訪問介護で行える「服薬介助・確認」の範囲と注意ポイント

 

訪問介護の利用者である高齢者にとって、日常生活を維持していくために「服薬」は欠かせない行為となります。

ただ、利用者の中には飲み忘れがあったりと自身での服薬管理が難しい方が一定数存在しています。

そのため訪問介護では、そんな利用者への服薬介助・確認を行う場面が多くあります。

 

今回はヘルパーが服薬介助・確認を行う際の重要性やポイントを解説していきます!

ぜひ参考にしてみてください。

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本記事の信頼性

介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。

保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイヘル、ほか

制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

訪問介護で行える「服薬介助の範囲」とは?

 

通常、服薬介助は医療行為となりますので訪問介護で行うことができる服薬介助には範囲が存在しています。

なんでもかんでも服薬介助が可能なわけではないので注意が必要です。

基本的に訪問介護で行える服薬介助は「薬の準備・服薬の声掛け・確認・片付け」となっています。

内服薬については一包化されていた薬の服用の介助を行うことができます。外用薬については一定の要件を満たした上で軟膏塗布、湿布を貼る、点眼薬の点眼、座薬挿入を行うことが可能とされています。

 

また訪問介護で服薬介助を行うためには、医師や看護師が容態を観察している状況にあるということを頭に入れておきましょう。

つまり、定期的に受診をしている、または往診を受けているなどの状況である必要があります。

医師が処方していなかったり医師が指示していない市販の薬などを独自の判断で服薬介助することはできませんので注意しておきましょう。

 

服薬介助は一見誰にでも出来そうなものですが、ヘルパーがどこまで服薬介助をしても良いのかのラインをしっかりと把握しておくことが大事ですよ!

また医療行為については下記に解説してますので参考にしてください。

医療行為の範囲を知る

軟膏塗布の基準を知る

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ヘルパーが服薬介助で注意したいポイント

 

訪問介護でヘルパーが服薬介助・確認を行う際のポイントは下記の5つです。

  1. 誤嚥に気を付ける
  2. 薬を飲む際の姿勢に注意する
  3. 飲み残しに注意する
  4. 認知症で拒否がある場合は工夫が必要
  5. 飲み忘れていた場合の対応を決めておく

 

ポイント① 誤嚥が無いように気を付ける

薬は錠剤や粉ですので、嚥下力が弱っている高齢者にとっては誤嚥する可能性があります。誤嚥をしないためには口の中の水分が重要になります。水分が少ないとどうしても誤嚥の可能性が高くなりますので注意しておきましょう。

誤嚥をしないように口の中を湿らせたり、水と一緒に飲むことはもちろんゼリーなどと一緒に飲むことによって誤嚥を防止することが出来ます。

 

ポイント② 薬を飲む際の姿勢に注意する

姿勢にも気を付けるとうまく服薬が出来ます。人の体は座った状態で顔が上を向いている状態ですと気管が開いて、食堂が閉まっています。反対に頭が下を向いている状態ですと気管が閉まって、食道が開いている状態になります。

服薬介助をする場合は、やや下向きにしてもらって飲み込みやすい姿勢で服薬介助をするようにしましょう。

 

ポイント③ 飲み残しに注意する

薬を飲んでもらう際は、すべての薬を確実に飲んでもらう必要があります。特に片麻痺の方は、口腔内の感覚が鈍っている場合がありますので、飲み残しがないように注意しなければいけません。

例えば、右まひの方は口の中の右側の感覚がほとんどありませんので、右側の口に薬が残りやすいです。そのため、薬を飲む際はできるだけ左側から飲んでもらうようにしましょう。

また、飲み終わった後にも口の右側をチェックしておくことが大切です。

 

ポイント④ 認知症で拒否がある場合

認知症の方で薬を嫌がる方がいます。「なんでそんなん飲まないといけないの?」「これを飲んだら死んでしまう」などというように記憶違いをして服薬を拒否してしまうことがあります。

こういった場合は無理に飲ませると余計に拒否が強くなってしまいますので、食事の中に混ぜたり、気長に待って飲んでもらえるようにする事が必要となります。

また、薬自体が苦い可能性もありますので、甘いものと一緒に服薬するなどの工夫をしておきましょう。

 

ポイント⑤ 飲み忘れていた場合の対応を決めておく

利用者によっては朝・昼・夕・寝る前と多くの内服薬を服用している方もいます。

訪問介護の訪問時間を内服時間に合わせるようにできるだけ調整しますが現実的に不可能です。

そのため、

「昼にヘルパーが訪問したら朝の薬が残っている・・・昼の薬と朝の薬どちらを服用したら良い?」

ということが起きます。

このような状況は往々にしてありますので、あらかじめ飲み忘れがあった場合にどの薬を優先するべきなのか?などの対応方法を主治医に確認しておくと良いでしょう。

 

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服用する薬の知識をしっかりと知っておくことも大事

 

主治医からの指示通りに薬を服用できるように介助することや、薬の保管に注意することは訪問介護の仕事になります。

その中で、例えば薬を飲んだことを忘れてしまい、結果的に2度同じ薬を飲んでしまったりすることがあります。

生命にかかわることになる可能性もありますのでヘルパーは薬に関して軽視することはできません。

そのため利用者がどのような薬をどの程度(何種類)服用しているのか、そしてその薬をいつ服用するのかといった情報をしっかりと知っておく必要があります。

 

薬の飲み合わせに注意する

訪問介護では調理と食事介助、服薬介助がセットになっている場合があります。

その際、薬の効果を弱めたり、強めたりする食事を作ってしまうと利用者に負担をかけてしまいますので、十分な配慮が必要となります。

 

下記の表を参考にしてみてください。

食品 薬への作用
グレープフルーツ 一部の血圧を下げる薬の効果を強める
納豆・青汁などのビタミンK ワーファリンなどの血液をさらさらにする薬の働きを弱める
タンニン(緑茶に含まれる成分) 薬の成分を変化させて効果を弱めることがある
カフェイン ・気管支を拡げる作用のある薬の分解を抑えるため薬の副作用が出やすい。(ぜんそくの薬など)

・認知症の薬などの場合はカフェインの興奮作用と相まって、興奮状態が強く出ることがある。

・てんかんの薬の効果を弱める。

牛乳・ヨーグルト ・抗菌薬などの吸収を妨げる可能性がある。

・胃のpH値を上げることがあるので、薬の効き目が弱くなる可能性がある。

アルコール ・睡眠薬、風邪薬、鼻炎・花粉症の薬の働きを強め眠気が強くなる。

・精神薬の効果が強く出る場合がある。

 

ヘルパーは食事を作りますので、薬の飲み合わせも注意しながら作ることが専門職として求められる要素のひとつなのです。

 

薬の増減を利用者が勝手に決めいないように注意する

結構ありがちなのは、「もう病気は治ったから大丈夫」とか「最近調子が良いから薬は飲まない」と利用者が自身の判断で勝手に薬を減らしたりすることがあります。

利用者の判断で増減をしてしまうと、主治医の判断が狂ってしまうことになるので注意しておきましょう。

例えば

降圧剤を服用している利用者が、勝手に降圧剤の服用を中止してしまい、次回の診察時に血圧が高くなっていたとします。すると医師は「処方した降圧剤が効いていない」と判断し、さらに強い降圧剤が処方される可能性もあります。

非常に怖いことだということが分かりますね。

 

薬の管理と保管方法も知っておく

ヘルパーは利用者が自身で薬の管理や保管が出来ない場合に代わりに行うことがありますので下記の基本的な知識は持っておきましょう。

薬の保管方法
  • 薬はほこりや湿気などが入らないようする
  • 直射日光が当たる場所や湿度の当たる場所にはおかないようにする
  • 他の薬の空き袋などには移さないようにする(液剤の場合)
  • 座薬や液剤は冷蔵庫に入れ保管する

 

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まとめ

今回は訪問介護の服薬介助・確認について解説しました。

服薬は病気を持っている方にとっては非常に大切なものです。要介護状態になって自分で飲めない場合は、介助を行うことになりますが、介助を行う際はきちんと利用者の状態を配慮して服薬介助をすることが専門家として必要な使命です。

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。

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