訪問介護におけるアセスメントは、訪問介護計画書の作成や、適切なサービスを提供するためにも必須と言えます。
そのため、アセスメントをしっかりと行わなければ、良い支援を行うことは困難だと言えますが
実際にアセスメントをしてみると上手く書けなかったり、項目の多さに戸惑ってしまったりする人もいるかもしれません。

そこで今回は
- アセスメントの抑えるべきポイント
を解説していきたいと思いますので、確認していきましょう!
誰が見ても理解できるアセスメントを目指す
アセスメントはわかりやすく作成することが大切です。誰が見ても記入者と同じように理解できるアセスメントを目指しましょう。
そのためには、基本的な2つのポイントがあります。
とても重要なポイントなので、取り入れてみてください。
5W1Hを意識する
5W1Hとは
- Who(だれが)
- When(いつ)
- Where(どこで)
- What(なにを)
- Why(なぜ)
- How(どのように)
を指します。
主に文章を作成する際に使われる技法ですが、アセスメントにも活用することができます。
また、Who(だれが)は具体的に記入するとわかりやすくなります。
例えば、「家族が」ではなく「長男が」と記載すると、複数の家族が支援に関わっている場合、誤解を防ぐことができます。
客観に基づく事実に対する主観を明らかにする
客観とは、「第三者による見方」で、主観は「自分自身による見方」です。これを理解するとはどういうことでしょうか。
例えば、
『Aさんは80歳の女性で一人暮らし。家族は遠方なため頻繁に来ることはできない。買い物は一人で行っているが、近隣にスーパーはなく、片道30分かけて杖をつきながら歩いて買い物に行っている』
これは客観に基づく事実です。ここに2パターンの主観を追加してみます。
- 『片道30分杖をつきながら歩いて買い物に行くのは、大変で困っている』
- 『片道30分杖をつきながら歩いて買い物に行くのは、リハビリになるので継続したい』
客観的な事実だけで考えてしまうと「片道30分かけて買い物に行っているから、生活援助が必要だ」と考えてしまうかもしれません。
主観①は本人も困っているので良いかもしれませんが、主観②は「継続したい」と本人が思っているため、生活援助は適さない可能性があります。
このように、客観に基づく事実に対する主観を明らかにすることにより、アセスメントのわかりやすさも向上します。
さらにアセスメントを深めるための3つのポイント
わかりやすいアセスメントの基本を理解し、回数を重ねるとスムーズに行うことができるようになります。
しかし、アセスメントは慣れてくるが故に見落としてしまう部分もあります。
ここではわかりやすいアセスメントをさらに深めるための3つのポイントをお伝えします。
できることに着目する
アセスメントをするとき、つい『できないこと』ばかりに着目していませんか?確かに生活課題を見つけるためには、できないことを知る必要がありますが。
しかし、それだけでは
本人の持っている能力を見落としてしまう可能性もあります。
介護保険制度の根底にあるのは『自立支援』。できることやその人の持っている能力を活かす支援をしなければいけません。
また、利用者にできないことばかりを話させてしまうと、気落ちしてしまう危険性もあります。
利用者の気持ちにも寄り添い、できることに着目し、アセスメントをより深めていきましょう。
潜在化している課題を考える
利用者が生活課題に気がついていない場合もあります。そ
れを潜在化している課題と呼びますが、潜在化している課題を考えることができるとアセスメントは深まります。
いわゆる『気づき』です。
特に、利用者は訪問介護で何ができるのかを理解していない人も多いので、利用者の訴えから潜在化している課題に気づき、訪問介護のサービスで解決できるということも考えられます。
優先順位をつける
生活課題が複数あったとして、すべての課題が同じように困っているとは限りません。
健康に直結する課題や衣食住など生活の基盤に関係する課題など様々です。
まずはどの課題から解決する必要性があるのかを利用者とともに考えて、アセスメントで優先順位をつけてみましょう!
利用者の課題が変化したら再度アセスメントを
アセスメントはどのくらいの頻度で行うべきなのか迷うこともあるかもしれません。
訪問介護計画書を作成する前に必ずアセスメントを行いますが
以降も利用者の課題が変化したら再度アセスメントを行いましょう。
定期的なモニタリングで確認することも大切ですが、日頃の関わりから変化に気がついた場合は、そのままにせずに必ず報告をしましょう。
まとめ
訪問介護におけるアセスメントは、訪問介護計画書を作成するためにも、適切なサービスを提供するためにも大切です。
まずは誰が見ても理解できるアセスメントを目指し、徐々にアセスメントを深めていきましょう。
そして、一度のアセスメントで終わってしまうのではなく、利用者の課題の変化に気づき、必要に応じてアセスメントを行っていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました!少しでも参考になれば幸いです。