【従事者向け】移動支援の完全業務マニュアル【まとめ】

移動支援完全業務マニュアル

 

移動支援って障がい者の方と一緒に外出したりするサービスだよね?

それぐらいしか移動支援のことを知らないよね。

詳しくまとめてある記事があったら便利なのに。

 

確かに・・・

移動支援って認知度はけっこう高いサービスですけど詳しくは分からないですよね。

てことで今回は

  • 移動支援に興味がある方
  • 移動支援で働きだして間もない方
  • 移動支援の概要についておさらいしたい方

 

に向けて現役ガイドヘルパーである私が、移動支援の完全業務マニュアルを作成しました。

従事者向けに移動支援にかんすることを網羅的にまとめた物になってます。

めちゃくちゃ長いので目次ごとに必要な所に飛ばしながら見てもらえたらと思います。

 

 

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本記事の信頼性
  • 介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。
  • 保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイドヘルパー、ほか
  • 制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

 

そもそも移動支援ってどんなサービス?

移動支援どんなサービス

 

移動支援はめっちゃ簡単にいうと障害者への外出を支援するサービスです。

障害者総合支援法の地域生活支援事業に位置づけられていて、市町村を実施主体とした事業となっています。

その為、移動支援は、市町村によってサービス内容などあらゆる面で違いがあります。

 

例えば、A市では認められていることでも隣のB市では認められないってことがあるのが移動支援です。

 

 

移動支援には3つの提供方法がある

移動支援には下記の3つのサービス提供方法があります。

  1. 個別支援型
  2. グループ支援型
  3. 車両移送型

 

それぞれ見ていきましょう!

 

<個別支援型>

利用者1名に対してヘルパー1名のマンツーマンによる外出支援になります。

この個別支援型が一番ベタで利用頻度が高いです。

 

<グループ支援型>

外出先のニーズが一致する利用者が複数いる場合に、複数人に対して同時に外出支援を提供します。

ヘルパー1名に対して利用者が2、3名いる事もあれば、ヘルパーと利用者がそれぞれ2名いるケースもあります。

より詳しく下記で解説してますのでご参考まで。

 

<車両移送型>

なじみの薄いサービスになるかもしれませんが

福祉巡回車両により提供されるサービスであり、病院や福祉センター等を巡回しています。

 

なお、個別支援型とグループ支援型を提供する際には、基本的に車両の使用は禁止されており、公共交通機関を使用することが原則とされています。

 

 

移動支援で「できること」と「できないこと」

移動支援にも「利用対象となる外出」と「対象外の外出」がありますので押さえておきましょう。

 

移動支援で利用できる外出

下記が移動支援を利用できる外出とされています。

  • 社会生活を営む上で必要不可欠な外出
  • 生活する上で一般常識的に必要な外出
  • 余暇活動における外出

少しわかりにくいので例をあげておくと

ショッピング、散歩、映画、カラオケ、公共機関、プール、銭湯など多岐にわたります。

 

プールと銭湯に関しては、基本的にはどの市町村でもOKとしているところが多いですが注意してほしいことがあります。

下記をチェックしてください。

 

また、移動支援で利用できる外出についてより詳しく下記で解説してますのでご参考まで。

 

 

移動支援を利用できない外出

下記のとおりとなっています。

  • 通勤、営業活動等の経済活動にかかる外出
  • 通年かつ長期にわたる外出
  • 社会通念上適当でない外出

これは移動系サービス全般で該当することです。

通勤、ギャンブル、宗教活動、通学、通所、こういった目的の外出は基本的にはできないとされています。

 

ただ、「通学」や「通所」、「学校~放デイへの移動」に関しては市町村によってはOKとしているところもありますので担当の市町村に確認してみることをおすすめします。

ちなみに大阪市では移動支援で、重度の障がい者むけに大学等の修学における外出の支援ができたりします。知らなかった!

移動支援で利用できない外出については下記で詳しく解説してますのでご参考まで。

 

 

移動支援サービスの対象者は?

市町村によって対象者の範囲が異なりますので一概には言えませんが

基本的に移動支援の対象として障害等級や支援区分についての指定がない場合が多いです

その為、療育手帳や障害者手帳を持っていない方でも、市町村から受給者証を取得できれば移動支援サービスの利用対象となります。

 

例えば、大阪府大阪市では下記のように定めれています。

 

大阪市内在住の在宅の障がいのある方で、外出の支援を必要と認められる次に示す者。
ただし、個別給付事業の重度訪問介護、同行援護、重度障がい者等包括支援の受給者は除く。

1、重度の盲ろう者(児)
2、知的障がい者(児)
3、精神障がい者(児)
4、施設入所している全身性障がい者
5、重度の全身性障がい者(児)

(大阪市HPより引用)

 

気になる方は担当地域の市町村のHPを調べてみてくださいね!

 

 

移動支援を提供できる資格要件

移動支援は無資格者ではサービスを提供することができません。

主に下記3つの資格があれば従事することができます

 

  1. 移動支援従業者養成研修全身性課程(全身性ガイドヘルパー)
  2. 移動支援従業者養成研修知的障がい課程(知的障がいガイドヘルパー)
  3. 移動支援従業者養成研修精神障がい課程(精神障がいガイドヘルパー)

 

主に、2~3日の研修のみで試験はなく簡単に取得できます。

またその他の資格として介護福祉士、介護職員初任者研修、実務者研修があれば従事できる自治体が多いです。

 

例えば、「知的・精神障がい者の場合は初任者研修でOK」、でも「全身性障がいの場合は初任者研修ではNGで全身性ガイドヘルパーならOK」とされていたりと細かく市町村によって設定されているとこもありますので市町村のHPを確認してくださいね。

 

移動支援従業者養成研修については下記で詳しく解説してますのでご参考まで。

 

 

移動支援は個別支援計画にもとづいてサービス提供を

移動支援は個別支援計画にもとづいてサービス提供を行う必要があります。

余暇活動の目的が大きいのでヘルパーも利用者と一緒に楽しむことは移動支援においてとても大事なことです。

しかし、ただただ遊べば良いというわけではありません。あくまで支援としてサービスを行います。

 

移動支援サービスを利用者にとって効果的な支援とするためにはしっかりとした計画を立てなければなりません。

下記で詳しく解説してますのでご参考まで

 

 

サービスごとに記録の作成が必要

移動支援では「サービス実施記録」「サービス提供実績記録票」をサービスごとに作成し保管しておく必要があります。

実地指導の際にかなり細かくチェックされますので注意して記載していく必要があります。

 

実施記録の書き方については下記で詳しく解説してますのでご参考まで。

 

 

移動支援の請求業務について

先ほどのサービス実施記録とサービス提供実績記録票をもとに移動支援の請求を行います。

請求方法については市町村によって違いがあります。

伝送でデータを送信するところもあれば、いまだに紙媒体で送付し請求を行うところもあります。

 

請求業務に必要な書類を下記で詳しく解説してますのでご参考まで。

 

 

他の移動系サービスとの違い。制度的優先関係について

障害福祉サービスの中には移動支援のほかにも移動系サービスがあります。

それは

  • 同行援護・・・視覚障がい者への移動支援
  • 行動援護・・・重度知的障がい者への移動支援

となっています。

この2つと移動支援の制度的な違いと併給関係について下記にまとめてますので併せて理解しておきましょう。

 

移動支援はどのように利用されているのか?リアルな利用方法

移動支援のリアルな利用方法

 

移動支援にこれから従事するかたは移動支援をイメージしずらいかもしれません。

なので私の実体験からリアル現場でどのように移動支援は利用されているのかを上げて解説していきます。

 

 

移動支援サービスの実例

 

一人で買物に行くことが難しい知的障害の利用者(Aさん)は、年明けに福袋を買いたいという希望があり、移動支援を利用しました。

 

公共交通機関の乗り継ぎ方や、切符の買い方が分からない為、介助を行いながら目的地まで行きます。

金銭管理も難しい為、目に入るものを買いたいと希望が出ますが、ヘルパーは予算と照らし合わせてAさんと買うものを相談します。

 

その後、昼食を摂りご自宅まで送ります。

ご家族に、Aさんの様子を伝え、使用した金額をレシートと共に確認し、残金をお返しします。サービス提供実績表に、確認後捺印を貰いました。

 

サービス提供責任者にサービス終了の報告を行い、業務終了です。

 

 

解説)この例は、一般的な社会参加の支援の例です。

まずは、利用者の希望(ニーズ)を聞き本人や家族と計画を立てます。

行き先に対しては、どの様な経路を使うかも打合せておくと良いですね。

 

今回の実例で言うと

  • 乗りたい電車はあるのか?
  • 切符等料金の支払いはできるのか?
  • 移動支援の総額(予算)
  • 大まかにでもどのような福袋を買いたいのか
  • 食事の場面では、食べてはいけない物(アレルギー等)や食形態(大きなものは詰まらせやすいか)
  • 昼食薬がある場合は持ち忘れていないか
  • 服用には見守りや補助が必要か

などを事前に確認しておくとスムーズに移動支援を行うことができます。

 

家族とも信頼関係を築く必要もありますので、Aさんの様子や移動支援であずかった金額と使用した金額に間違いが無いか説明すると良いでしょう。

 

移動支援と言っても、さまざまな要素が含まれています。

せっかくの楽しみにしている社会参加の機会を有益に過ごせるような配慮や計画性が必要ですが、利用者と家族の笑顔を感じられる醍醐味があります。

 

 

サービス提供にあたってヘルパーが知っておきたい4つのこと

移動支援 知っておきたい4つのこと

 

移動支援サービスを提供するにあたってヘルパーに知っておいてほしいことが4つありあります。

それは下記のとおりです。

  1. 意思決定を大事にする
  2. 金銭面でのクレームに注意する
  3. 事前準備がめちゃくちゃ大事
  4. 障がい別の支援ポイントを知っておく

 

それぞれ見ていきましょう!

 

意思決定を大事にする

どのような支援でもそうですが、移動支援を行う上では利用者や家族の希望の上に成り立ちます。

その為、特に利用者の希望を聞き寄り添うことが必要です。

利用者の中には、支援者の顔色を気にして希望を言い出せない方もいますし、せっかくの支援が残念な結果になってしまいます。

意思決定を誘導しないような関係構築を心掛けましょう。

 

ただし希望だとしても利用者に不利益になったり危険を伴うような事は止めなければなりませんので注意しておきましょう。

 

 

金銭面でののクレームに注意する

金銭から、クレームになったり信頼関係を損ねる事も少なくありません。

金銭を使用して、レシートや領収書が出ない場合はメモ書きにして何にいくら使用したかを記録しておきましょう。

またヘルパーと利用者が一緒に食事をした場合の「食事代金の支払い」についても事前に取り決めておくとトラブルを防ぐことができます。

食事代金については下記でより詳しく解説してますのでご参考まで。

 

 

事前準備がめちゃくちゃ大事

ある日突然「明日自閉症の○○さんと○○公園行ってきて、特に情報もないけど、よろしく」なんて言われたら、誰でも困惑してしますよね?

そんな状態では利用される方も安心できず、不安を抱えてしまうでしょう。

せっかくの移動支援サービスを利用した楽しいおでかけのはずが、楽しむ余裕がなければ利用される方も、ヘルパーも勿体ないですよね。

そんな風にならない為にも、移動支援サービスを提供する際には事前の準備が大切になります。

 

具体的には下記の8つを中心に準備しておくと良いです。

  1. 障害特性
  2. 身体状況(可動域はどの程度か)
  3. 疾患
  4. 服薬状況
  5. こだわり
  6. 食事制限の有無
  7. アレルギーの有無
  8. 必要であれば目的や道中の下見

 

事前の準備段階でなるべく細かく情報を得ることで、利用される方、支援者共に安心して当日を迎えることができます。

 

利用者が生活介護などの事業所に通っている場合であれば、連絡して聞いてみるのも一つの手ですよ。こだわりや注意点などを教えてくれたりしますので。

 

 

障がい別の支援ポイントをしっておく

障がいで人をくくるのは良いことではありませんが、例えば全身性障害と精神障害ではヘルパーの支援方法を変えて関わっていく必要があります。

 

移動支援においての支援ポイントを下記でまとめてますのでご参考ください。

 

 

まとめ

今回は移動支援の完全業務マニュアルを解説しました。

移動支援は利用者にとって外出できる唯一の楽しみだったりもします。だからこそヘルパーも利用者と一緒に楽しんで移動支援を提供してもらえたらと思います。

今回のマニュアルが少しでも皆様のお役に立てたら幸いです。

 

※他の障害福祉サービスについて知りたい方は下記をどうぞ。

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