移動支援計画を立案する手順を解説。援助目標はどう設定するべきか?

移動支援計画の立案手順

 

移動支援サービスに関わらず、どのようなサービスにも必ず「支援計画」があり、支援計画に基づいて援助目標が設定されて支援が行われます。

移動支援サービスにおいてもその人に合った援助目標を立てなければ、ニーズを満たすことができません。

 

今回の記事では

  • 移動支援計画の立案手順
  • 援助目標の例
  • 居宅介護における支援計画との違い

を解説していきます。

 

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本記事の信頼性

介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。

保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイヘル、ほか

制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

移動支援計画を立案する手順とは?援助目標の例も紹介!

ノートパソコンをタイピングしている

 

移動支援計画を立案するにあたり、いきなり援助目標を掲げることはできません。

しっかりとした手順を踏む必要があります。

そのために一番大事になることは「アセスメント」になります。

利用者の情報を集めることは必須であり、情報がなければ支援計画は成り立ちません。

手順は下記の通りです。

  1. 利用者の主訴を引き出す
  2. 成育歴を把握する
  3. 利用者の現在の状況を把握する
  4. 援助目標の設定をする

 

この4つの手順を踏むことで、質の高い移動支援計画を立案することができます。

それぞれ見ていきましょう!

 

 

① 利用者の主訴を引き出す。

支援計画を作成するにあたり、その人からの主訴がなければ目標を立てることができません。

人によっては発語がなく他者による代弁・代筆という形で伝えてくれる人もいれば、主訴が抽象的でつかみにくいケースもあります。

そのような人に対しては質問の角度を変えたりして、主訴と目標を決めていきます。

 

 

② 利用者の生育歴

生育歴からはその人が今に至るまでの間に経験してきたこと、経験から獲得した能力や苦手としている状況、経験。

生活上困難な部分を情報として集めることができます。

 

特に移動支援サービスの支援計画を立てるにあたり

  • 公共交通機関の使用が可能なのか
  • 利用する際には人の多さを加味して避けるべき時間帯があるのか

という事も考慮していく必要があるので、生育歴から読み取れる情報は支援計画を立てるにあたり非常に大切です。

 

主訴を引き出すことができなかった場合は、生育歴をヒントにすることもできる為、なるべく細かく情報を集めましょう。

 

 

③ 利用者の現在の状況

生育歴で今に至るまでの生活を整理したら、次は現在の状況について情報を整理します。

現在はどのような生活を送り、どのような部分に困難さを抱えているのか情報収集します。

 

 

④ 援助目標の設定

主訴を聞き、生育歴と現在の状況の情報を整理したら、いよいよ援助目標の作成を行います。

ここで大事なのはその人の弱点を克服しようとするのではなく、その人の獲得してきた力に注目し、その人にとって明るい未来をイメージができるように目標を設定することが必要です。

 

我々に置き換えて考えてみても、上司や取引先からダメ出しされ続けると気持ちが沈み、暗い気持ちになりませんか?

支援計画において、弱点克服を意識し過ぎるのはその人の自己肯定感を低下させる危険性があり、最悪の場合外出に対する恐怖心を与えてしまう可能性があります。

とはいえ、そのような部分から避けられない事もあるかと思います。そのような時にはできるだけ問題を細かく砕いて解決を目指しましょう。

 

自立支援ではありますが、あくまでもその人にとって前向きになれるような支援目標でなければなりません。

  • 外出を通してどのように社会と関わっていくのか?
  • 社会と関わることでその人の人生にどのような影響を与えるのか?
  • 主訴とずれていないのか?

という意識は忘れずに持ち続けましょう。

 

 

実際の援助目標の例

ここでは実際に支援計画の作成における支援目標を3点ほど挙げてみます。

 

援助目標①

電車移動の際、最初はお昼前の他の乗客が少ない時間帯を利用し、目的の駅まで落ち着いて座って過ごせるように経験を積んでいく

 

援助目標②

タクシーを利用する際、乗車料金の支払いを自分で行えるようになるため、最初はスタッフの手のひらに料金を乗せておき、スタッフの手のひらにあるお金を掴んで運転手に渡し、お釣りを受け取れるようにしていく

 

援助目標③

飲食店にて食事をする際、自分でメニューを選べるように、好きな食事メニューの写真を事前に用意し、指差しで選び、店員さんに伝えられるように支援を行う

 

どの例でも意識をしたいのは、単純に「座れるようになる」「お金の支払いができるようになる」「選べて伝えられるようになる」という結果だけを記すのではなく、

実際にどのような方法で支援を行い、目標を達成するのかを記すという事です。

 

支援計画を読む本人や家族が、目標を達成したら次はどんなステップを踏むのかイメージしやすい書き方を意識することが大切です。

 

 

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居宅介護における支援計画との違いとは?

サポート

 

障害福祉サービスの居宅介護も同じように支援計画を立てる必要がありますが、移動支援計画における支援計画、援助目標と居宅における支援計画はどのような違いがあるのでしょうか?

居宅介護をよく知らない方は下記に詳しく解説した記事がありますのでよかったら見てくださいね。

 

 

居宅介護は日常生活全般を支援計画に落とし込む。

移動支援は外出に特化した支援計画を作成しますが、居宅では日常生活全般について支援計画を作成します。

ここでも作成のプロセスは大きく変わりませんが、「どのようにしたら安心して暮らせるのか・安心して集団生活を送ることができるのか」という部分にフォーカスを当てます。

 

できる事なら、居宅の支援計画を立てる際に、外出することを意識した目標を立てることができると、その人の「生活」を丸ごと支援することができます。

どういうことかというと、排泄時や食事時の作法などを家で行う時から、どこに行っても恥ずかしい思いをしないように練習することで、外に出たときにその人の尊厳を傷つけることを防ぐことができます。

また、普段から成功体験を重ねることで、その人自身も安心して外出することができます。

 

居宅と外出を切り離して考えるのではなく、その人の人生を支えるという視点で支援計画と目標を設定しましょう!

 

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最後に

ここまで支援計画の作成と目標の立て方について解説しましたが、作成した計画及び目標は必ず定期的にチームや本人、家族と振り返り、必要であれば修正を行う機会を作りましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。

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