【重度訪問介護の完全ガイド】サービス内容から制度面までを網羅的に解説。

重度訪問介護 完全ガイド

 

 

重度訪問介護で働き始めたけど、あまり知識がなくて不安・・・

 

なんとなくは分かってるけど・・・

知っておいたほうが良いことをまとめた記事があれば助かる。

確かに・・・

なんとなくは分かってるけど具体的にはよく知らない人も多いですよね。

しかも、重度訪問介護は居宅介護などの他の訪問系サービスとはけっこう違いがあるんですよ・・・

 

ということで今回は

  • 「重度訪問介護に興味がある方」
  • 「重度訪問介護で働き始めて間もない方」
  • 「重度訪問介護の知識がなくて不安な方」

 

のために現役の重度訪問介護の従事者である私が、働くうえで「これだけは知っといたほうが良いよっ!」

とおすすめしておきたい知識を網羅的にまとめました。ぜひ参考にしてみてください。

 

 

\ 訪問介護の転職ノウハウまとめ /

  • 訪問介護の『適性チェック診断』
  • 『職場選び』のポイント
  • 転職活動の『進め方』
  • 転職にまつわる『不安を解消』


必読
転職ロードマップをみる

リンク先:https://helper-kaigi.net/houmon-care-jobchange/

訪問介護の転職で失敗したくない..でも働いてみたいって方におすすめ!

 

本記事の信頼性
  • 介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。
  • 保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイドヘルパー、ほか
  • 制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

 

重度訪問介護のサービス内容を把握する

 

本記事を読んでくださっている方はすでにご存じかもしれませんが、まずは重度訪問介護のサービス内容を把握しましょう!

 

重度訪問介護とは?
重度障がい者に対して主に、①身体介護、②家事援助、③移動介護、④見守りを長時間、総合的に提供していくことを特徴としたサービスです。
サービス内容をそれぞれ見ていきましょう。

身体介護

身体介護には入浴、清拭、排せつ、食事、水分補給、服薬、着替えの介助、体位交換、起床・就寝介助、身体整容などが含まれます。

 

家事援助

家事援助では、調理、洗濯、掃除、衣類の整理・補修、ベッドメイク、生活必需品の買い物、などの支援を行います。

 

移動介護

移動介護とは、外出時における移動の支援や移動中の介護のことを指します。

外出は日常的な買い物はもちろん、余暇であったり冠婚葬祭でも利用することが可能です。

外出の定義は「社会生活上必要不可欠な外出、余暇活動など社会参加のための外出」とされています。

家の中だけでなく、外に出る支援も包括している点が重度訪問介護の非常に柔軟な部分と言えます

 

見守り

重度訪問介護では、1日3時間以上を基本として長時間にわたって介護を行います。

「身体介護」や「家事援助」の間に発生する「見守り」の時間帯についても、重度訪問介護のサービス対象となっています。

より詳しく知りたい方は下記をどうぞ。

 

 

必要性が認められる場合は、12時間、24時間といった長時間のサービス利用が可能なことも、重度訪問介護の特徴です。

この場合は6時間ないし8時間ほどでヘルパーが交代し、常時利用者に付き添うことになります。

 

 

重度訪問介護サービスで「できないこと」

重度訪問介護サービスにも「支援できないこと」がありますので理解しておきましょう。

長時間サービスである重度訪問介護は余白の時間ができやすいため、ついつい「できないこと」までやってしまったりお願いされたりします。

初心者の方はトラブルにならないよう、ここで紹介する内容を覚えておきましょうね。

 

 

「家事援助の範囲」は利用者本人の部分のみ

重度訪問介護で意外と多いのが利用者家族の家事をお願いされること

そんなことないでしょう?と思われますが、実際はここに悩まされる人が多くいます。

掃除や洗濯、調理についてもですが、基本的に利用者に関すること以外は重度訪問介護では行うことができません。

 

日常生活上で不要な家事は支援できない

利用者に関することであったとしても、日常的に行う掃除や調理などでしか重度訪問介護はサービス提供ができません。

例えば

  • 洗車
  • 庭の手入れ
  • 居室の模様替え
  • ペットの世話
  • おせち料理などの手の込んだ料理

などもサービス外になります。

断りづらい場面や線引きが難しいこともあると思いますが、重要なことですのでしっかり理解しておきましょう。

 

移動介護における外出支援の範囲

外出支援の範囲は、移動支援や同行援護といったガイドヘルプと基本的には同じ扱いだと考えておきましょう。

下記の3つが支援対象にならない外出となります。

 

  1. 営業活動等の経済活動に係る外出
  2. 通年かつ長期にわたる外出
  3. 社会通念上適当でない外出

 

このように重度訪問介護は、就労中の支援や通勤など経済活動に関することへの支援ができません。

家庭内で商品販売のお手伝いということもアウトです。

あくまで日常的に必要なケアが重度訪問介護で行うべき支援であるので、そこはルールとして捉えましょう。

 

ちなみに
令和2年8月~「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」が一部地域で実施されていて重度障がい者の通勤へのサポート体制が整備されつつあります。下記は同行援護用に作成した記事ですが、重度訪問介護の利用者も対象ですのでご参考ください。
>>同行援護は視覚障がい者の通勤をサポートできるのか?

 

医療行為はできない(一部を除く)

ここは難しい部分になってきますが、前提として医療行為はできないと考えてください

医療的ケアとして、「喀痰の吸引」や「経管栄養」は医師の指示書をもらったり、適切な研修を受けた上で行っても良いとされていますが、もちろん、契約時にこのことを話し合う必要があります。

 

そのような話し合いのないまま医療的な行為を行うことは絶対にしてはいけません。

摘便や褥瘡などの治療の要求などがあっても決して応じてはいけませんし、なにが医療行為でなにが医療行為ではないかを把握しておく必要があります。

 

医療行為については下記にまとめてますので参考にしてみてください。

 

重度訪問介護の「対象者」と「利用要件」を知っておく

チェックリスト

 

重度訪問介護の対象者は下記のとおり

 

  1. 重度の肢体不自由者(身体障害者)
  2. 重度の知的障害者
  3. 精神障害により行動上著しい困難を有する障害者

 

さらに、重度訪問介護の利用要件として、厚生労働省では以下の通り規定しています。

 

障害支援区分が区分4以上(病院等に入院又は入所中に利用する場合は区分6であって、入院又は入所前から重度訪問介護を利用していた者)であって、次のいずれかに該当する者

  1. 次のいずれにも該当する者(1) 二肢以上に麻痺等があること
    (2) 障害支援区分の認定調査項目のうち「歩行」「移乗」「排尿」「排便」のいずれも「支援が不要」以外と認定されていること
  2.  障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である者

 

障害福祉サービスの内容 |厚生労働省 より引用

 

重度訪問介護の対象者は、「常時対応が必要な方」である点が居宅介護との大きな違いです。

 

 

✓ 行動関連項目とは?

上記の利用要件に記載されている「行動関連項目等」は、以下の12の項目です。

 

  1. 本人独自の表現方法を用いた意思表示
  2. 言葉以外の手段を用いた説明理解
  3. 食べられないものを口に入れる
  4. 多動又は行動の停止
  5. パニックや不安定な行動
  6. 自分の体を叩いたり傷つけるなどの行為
  7. 叩いたり蹴ったり器物を壊したりなどの行為
  8. 他人に抱きついたり、断りもなくものをもってくる
  9. 環境の変化により突発的に通常と違う声を出す
  10. 突然走っていなくなるような突発的行動
  11. 過食・反すうなどの食事に関する行動
  12. てんかん発作(医師意見書)

 

上記の12項目について、それぞれ0~2点までの3段階に分けられ、24点満点で採点されます。この点数が高いほど障害が重いことを示しています。

 

この項目で合計10点以上となった方が、重度訪問介護の対象となります。

 

 

障害児は原則「対象外」とされている

重度訪問介護は18歳未満の障害児については原則対象外とされています。

ただし下記のとおり例外として認められる場合もあります。

 

 

15歳以上で、児童相談所長が重度訪問介護を利用することが適当であると認め、市町村長に通知した場合、障害者とみなし、障害者の手続きに沿って支給の要否を決定をする

(児童福祉法63条の4より)

 

例外パターンのように認められる可能性もありますので、気になる方がいれば自治体に問い合わせてみましょう。

 

重度訪問介護の「介護報酬」を知っておく

単価

 

捉え方はさまざまですが重度訪問介護の報酬単価は労力にみあわず安いといわれることが多いです。

理由としては2つあります。

  1. 長時間の利用を目的とした設計構造になっているため
  2. 身体介護、家事援助、みまもりなどが混在したサービスになっているため

 

下記で深掘りしてますので良かったらどうぞ。

 

 

重度訪問介護加算について

重度訪問介護は一定の要件を満たした利用者へのサービスに対して「15%」もしくは「8%」の加算がつくことになっています。

 

15%加算対象者の要件

障害支援区分6で『重度障害者等包括支援対象者』であることが要件です。

 

ちなみに重度障害者等包括支援対象者は下記のとおり

 

重度障害者等包括支援対象者

(厚生労働省により抜粋)

 

8.5%加算対象者の要件

8.5%加算対象者は障害支援区分が6であることのみが要件となっています。

 

 

サービス提供責任者は特に介護報酬について知っておかなければなりません。加算についてもしっかり把握しておきましょうね!

 

重度訪問介護の「制度面」で知っておきたい5つのこと

4つのポイント

 

次は重度訪問介護ならではの制度面についても理解していきましょう。

従事者の方が知っておいて損はないだろうってことを5つまとめました。

 

  1. 移動加算について
  2. 同行支援について
  3. 介護保険との併用関係について
  4. 居宅介護との併用に関して
  5. 入院中の利用について

 

それぞれ見ていきましょう!

 

① 移動加算について

重度訪問介護では移動介護による外出支援を行った場合、移動加算がつくことになっています。

加算単位は下記のとおり

所要時間区分 加算単位
1時間未満 100単位
1時間以上1時間30分未満 125単位
1時間30分以上2時間未満 150単位
2時間以上2時間30分未満 175単位

 

より詳しく知りたい方は下記をどうぞ。

 

 

② 同行支援について

これは重度訪問介護ならではの加算の一種になります。

重度訪問介護における同行支援は単なる2人介助のことではなく

「熟練の従事者」が「新人の従事者」に同行し、サービス提供を行うことで加算を取得できます。

 

ただし取得要件は下記の4つを満たす必要があります。

 

  1. 事前に利用者の同意を得ていること
  2. 新規採用ヘルパーが、1年以上利用者の支援にあたることが見込まれる場合
  3. 熟練ヘルパーの同行が必要であると認められる場合
  4. 障害支援区分6であること

 

同行支援の『単価』や『熟練ヘルパーの定義』などを知りたい方は下記をどうぞ。

 

 

③ 介護保険との併用関係について

重度訪問介護の利用者が65歳を迎えた場合に備えて、介護保険との関係性を理解しておく必要があります。

さっそく結論をいうと重度訪問介護と介護保険サービスは『併用可能』と考えてOKです。

 

注意点などを下記で解説してますので良かったらどうぞ。

 

 

④ 居宅介護との併用について

重度訪問介護と居宅介護の併用は原則「できない」とされています。

 

厚生労働省によると下記の通りです。

 

重度訪問介護については、従前の日常生活支援の取扱いと同様に、身体介護や家事援助等の援助が断続的に行われることを総合的に評価して設定しており、同一の事業者がこれに加えて身体介護及び家事援助等の居宅介護サービス費を算定することはできないものである。

厚生労働省「障害者自立支援法関係Q&A」

 

例えば、朝と夜にそれぞれ1時間、日中に6時間ほど見守りを含めた支援が必要なケースの場合だったとして

  • 朝夜のサービスは居宅介護
  • 日中のサービスは重度訪問介護

というような利用は原則できないことになっています。

 

ただし、例外として厚生労働省があげているのが下記の通りです。

 

 

当該者にサービスを提供している事業所が利用者の希望する時間帯にサービスを提供することが困難である場合であって、他の事業者が身体介護等を提供する場合にあっては、この限りでない。

厚生労働省「障害者自立支援法関係Q&A」

 

つまり、同一事業所ではなく、他事業所であれば居宅介護として算定できる可能性はあるということです。

ただ多分かなり稀なケースだと思われますので基本的には併給は不可とお考え下さい。

 

添付資料は自立支援法当時のもので古いため、問い合わせたところ「現在も変わってはいないが最終判断は自治体による」とのことでした。(令和3年8月時点)

気になる方はサービス実施地域の自治体に確認してみてくださいね。

 

 

⑤ 入院中の利用について

重度訪問介護の利用者は、介助方法やコミュニケーションの取り方などに関して各々にかなりの違いがあり、熟練で、かつ長期間その利用者と関わっているヘルパーしか対応できないケースも多く存在しています。

そんな利用者が入院した場合、病院側の医療スタッフはコミュニケーションや介助をうまく行うことができないこともあります。

 

そのため重度訪問介護では、慣れているヘルパーが病院に出向き、自宅で行っていた事と同様の介助を行うことができることとなっています。

 

ただしあくまでも、適切な体位交換の方法やコミュニケーションの取り方をを医療スタッフに伝えるために行います。その際にヘルパーが医療スタッフと一緒に直接支援を行うことができます。

 

 

ちなみに入院時の単価は「普段の重度訪問介護の報酬と同じ」となっています。

ただし90日を超えてサービスを利用する場合は所定単数の8割に減算となりますので注意しておきましょう!

 

より詳しく知りたい方は下記をどうぞ。

 

【最後に】重度訪問介護で働いてみたいかたへ

今回は重度訪問介護の完全ガイドを網羅的に解説しました。

私の経験上、本記事でお伝えしたことは従事者として知っておいたほうが良いです。

制度的な面はややこしいところもありますが、大事な部分ですのでしっかり把握して日々の業務に活かしていきましょう!

また重度訪問介護で働きたい方に向けて『給料相場』や『おすすめの働き方』を解説した転職ガイドを無料で公開しています。

下記よりどうぞ。参考にしてみてくださいね。

タイトルとURLをコピーしました