訪問介護は身体介護と生活援助に分かれていますが、身体介護には20分未満のサービスの枠組みである
- 「身体01」
- 「身体02」
があります。
身体介護の中でも少し特殊な立ち位置になるため、
「どうしたら算定できるの?」
と疑問に持たれた方もいるかもしれません。

今回は
- 「身体01」「身体02」の算定要件
を今までの遍歴と一緒に確認してみましょう!
訪問介護サービス「身体01」「身体02」の算定要件とは?
まず、そもそも「身体01」と「身体02」はどう違うのか?ですが
- 身体01・・・2時間の間隔をあけた20分未満の訪問介護
- 身体02・・・2時間の間隔を空けない(2時間ルール適用外)20分未満の頻回の訪問介護
の事を指します。
2時間ルールが良くわからない方は下記記事で解説していますので参考にしてみてください!
ではそれぞれの算定要件を見ていきましょう!
「身体01」の算定要件
「身体01」ですが、改定により算定要件が変更になった経緯がありますが
令和2年の現在では、要介護の利用者であれば全事業所で算定が可能となっています。
だいたいどの訪問介護事業所でも算定できると認識してください。
「身体02」の算定要件
2時間ルールの適用されない頻回の訪問介護「身体02」は少し複雑になっています。
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護の指定を受けている場合は要介護1~5までサービス提供が可能(※要介護1~2は認知症の診断が必要)
- 定期巡回・炊事対応型訪問介護看護を実施予定の場合は要介護3~5までサービス提供が可能
- 3ヵ月に1回以上の担当者会議の開催と、サービス提供責任者の参加、その際に頻回の訪問介護での20分未満の身体介護の必要性を判断
このように複雑かつ細かな算定要件がなされています。
20分未満の身体介護を実施するメリット
生活援助は一番短い時間だとしても、20分以上45分未満の「生活援助2」になりますが、身体介護に関しては20分未満の支援が認められ、訪問介護の中でも特殊な立ち位置になっています。
では、20分未満の身体介護はどのような支援を前提に創られ、どのようなメリットがあるのでしょうか。
身体介護=「重労働」「長時間の介助」とは限らない
身体介護と聞くと「重労働」や、「長時間の介助」のようなイメージが強いかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。
確かに入浴介助などは時間もかかるし大変かもしれませんが、服薬の見守りなど短時間で終わるものも身体介護として算定されます。
そのような身体介護ではあるものの長時間はかからず、なおかつ利用者にとっては必要不可欠な支援を適切に行うために創られたという背景があります。
過去には無理やりサービスを追加せざるを得ない状況も
以前は20分未満という短時間の身体介護は存在していませんでしたが、現在と同じく短時間でも身体介護を必要とする利用者はいました。
そのような状況で、訪問介護事業所側としては支援に入るために他のサービスを組み合わせて20分以上の時間を確保するため、無理やりサービスを追加せざるを得ない状況もありました。
そのため、20分未満の枠組みができたことにより、訪問介護事業所側としても適切な支援を行うことができるようになったと言うことができます。
利用者や家族にとってのメリットも大きい
20分未満で身体介護の支援を受けられることは、利用者にとっての利点も大きいと言えます。
厚生労働省では、下記のような情報を公表しています。
「20分未満の身体介護」の利用者への効果
利用者にとっての効果としては、持家の場合は「家族の負担軽減につながった」「本人・家族の安心感が高まった」が多く、サービス付き高齢者向け住宅等では「1日の生活リズムが整った」「本人・家族の安心感が高まった」が多く、住居形態による差がみられた。
持家の場合の「家族の負担軽減につながった」というのは、長時間かかって大変な介助だけが家族を悩ませているのではないというのが伝わるかと思います。
また、サービス付き高齢者向け住宅等の「1日の生活リズムが整った」は、利用者にとって必要なタイミングで適切な身体介護が入ることができるようになったからではないでしょうか。
このように、20分未満の身体介護は利用者や家族にとってメリットが大きいと言えます。
まとめ
今回は訪問介護の「身体01」「身体02」について解説しました。
2時間の間隔を空けての「身体01」は要介護1~5の人を対象とし、すべての訪問介護事業所で支援することが可能です。
2時間ルールの適用されない頻回な訪問介護「身体02」の場合は要件が複雑で、担当者会議の多さ等もあり、算定していくのは大変である一方で、利用者や家族にとってはとても助かる支援になります。
介護保険は改定も多く、今後も算定要件の変更があるかもしれませんが、短時間の身体介護は需要もあり、高齢化に伴い、必要とされる人も増えると予想されます。
あらためて訪問介護の必要性を感じる支援の形のように思えます。
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。