訪問介護事業所で揃える必要のある帳票一覧と概要。

 

訪問介護は利用者が在宅生活をつづけていくために、必要なケアサービスを提供することだけが仕事ではありません。

特に管理者やサービス提供責任者は定められた取り揃えるべき書類、いわゆる「帳票」という物を作成し、それをもとにサービスの提供を行わなければなりません。

 

今回は訪問介護で必要な帳票について解説していきます!

 

スポンサーリンク
本記事の信頼性

介護業界11年目のちょいベテランで現役の管理者兼サービス提供責任者が執筆しています。

保有資格:ヘルパー2級、基礎研修、社会福祉士、同行援護、全身性ガイヘル、ほか

制度などの解説記事は「厚生労働省の一次情報」をもとにしています。

訪問介護事業でそろえるべき帳票一覧と概要

 

訪問介護事業所を運営するにあたり、様々な帳票(以下、書類)が存在します。

大きく分けると「業務帳票」と「請求帳票」に分けられます。

どちらも訪問介護事業所を運営するにあたり必要不可欠で、特に実施指導や監査などが入れば調査対象となる重要な書類です。

またこれらをしっかりと取り揃えているからこそ良質なサービスに繋がるとも言えます。

今回は「業務帳票」について学んでいきたいと思います。

 

ちなみに「請求帳票」に関しては下記に詳しく解説してますので参考にしてみてください!

 

訪問介護の業務帳票一覧

訪問介護事業でそろえるべき帳票書類は下記のとおりです。

  1. アセスメントシート
  2. 緊急連絡票
  3. 契約書・重要事項説明書・個人情報使用同意書
  4. サービス提供票および別表
  5. サービス担当者会議議事録
  6. 支援経過記録表
  7. 訪問介護計画書(介護予防計画書)
  8. 手順書・見取り図
  9. 通院記録
  10. モニタリング報告書
  11. 事故報告書・ヒヤリハット報告書
  12. 苦情報告書
  13. ヘルパー研修記録
  14. その他

 

それぞれ見ていきましょう!

 

 

アセスメントシート

アセスメント=評価する・査定する

という意味があります。

介護においては、利用者の情報を入手しそれをまとめるものがアセスメントシートになります。

とくに新規利用開始時には、ケアマネージャーからの利用者情報や本人や家族からのヒアリング、サービス担当者会議でのヒアリングなどから、事業所用のアセスメントシートを作成します。

これをもとに訪問介護計画書の作成や各ヘルパーへどのような利用者なのかを伝えます。

アセスメントシートは利用者の身体的、精神的また環境的な状況を記載するものが多いため、利用者に変化があれば都度内容を変更し、再作成することが望ましいでしょう。

アセスメントについてポイントを下記記事にまとめてますので参考にしてみてください。

 

 

緊急連絡票

緊急連絡票は事業所と利用者宅の2つ分用意しておくと良いです。

利用者の氏名、年齢、住所、既往歴、かかりつけ医、救急搬送先の指定病院、緊急時の優先順位などを記載します。

とくに緊急時の連絡する優先順位はかなり大事です。

例えば、「救急車を呼ぶ前に家族に連絡する」、「救急車を呼ばずに主治医に連絡する」などあらかじめ決められていることも多く、間違って救急車を呼んでしまいトラブルになることもあります。

 

 

契約書・重要事項説明書・個人情報使用の同意書

介護サービスを提供する際に、必ず「契約書」「重要事項説明書」「個人情報使用の同意書」の説明と同意が必要になります。

介護サービス提供前に必ず説明にあがり、署名捺印をいただく必要があります。

本人の手が不自由の場合など様々な事情で本人では同意ができない状況であれば家族などに代筆していただくことも可能です。

下記記事でより詳しく解説してますので参考にしてみてください。

 

 

サービス提供票(実績票)別表

毎月の終わりに翌月のサービス提供票というサービスの予定表がケアマネから送付されます。

訪問介護はその予定表に基づいてサービスを提供していきますが

実際にいつ・どのサービスを使ったのかを月末にケアマネに報告する必要があります。

また別表とは、提供表と一括りとされる書類でこちらには利用単位などを記載します。

この提供表(実績表)別表の内容が間違えていると、後に返戻対象になったり、関係機関に迷惑をかけてしまう場合がありますので、以下のようにしっかりと確認を行いましょう。

 

  • STEP1
    ケアマネージャーから利用表・別表が届く
  • STEP2
    利用表・別表に間違いがないかチェック
  • STEP3
    利用表・別表を基に提供表・別表を作成
  • STEP4
    サービスが終了する毎に提供表に実績を記載する
  • STEP5
    1か月が終了し出来上がった実績表・別表を、他の従業員と共にダブルチェックをする
  • STEP6
    ケアマネージャーに送付・国保連の請求業務開始

 

事業所によりやり方は多少異なりますが、必ずそれぞれの書類に対してチェック項目を定めておくことが間違いのない書類の作成に繋がります!

 

 

サービス担当者会議の議事録

サービス担当者会議へ出席した場合は議事録を作成する必要があります。さまざまな関係機関との意見交換を行い、サービスの方針、内容などが決まる、とても重要な内容が議論されています。

忘れていたでは済まされないことばかりですので、会議中に重要なことは記録し議事録として保管する必要があります。

サービス担当者会議について下記に詳しくまとめてますので参考にしてみてください。

 

 

モニタリング報告書(サービス報告書)

サービス報告書は毎月のサービス実績票と一緒にケアマネに送付される書類となります。

利用者のサービス計画から現在のニーズを満たせているか、目標に対して現状どのような進捗状況なのかを調査し、評価を残す書類となります。

モニタリングに関して月に1度行います。

モニタリングは自身がヘルパーとして現場に入りサービスを通して利用者から伺ったり、担当ヘルパーに聞き取りを行ったり、家族から聞き取ったりと様々な方法がありますが、これらを整理して都度まとめておくことで今後のサービスをより向上させることに繋がります。

こちらに関しては事業所ごとに様式が違いますので、書式を作成するようにしましょう。

ケアマネ目線で理解のしやすい報告書を作成することをお勧めします。

 

下記にモニタリング報告書の詳細を記事にしていますので参考にしてみてください!

 

 

支援経過記録

支援経過記録表は、提供毎のサービスについて利用者の状況や言動、結果などを日々記録していく書類です。

日々記録しておくことで、振り返った時に時系列順に利用者の状況が理解しやすく、より良いサービスに繋げることができます。

特にサービス担当者会議では、数か月に1度しか開催されないものですので、この支援記録を残しておくことで利用者の状況を時系列順に整理して伝えることができます

 

そのためには、担当ヘルパーから些細なことでも報告が入るシステムを作っておくことが必要であり、問題を書き起こすだけでなく利用者の些細な一言、表情、動きなどを残していく癖をつけると良いですよ!

 

 

訪問介護計画書(介護予防計画書)

訪問介護はケアプランに基づいて行われますが、ケアプランとは別に訪問介護のケアプラン=訪問介護計画書が必要になります

訪問介護計画書(介護予防計画書)は、どのようなサービスを提供するのかが記載されたサービスの枠組みとなる重要な書類です。

まず、ケアマネージャーが作成する居宅サービス計画書が存在します。

それが各事業所に配布されるので、それを基にアセスメント結果、ご利用者の要望、サービス担当者会議で決定したことなどを加味して、訪問介護としての長期目標、短期目標を設定しどのようなサービスを提供するかを決定し計画書を作成します。

 

あくまでケアマネージャーが計画している内容に沿っている必要があるため、良かれと思って独自のサービスを盛り込むことはできません。

そして、作成後はご利用者もしくはご家族に説明に上がり、署名捺印などで同意を得て完了となります。

計画書の作成が必要なタイミングとしては

  • 新規サービス開始時
  • 介護認定更新時期
  • サービス内容変更・増回時

などの際に作成する必要があります。

この書類がなければ実地指導や監査では厳しく追及され、最悪場合介護報酬の返還などに繋がりますので取り忘れの内容にしましょう。

 

下記に訪問介護計画書の作成方法を詳しく記事にしてますので参考にしてみてください。

 

 

手順書・見取り図

提供するサービスの手順と利用者宅内の見取り図を作成し、保管しておきます。

実際にサービスを実施するヘルパーが見るものですので、誰がみても分かりやすく構成する必要があります。

手順書の書き方は大事なことですので下記により詳しくまとめてますので参考にしてみてください。

 

 

通院記録

通院記録をなぜ残しておく必要があるかというと、通院は算定できる部分とできない部分が非常にややこしいためです。

院内は基本的に算定はできませんが、必要部分のみ算定可能になるなど、細かいところまで記録として残しておくことで算定するための根拠となります。

通院記録の詳しい書き方は下記まとめてますので参考にしてみてください。

 

 

事故報告書・ヒヤリハット報告書

介護サービス中に事故があった場合は必ず事故報告書を作成する必要があり、これはヘルパーが直接起因しているかどうかではなく、サービス中に起こった事故はすべて記録に残しておく必要があります。

そしてヘルパーが原因で、例えば利用者が転倒され骨折などケガを負われた場合は、事故報告書を基に市町村に報告する義務があります。

 

ヒヤリハット報告書は、事故報告書よりも作成する頻度が多い書類となります。

ヒヤリハットとは介護サービス中にヘルパーが直接起因しているかどうかではなく「ヒヤッ」とした場面や「ハッと」した場面などがあれば記録に残します。

ただ、ヒヤリハットは結果として事故には至らず、危険だったケースという位置づけですので、ヒヤリハットに残す残さないの判断は、人によりかなり差が出てきます。

「ヒヤリハットの数だけご利用者は安全な生活ができる」と言われるくらい大切な書類です。

事故報告書も含めて、起こったことから原因を追究し、改善し、未然に防ぐことがより良いサービスの提供やご利用者の安全に直結するとても重要な書類となります。

 

下記に事故報告書とヒヤリハットについてより詳しくポイントを解説してますので参考にしてみてください。

 

 

苦情報告書

苦情報告書はその名の通り、苦情を受けた際に作成する書類となります。

余程のことがなければ書くことのない書類ですが、苦情が改善されなければ契約が終了してしまったり、市区町村から事業所へ調査が入ることもあります。

また書類として残しておくと後々にトラブルになった際に役立ちます。

 

 

ヘルパー研修記録

訪問介護事業はヘルパーへの研修義務があります。

月に一回は全体研修を開催し、参加者や内容を議事録に残しておく必要があります。

参加することができないヘルパーに対しては研修資料を渡したり、個別に研修を実施するなどをして全員に研修を実施する必要があります。

実地指導時にチェックされますのでしっかり残しておきましょうね。

効果的な研修を行うためには研修計画をしっかり立てる必要があります。下記に詳細をまとめてますので参考にしてみてください。

 

 

その他

その他には「相談受付票」や「鍵預かり書」も必要であれば作成しておきましょう。

特に鍵預かりを行っている事業所は必須です。鍵番号を記載できる同意書を作成し、署名捺印をいただき保管しておきましょう。

 

 

スポンサーリンク

各種帳票の保管期限について

 

厚生労働省により介護保険の文書保存期間は「介護保険サービスが終了してから2年間」と定められています。

市町村によっては「介護保険サービスが終了してから5年間」と定められている場合も多く、必ず管轄の担当部署に確認をとりましょう。

そして期間が過ぎた書類に関してはシュレッダーにかけるなどして速やかに処理を行いましょう。

 

スポンサーリンク

まとめ

今回は訪問介護事業でそろえる必要のある帳票書類の解説をしました。

書類の取り忘れ防止のためにチェック表を作成するなどして、滞りなく各種帳票に抜けがないようにしましょう。

サービス提供責任者からすると書類作成は正直かなり面倒な仕事です・・・ですが、書類をきちんと作り上げることがサービスの質に直結するのだと信じて、書類作成を意味のある業務として臨みましょう。

また今回解説した帳票書類の無料テンプレートがありますので良かったら参考にしてみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。

タイトルとURLをコピーしました