訪問介護の「サービス実施記録」を正しい書くための7つのポイント。特記事項はどう書く?

サービス実施記録の書き方

 

訪問介護ではサービス実施記録をつけることが義務付けられています。

サービス実施記録をつけなければいけないことは把握していたとしても

どのように記録しなければいけないのかわからない・・・

という人もいるかと思います。

 

そこで今回は

 

サービス実施記録を正しく書くためのポイント

特記事項の書き方

 

を解説していきたいと思います。

サービス実施記録は実地指導でも厳しくチェックされる部分なので、一緒に確認してみましょう!

 

 

\ 訪問介護の転職ノウハウまとめ /

  • 訪問介護の『適性チェック診断』
  • 『職場選び』のポイント
  • 転職活動の『進め方』
  • 転職にまつわる『不安を解消』


必読
転職ロードマップをみる

リンク先:https://helper-kaigi.net/houmon-care-jobchange/

訪問介護の転職で失敗したくない..でも働いてみたいって方におすすめ!

 

本記事の信頼性
  • 介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。
  • 保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイドヘルパー、ほか
  • 制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

 

訪問介護のサービス実施記録で気を付けたい7つのポイント

 

 

訪問介護のサービス実施記録をつける際には下記の通り7つ注意しておきたいポイントがあります。

  1. 消えないボールペンで記入する
  2. サービス項目にチェック漏れが無いように注意する
  3. サービス提供時間欄には実際の訪問時間を記入する
  4. 訂正印は利用者の印鑑を使用する
  5. できるだけ専門用語は控えるようにする
  6. 記録は利用者、家族も読むことを意識する
  7. 特記事項欄に【特変なし】は書かない

まずはこの7つのポイントを抑えて記録することを心がけましょう。

また、サービス実施記録はフォーマットが決まっているわけではありません。

各々若干の違いはありますが、注意すべきポイントはどのフォーマットにおいても変わらないため、実際に使用されているフォーマットと照らし合わせてご確認ください。

 

 

① 消えないボールペンで記入する

サービス実施記録は消えないボールペンで記入しましょう。

鉛筆やシャーペンはもちろんですが、摩擦で消えるボールペンなども正式な記録をするときには使用してはいけません。

前述した通りサービス実施記録は実地指導でもチェックされるため、基本的な部分ですがしっかりと守ることが大切です。

 

 

② サービス項目にチェック漏れが無いように注意する

サービス時実施記録は添付画像のとおり、実施したサービス項目にチェックを入れるようになっています。

実際に行ったサービス項目にチェック漏れがあった場合、そのサービスを行っていないということと同義になります。

当たり前のことですが、チェック漏れが無いかをしっかりと確認するようにしましょう。

 

 

③ サービス提供時間は実際の訪問時間を記入する

これは実地指導対策でもあります。

添付画像のとおり、サービス提供時間を記入する欄がありますが、ここには実際に提供したサービス時間を記入する必要があります。

事業所によっては、「訪問介護計画書通りの時間を記入するように」と実際に提供時間と異なる時間を記入するように指示しているところもありますが、これはNGです。

もう少し詳しく説明すると

例えば、

  • 計画時間・・・11:00~12:00
  • 実際の訪問時間・・・10:55~11:55

だった場合、サービス実施記録には10:55~11:55と記入しなければならないということです。

11時きっちりにサービスを開始し、12時きっちりにサービスを終了することは現実的にはありえません。

そのため実施記録には1分単位で正しく記入する必要があります。

 

またその時にサービス実績票も1分単位で正しい時間で記入するべきか?と疑問に感じるかもしれませんが

サービス実績票は計画と実際の訪問時間に15分以上の差異が無ければ計画通りの時間で問題ないとされています。

つまり

  • 計画・・・11:00~12:00
  • 実際の訪問時間・・・10:55~11:55

サービス実施記録は10:55~11:55と記入し、サービス実績票は11:00~12:00の記入でOkということです。

 

※上記内容は私の訪問介護事業所が、大阪市から実地指導を受けた際に指導された内容です。

他の自治体とは異なる可能性があるため気になる方は確認してみてくださいね!

 

また、他にも訪問介護は訪問介護計画書に基づいたサービスを提供しますが、必ずしも計画通りにいくとは限りません。

その場合も正しく記録し、報告をするようにしましょう。

突発的に計画書と異なる支援を必要に応じて行った場合は、担当のケアマネジャーに報告しなければならないため、記録は非常に重要になります。

 

 

④ 訂正印は利用者の印鑑を使用する

サービス実施記録を記入する際に、日時やサービス項目を間違えて書いてしまうことがあります。

ヘルパーの中には、訂正する際にヘルパー自身の印鑑を訂正印として使用している人もいますが、これは間違いです。訂正する際は利用者に説明し、利用者の印鑑で訂正するようにしましょう。

ヘルパーの印鑑で訂正することをOKとしてしまうと、後で改ざんができてしまうのでダメなのです。

 

 

⑤ 記録は出来る限り専門用語を使わない

サービス実施記録は利用者、家族、ヘルパーを繋ぐ為のツールでもあります。

例えば記録に

「仙骨部に水疱が出来ており、褥瘡様を呈しているので、病院受診を勧めています。」だったり

「玄関先で、転倒されたようで、手掌と膝に擦過傷と打撲痕があるので、病院受診を勧めました。」と

記録していても医療知識の無い家族からすると分かりにくくなってしまいます

出来るだけ専門用語は使わないように

「お尻の上のあたりに水膨れが出来ていて、床ずれになっているかもしれないので、病院受診を勧めています。」と書いたり

「玄関先で、転んだようです。手のひらと膝にすり傷と打ち身があるので、先生に診てもらって下さい。」と書いたほうが

分かりやすく家族も対応がしやすくなります。

 

 

⑥ 記録は利用者、家族も読むことを意識する

これについては、とても重要です。

例えば、利用者の方が墓場まで持っていこうと思っていた話を信頼していたヘルパーに話したとします。

その話をヘルパーは「こんな話をされていました。」とサービス実施記録へ書いたためにトラブルになってしまうことがあるため十分な注意が必要です。

特に、毎回訪問しているヘルパーに対して、利用者は信頼感が出てきているので、家族も知らない話だったり、家族間の話をしたりする人もいます。

「この話は聞かなかったことにしよう。」「内緒だけど。」という話に関しては、サービス実施記録への記入はせずに、口頭で管理者のみに話すようにしましょう。

また、管理者がそういった話を聞いたときは、ケアマネとの情報共有のみにしましょう。

 

 

⑦ 特記事項欄に【特変なし】は書かない

 

添付画像のとおり、サービス実施記録には特記事項として記入できる欄が設けられています。

利用者の体調や環境の変化などを記録として必ず残すようにしましょう。

特変なし」と書いているヘルパーをよく見ますが、実地指導の際に指導対象となるので注意が必要です。

簡潔かつ客観的に記入するようにし、誰がその記録を見たとしても記入者と同じように状況が把握できるように心がけることが大切です。

 

とはいえ「特記事項に何をどのように書けば良いの・・・?」「なんにも変化無いし書くこと無い・・・」と悩みがち。特記事項に関しては次の章で詳しく解説していきますので最後まで見てくださいね~!

 

 

サービス実施記録の特記事項は「観察力」がカギ

 

訪問介護のサービス実施記録には利用者の様子や体調、環境変化などを記入しますが、的確に必要なことを書くためには観察力が大事になります。

ヘルパーの観察力次第で良いものにも悪いものにもなります。逆に言うと記録を見れば、ヘルパーの観察力の程度が分かったりもします。

 

では具体的に見ていきましょう!

 

 

「体調」について特記事項を書く場合のイマイチな例と良い例。

まずイマイチな例を挙げると

訪問すると、庭で草取りをしており、お元気そうにしていました。体調をお聞きすると、「今日は天気が良いので、体調はいいよ。」と話していました。

 

と言った内容になります。結構このように書いている人も多いのではないでしょうか。

しかし、ヘルパーが聞き取りを行う「体調」は本人からの聞き取りではなく、ヘルパーからの見た目が必要です。

 

では良い例を見てみましょう。

訪問すると、庭に農業用の椅子を置いて、座り器具を使って草取りをされていました。上手に使うことが出来ており、根まで抜いておられました。体調を聞くと、「今日は天気が良いので、体調はいいよ。」と話されています。表情良く返答されています。
水分補給の促しをし、一緒に室内に入り、掃除個所の確認をして作業を行っています。

 

と言った書き方になります。この記録を見ただけでその場の状況が想像できます。

 

また、記録の書き方としては、箇条書きの方法もあります。

例えば

■ 庭にて農業用の椅子に座り、器用に道具を使い、草取りをしていた。

■ 体調は良いとのことで、表情良く、笑顔ある。

■ 暑いため、自宅に入るように声掛けし、水分摂取を促す。

 

となります。

ヘルパーは体の内面に気づき、記入するとともに、普段見られない状態(ここでは草取り)を丁寧に観察した通りに書くことで、「体調」だけではなく、利用者の「状態」も一緒に記入します。

 

 

「日頃や最近の出来事」を特記事項に書く場合のイマイチな例と良い例。

まずイマイチな例を挙げると

訪問すると、「昨日、病院の受診に行った。先生からは、何も言われなかった。薬も変更なかった。」と話していました。体調は変わらず、いつものようにお元気で過ごしています。

 

と言った内容になります。

しかし、この記録では「病院の受診」は定期受診なのか、昨日は体調が悪くて、受診したのかわかりません。

 

では良い例を見ていきましょう。

訪問すると、「昨日、病院の受診に行った。先生からは何も言わなかった。薬の変更もなかった。」と言われる。定期受診で、処方薬あり。表情良く、体調はいつもと変わらず、ソファーで過ごしている。

 

と言った記録になります。

 

箇条書きで書くとすれば、

■ 昨日、定期受診し、処方薬あり。薬の内容変更なし。

■ 体調良く、いつものようにソファーで過ごす。

 

と言った記録になります。箇条書きであれば、必要な事、大事なことのみを書けば、内容は伝わります。

 

このように必要な事、大事なことを的確に書くためには、ヘルパーの観察眼がとても大切になります。

 

 

事例から理解する特記事項の書き方

 

(年齢75歳 男性)
50歳まで長距離トラックの運転手をしており、その後、65歳までタクシーの運転手をする。運転手を退職後は、妻と二人で生活していたが、一昨年、脳梗塞を発症。脳梗塞後遺症にて軽い左上肢の麻痺がある。
歩行は自立しているが、入浴動作に介助を要すため、デイサービスを週2回利用している。
しかし、ご本人は、自宅浴槽での入浴を希望しているため、ヘルパーの利用をすることなる。

 

上記の利用者に訪問介護での入浴を提供する場合は、訪問して挨拶をする間にその日の顔色や表情の観察を行い、体調の確認をします。

その後、血圧測定を自動血圧計にて行い、脱衣所へ誘導。この時、歩行状態や立ち上がり、体のふらつきの観察をします。

脱衣所では、椅子に腰かける時や衣類脱衣時の動作を観察します。

浴室では、表情の観察を行いながら、洗髪や洗身を行い、全身の皮膚状態の観察をします。

入浴後、着衣中の状態、歩行の状態、入浴後の水分補給の状況を観察します。

 

このように入浴介助時の観察は多岐に渡ります

ですが、入浴所の状況を毎回、事細かく記入していては。時間が足りませんし、読みづらくなります。

 

報告書はあくまでも、自分の目で見たこと、相手が話したこと、実際にあったことを書くようにします。

 

なので、入浴前~入浴後の記録に関しては、文章として記入するのではなく、あくまでも報告書での記録が求められるため、必要且つ大事な部分を抜き出して書くようにするか、箇条書きで記入したほうがよい場合もあります。

 

文章化の例としては、

訪問すると、ソファーで過ごしている為、声掛けして血圧測定をしていただく。
血圧128/65mmHg 脈 80回/分 体温 36.5度。
笑顔があり顔色も良い。右手を上手に使って脱衣されるため、一部介助をしました。
右手を使って洗身などされますが、洗えない部分があるため、背中や臀部・足先などの洗身を行っています。左わきの下を掻いたようで、少し傷になっています。
浴槽の出入りは、手すりをしっかりと握ることでふらつくことなく、湯に浸かることが出来ています。
入浴後にお茶を勧めると、ソファーに腰かけ150mlはしっかりと飲まれました。

となります。

 

箇条書きの例としては

■ 訪問時、ソファーで過ごす。血圧128/65㎜Hg 脈80回/分 体温36.5度

■ 表情・顔色良く笑顔ある。脱衣は一部介助。

■ 洗髪、背部・臀部・足先の洗身をす。左わきの下に掻いた様な傷が少しある。

■ 浴槽の出入りは手すりを持つことで、ふらつきなく安定して入浴出来ている。

■ 入浴後は水分150ml摂取する。

と言ったようになります。

 

上記のケースの記録を見たときに、文章化した記録、箇条書きにした記録、どちらも一長一短があります。

 

文章化した記録は、ソファーから移動、脱衣・浴室、洗身・洗髪・入浴、着衣移動、水分補給、ソファーまでの一連の流れが掛かれているため、報告書を読む側もしっかりとイメージして読むことが出来るため、その時の状況がわかりやすくなっています。

箇条書きした記録は、必要な部分のみを書いているので、一連の流れとして、イメージはしにくいのですが、報告書を読む側とすれば、すっきりとしているので、読みやすくなっています。

 

自分の観察力に自信のない方は下記を参考にしてみてください。

>>ヘルパーの観察力を高める方法

 

サービス実施記録は自分たちの身を守る役割もある

ビジネスウーマン

 

訪問介護においてサービス実施記録は自分たちの身を守る役割もあります。

これは、記録を正しく行っていると、万が一なんらかの問題に発展してしまった場合、正しくサービスを行ったという証拠になるためです。

訪問介護の現場はどんなに努力をしていたとしても事故が起こることもあります。

事故報告書も当然重要ですが、合わせてサービス実施記録にも簡潔で構わないので事故が起きたことを記載し

「詳細は事故報告書に記載」などの一文を記載しておくだけで、いざという時に身を守る記録となります。

 

最後に

今回はサービス実施記録の書き方のポイントを解説しました。

現場のヘルパーさんたちはサービス実施記録を軽視しがちです。もちろん質の高いサービスを提供することはとても大事なことですが、そのサービスを証明する記録も同じぐらい大事なことだということを理解しておきましょう。

当サイトではホームヘルパー・サービス提供責任者の初心者向けに業務マニュアルを無料で公開しています。

良かったら下記から参考にしてみてください!

※ホームヘルパーはこちら

※サービス提供責任者はこちら

 

※そのほかの帳票一覧を知りたい方は下記をどうぞ。

タイトルとURLをコピーしました