【入浴介助マニュアル】「一連の手順と注意点」を現場にそった形で解説。

入浴介助基礎マニュアル

 

皆さんは、訪問介護で入浴する時、どんなことに気を付けて介助をしていますか?

訪問介護での入浴は、施設での入浴と比べると格段に危険であり、注意するところが沢山あります。

特に新人ヘルパーの場合、入浴介助で苦戦することも多いでしょう。

 

そこで今回は

訪問介護における、入浴介助の一連の流れと注意点をつめこんだ【入浴介助基礎マニュアル】

を作成しました。

 

現場にそった形になっていますのでぜひご参考ください!

 

 

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本記事の信頼性
  • 介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。
  • 保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイドヘルパー、ほか
  • 制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

 

訪問介護における「入浴介助の流れ」と「注意点」

女性ヘルパー 高齢女性

 

まず訪問介護における入浴介助がどのような流れで行われているのか全体像を把握していきましょう。

一般的な入浴介助は下記の流れで行われます。

  • STEP1
    入浴準備

    • バイタルチェック
    • 着替えの準備
    • 使用物品の準備
    • お湯をはる

  • STEP2
    移動・脱衣介助

    • 居室⇒脱衣所までの移動介助
    • 脱衣介助
    • 脱衣所⇒浴室までの移動介助

  • STEP3
    洗髪・洗身の介助

    • 洗髪
    • 背部、前面、足先、臀部の洗身
    • 皮膚状態の観察

  • STEP4
    入浴

    • 湯の温度確認
    • 浴槽への移動介助
    • 必要に応じてかけ湯

  • STEP5
    着衣・移動介助

    • 浴室⇒脱衣所への移動介助
    • 着衣
    • 脱衣所⇒居室への移動介助

  • STEP6
    水分補給

  • STEP7
    浴室の掃除

 

あくまでも一般的な入浴介助の流れになります。

ケースによっては準備や掃除は家族さんがしてくれることもあります。

 

 

では次はそれぞれのステップごとに細かく解説していきます。

 

 

step1 ~入浴準備~

 

訪問介護の入浴準備ではバイタルチェック、着替え、使用物品、、湯船に浸かるのであれば、湯張りの準備も必要になります。

 

着替えの準備

まず着替えについては、利用者が入浴後にどの服装で過ごしたいのかを確認します。

確認をしておかないと、準備していた服と希望している服が違う場合、入浴後に居室まで取りに行かなければなりません。

そうなると、利用者が一人で脱衣所にて過ごすことになるため危険性が高まります。

入浴後はふらつくことがあるため、危険回避も含めて入浴前に一緒に服を選ぶようにすると良いです。

 

使用物品の準備

次に、使用物品です。

代表的なものとして

  • バスタオル
  • フェイスタオル
  • ボディソープ
  • シャンプー
  • 洗いタオル
  • 処方軟膏
  • ドライヤー
  • シャワーチェア
  • 椅子
  • 滑り止めマット
  • 簡易手すり

などになります。

使用物品は利用者によってさまざまですが、足りない物品が無いように準備します。

 

バイタルチェック

バイタルチェックは、血圧と体温に気を付けます。血圧は電子血圧計で測り、体温は電子体温計で測ります。

一般的に血圧は139/89㎜Hgが血圧の上限になりますが、利用者によっても違いがあります。

入浴の可否についてはあらかじめ主治医から血圧の上限を聞いておきましょう。

体温については、その方の体温が普段と0.5度程度違うのであれば、顔色や表情、体の動きを見て、入浴可否の判断が必要になります。

基本的には37度以上であれば、入浴は止めたほうが無難です。

 

お湯張り

浴槽に湯を張る際は、滑り止めマットがあれば先に敷いておきます。40度くらいの湯温で浴槽の半分くらい溜めるようにします。

冬は脱衣所、浴室ともに冷えているので、脱衣所に暖房器具を置いたり、シャワー浴の方でも浴槽に湯を張れば浴室が温まります。

 

 

step2 ~移動・脱衣介助~

 

入浴の準備が完了したら、移動介助と脱衣介助を行います。

 

脱衣所まで移動の介助

移動介助は利用者ののペースに合わせた方法で行います。

普通に歩いたり、杖や歩行器を使って移動したり、車いすでの自走や介助での移動もあります。

 

移動介助で気を付けたいのは、動線の確保です。

 

◎床に物が置いていないか

◎床に敷いてあるマットは滑らないか

◎マットの端がめくれていないか

◎段差に注意するように声掛けをする

 

など、移動介助をする際は転倒しないように、させないように注意します。

 

また、脱衣所の扉の形状も注意します

引き戸、開き戸、折れ戸と基本的には3種類の扉の形状があります。

引き戸、折れ戸は動線の邪魔にはなりませんが、開き戸は動線の邪魔になるので、移動の前に開いておきましょう。

 

脱衣の介助

脱衣所にイスが無ければあらかじめ椅子をセットしておきます。

脱衣所に到着したら、イスに腰かけてもらい脱衣を促します。

 

この際、イスの位置も重要になります。開き戸の近くに置くとイスが邪魔になり動線を妨げます。

イスを置く位置は浴室の近くで手すりなどの掴まるものがある位置にセットすると、安心しますし動線の邪魔にはほとんどなりません。

 

脱衣をする際は、すべての介助は行わず利用者の脱ぎやすいほうから脱衣を行います。

長年の習慣から、右腕から脱ぐ人、左腕から脱ぐ人、頭から脱ぐ人、ズボンから脱ぐ人などさまざまですが

半身まひがある人に関しては、『脱健着患』の原則で脱いでいただいたほうがスムーズにいきます。

が、これも利用者の習慣があるので“健側から脱ぐ”と決めないようにします。

 

脱衣所から浴室への移動介助

脱衣が終われば、いよいよ浴室へ移動して入浴介助を行います。

 

ヒートショックを防ぐ為、浴室の床がタイルであれば床が冷たいので湯をかけて温めたほうが良いです。

ただし、滑りやすくなるので利用者の歩行状態に応じて、温めるのか、温めないのかの選択が必要になります。

 

浴室に手すりがある場合は、手すりにつかまって移動します。

手すりがない場合は、ヘルパーが支えてシャワーチェアまで移動介助を行います。

 

移動介助ではヘルパーが支えて介助する部分は、脇の下か肘にします

手首だと、ふらついたときに利用者までの距離が遠く、体を支えるまでの時間が遅くなります。

体幹や腰だと、利用者が動き辛かったり歩き辛かったりして、動線の邪魔になってしまいます。

 

シャワーチェアに利用者が座る直前に椅子にお湯をかけます。これも、ヒートショックを防ぐためです。

座る前には必ず行うようにしましょう。

 

 

step3 ~洗身・洗髪介助~

 

浴室内に移動し次は、洗髪と洗身を行っていきます。

 

洗髪

シャワーもしくは、湯船のお湯を足先から掛けていきます。

適温の湯を足先から太もも、腰、肩にかけたのち、洗髪を行います。

 

洗髪は、利用者の希望するシャンプーを使います。普通のシャンプーだったり、リンスインシャンプーだったり、石鹸だったりしますが、どのシャンプーでも手のひらで泡立ててから洗髪するようにします。

 

洗髪時は下記の3つに注意しておきましょう

痒い所を聞きながらしっかりと洗うこと

目や耳に泡や水が入らないようにすること

すすぎ洗いをしっかり行うこと

 

シャンプーで洗う時よりもシャンプーをシャワーでしっかり流すことが汚れをきれいにする秘訣です。

シャワーヘッドを頭に押し当てるようにすると、シャワーの湯が飛び散らずにシャンプーを流すことができます。

 

 

洗身

洗身は、本人の希望する洗いタオル(ナイロンタオルや、フェイスタオルなど)に石鹸やボディソープを付けて背部から洗浄していきます。

 

✓背部の洗身

背部洗浄時は、耳の後ろ、肩の後ろ、二の腕の後ろなど、手の届きにくいところの洗浄も併せて行いましょう。

脇の下は背部から手を入れたほうが洗いやすいことが多いので、背部洗浄時に洗うと楽です。

 

背部の洗身では下記の3つの注意しておきましょう

しっかり両足が床についているか

体幹のふらつきはないか

両手で体を支えること(シャワーチェアや手すりを握っているか)ができているか

 

 

✓前面の洗身

前面の洗身は利用者に洗いタオルを手渡し、腕や体の全面、陰部などを洗ってもらいます。

タオルを手渡すときは、体を洗いやすいように、タオルをたたんだ状態で渡すようにしましょう。

 

 

✓足先、臀部の洗身

足先、臀部の洗身は、手袋を使用すると良いでしょう。

水虫などの感染症の心配や、陰臀部の汚染の心配があるからです。

 

足先の洗身では、利用者の体に石鹸の泡が残っていないかの確認をしてから洗浄するようにしましょう。

特に、足先を洗っている時にヘルパーは足先しか見ていません。

利用者にしっかりと体を支えておいてもらうためには、手に石鹸が残っていると、滑ってしまう危険性があります。

 

また足先を洗う際は下記の4つの注意しておくと良いです。

足の爪が伸びていないか

傷はないか

巻き爪になっていないか

水虫などの皮膚疾患があれば、その疾患の状態はどうなのか

 

陰臀部の洗身、できる限り利用者自身で洗うように促しましょう。できない場合はヘルパーが洗浄します。

肛門周囲の洗浄はできるが、臀部周囲と、太ももの後ろが洗浄できない方が多いので、そこをヘルパーがしっかりと洗浄します。

ここも、洗浄後は石鹸分が残らないようにしっかりと落としましょう。

 

洗身時は、皮膚状態の確認を合わせて行います。傷や赤み、湿疹やかぶれ・ただれ、あざや水疱、かさぶた等がないか確認します。皮膚の異常があるときは、皮膚の状態や形状、大きさを観察し、家族、サ責へ報告することができるように覚えておきましょう。

 

 

step4 ~入浴・かけ湯~

 

いよいよ入浴です。

浴槽へ利用者を誘導する前に湯温の確認をします。40度くらいが理想です。

浴槽へ入る際は、手すりをしっかりと握って、自分のペースで入ってもらうようにします。

 

決して急がせないように。

急ぐことで、普段の動きができず、転倒リスクが高まります。

 

また、片麻痺のある方は、健側から浴槽に入ると良いです。

健側から入ることで湯の中でしっかりと踏ん張ることができるので、浴槽内で滑ってしまう危険性も減ります。

 

肩まで浸かると心臓に負担がかかってしまうので、心臓の下くらいの湯量が適切です。

肩まで浸かりたい利用者の場合は、タオルを肩にかけて、洗面器で肩に湯をかけるようにすると体が温まります。

 

浴槽へ入ることができない利用者の場合、かけ湯を行うと良いでしょう。この時も肩にタオルをかけて湯をかければ体が温まります。

 

 

step5 ~着衣・移動~

 

入浴後は、着衣します。

床が滑らないように湯を流し、浴室内で体の水分をふき取って脱衣所へ誘導します。

 

この時も、浴室へ入った時と同様に、移動介助が必要な方に関しては、脇の下か肘を持ち、移動介助を行います。

浴室から脱衣所へ移動する時も、マットに足を引っかけることがないように注意をします。

 

着衣は、『脱健着患』の原則から、片麻痺の方は患側からの着衣を行います。ただし、長年の習慣で、頭からの着衣を望む方もいるので、配慮が必要です。

 

入浴後に軟膏塗布が必要な方もいるので、手袋をして患部に軟膏塗布を行います。

新しい傷やあざ、かぶれやただれがある場合は、家族を呼び、患部を見せるようにしましょう。

必要に応じて、病院受診を勧める必要もあります。また、顔色の観察を行います。

 

いつもと違うようであれば、着衣後すぐにベッドで横になることができるように、家族へ声掛けを行っておきます。

特に異常がなければ、話をしながらゆっくりと着衣を行います。

 

パンツやズボンの着衣も患側から行います。

しっかりと足を上げて頂き、着衣をします。

足が上がらない場合は、介助をして足を上げるようにしてズボンを履いてもらいます。

パンツやズボンを履く際は、膝の上までパンツやズボンのゴムを上げておくと、着衣介助が楽になります。

 

着衣後の移動も動線に注意しながら、移動しましょう。入浴後で疲れているので、足の上りなどが悪いことがあるため、特に段差があるところでは、注意を促します。

 

 

step6 ~水分補給~

 

脱衣所からの移動後、椅子やソファーに腰かけたら、水分補給を行います。

水分は、利用者の飲みたいものであれば、お酒以外何でも良いのですが一気飲みをしない様に声掛けをしてください。

 

 

step7 ~掃除~

 

浴室の掃除を行います。

洗面器、シャンプーなどのボトル類、シャワーヘッド、蛇口、床、浴槽、壁、扉などの洗浄をします。

洗剤で洗った後は、しっかりと洗剤分を流すようにしましょう。洗剤分を流すときにスポンジでこすれば、しっかりと洗剤分を取ることができます。

また、換気が必要であれば、換気扇を回すなどして、換気を行います。

 

最後に

以上が、一般的な入浴介助の一連の流れと注意点になります。

本記事のマニュアルは基本をつめこんだものですので実際の現場では予期しないことも起こります。

あとは経験しながらスキルアップしていきましょう!

当サイトでは介護現場にそった『身体介護マニュアル』を公開しています。

この機会に下記からチェックしておきましょう。

 

※ホームヘルパーの仕事内容について知りたい方は下記をどうぞ。

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