喀痰吸引、経管栄養のケア
これは平成17年ではなく平成24年の介護保険制度改正により、喀痰吸引や経管栄養のケアもできるように規制緩和されました。ただし指定研修の受講や実地研修を修了した介護職員に限りますので要注意。
喀痰吸引研修に関しては下記記事に詳細を書いてますので良かった参考にしてみてください。
その他の医療行為の規制に該当しない行為
以下の行為についても医療行為の規制に該当しないと、厚生労働省が「念のため申し添える」とし記載されている項目です。
- 爪や爪周囲の皮膚等にも問題が無い場合のみ、爪切りが出来る。
- 歯ブラシや綿棒などで口腔内の汚れを取ること
- ストマにたまった排泄物を捨てること
- 自己導尿の補助(カテーテルの準備等)
- 耳垢を取ること
- 市販の浣腸を用いること
これらも追記されています。

特に浣腸に関しては
挿入部の長さが6センチ以内、グリセリンの濃度が50パーセント以内といったように細かく規定されていますので必ず守るようにしましょうね!
ヘルパーが医療行為で注意してほしい2つのこと
訪問介護現場に則した形でヘルパーが医療行為で注意してほしい事が2つあります。
医療行為の「解釈」に注意する
厚生労働省は先ほど説明した医療行為に該当しないものを通知しましたが
これをどう解釈するか注意が必要です。
要するに人によって「軽微な傷」の解釈が違うということです。
この解釈を間違ってしまいますと医療行為をしていないつもりでも医療行為をしてしまっている、事にもなりかねません。
そのため判断が難しい場合は医療行為だと判断しておくのが安心でしょう。
ヘルパーは正しい知識をしっかり持っておかないと危険
医療行為は医師や看護師にしか認められていない行為であり、法律でも明記されています。
ヘルパーができない医療行為行ってしまいますと
法律違反になり、介護報酬の返還、資格の停止、それを行うことによって事故やケガを行わしてしまった場合は罰則がある可能性があります。
つまり、何が医療行為かを知ることは自分の身を守るものであり、医療行為と密接に関係しているヘルパーは必ず覚えておかないといけないものとなります。
正しい知識は利用者の身を守ると同時に、自分の身も守るものだと覚えておきましょうね!
訪問介護事業所は医療行為についての勉強会をすべき
医療行為をして問題になるのは訪問介護が多いです。
その理由としては様々なものがありますが
施設系になると看護師が常駐していることが多く、他の職員もいるため迷った際はすぐに他人の意見を聞ける環境であるという要素が強いです。
それに対して訪問介護の場合はほとんどが利用者とヘルパーの1対1です。
そのような状況で利用者から医療行為を頼まれた場合、相談する人もいませんし、断りにくいこともあるので、実施してしまうケースがあります。
そうならないように事業所全体を挙げて医療行為についての勉強会を行った方が良いです。
また、そういった行為を頼まれた場合、する可能性がある場合は、すぐにサービス提供責任者に連絡をおして指示を仰ぐ体制を取っておくことも必要ですね。
まとめ
今回は
- ヘルパーが実施できる医療行為について
- 医療行為に関しての注意点
を解説しました。
ヘルパーをしていると、どこまでができる行為でどこまでができない医療行為か分からないことも多いと思います。まよったらこの記事をみてください!
今回の記事がすこしでも参考になれば幸いです!
最後までお読みいただきありがとうございました。