訪問介護の環境整備とは?着目すべき3つの視点。

訪問介護の環境整備に必要な3つの視点

 

訪問介護における環境整備というと介助を行う前にヘルパーがケアを提供しやすいように、訪問時に行うことがまず浮かびます。

が、この環境整備はそれだけではなく、じつは介護の専門職として非常に重要なポイントとなります。

 

そこで今回は

 

環境整備の重要性と着目すべき3つの視点

 

について解説します。ぜひ参考にしてみてください!

 

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この記事を書いた人

ヘルパー会議室編集部

くらたろう

30代男性。大阪府在住。東証一部上場企業が運営する訪問介護事業所に3年従事し、独立。事業所の立ち上げも経験。訪問介護の経験は11年目、現在も介護現場に自ら出つつサービス提供責任者として従事している。ヘルパー・サ責の学ぶ機会が少ないことに懸念を抱き、2018年に訪問介護特化型ポータルサイト「ヘルパー会議室」を設立。

【保有資格】 訪問介護員2級養成研修課程修了/介護職員基礎研修修了/社会福祉士/全身性ガイドヘルパー/同行援護従業者養成研修修了  

訪問介護の「環境整備」の定義と重要性とは?

障害者マークと家

 

まず、

訪問介護の環境整備とは「サービスを行う前の事前準備」であり、換気、室温、日当たりの調整、ベッドまわりの簡単な整頓等を指します。

 

では、この環境整備がなぜ重要なのか?

それは環境整備における細かい「気づき」で利用者の在宅生活を守ることができるからです。

利用者は、自覚がないまま少しずつADL(日常基本動作)が低下していきます。

正しい環境整備を行わないことで、利用者の転倒リスクが上がったり、他者の手を借りなければならないことも増えたり、とやがては在宅での生活が困難になる場合もあります。

 

それを防ぐためにはできることは利用者自身が行っていくことに加えて

安全な環境の中でやってもらうことが何より大事です。

そのための同線作りなどが環境整備ということですね。

人間誰しも、出来るだけ自分でやれることは自由にやって、最期は在宅で迎えたいものです。

 

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訪問介護の環境整備に必要な3つの視点とは?

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環境整備を行うにあたり、大事な視点や、日々の訪問時にも気をつけなければいけない点がありますので、いくつか見ていきましょう。

 

①利用者の生活環境を知り、様々なリスクを予測する

利用者の状態にもよりますが、自宅内で全く使用しない部屋がある、などだんだん生活するスペースは限られてくることはよくあります。

利用者が生活するうえで使うスペースをまず把握しましょう

「この同線は安全なのか」「あの家具や置物はあそこのままで本当によいのだろうか」と、利用者が在宅生活を行ううえで、隠れているリスクをまず予測することです。

そして必要があれば利用者の同意を得て環境整備を行いましょう。サービス提供責任者へ報告も忘れないようにしてくださいね。

 

当然の話しかもしれませんが、家具の位置などの住宅環境は、利用者の自由なので、無理に動かしたりはしてはいけませんのでご注意を!

 

 

②利用者のADL(日常基本動作)をきちんと把握する

利用者によってできること、できないことは様々です。

片マヒだからといって皆が一律ではなく、そのなかでもできること、できないことは違ってきます。

事前情報だけを鵜呑みにして、一律に「この利用者さんはこうだから」と決めつけるのではなく、専門職として、なにができて、なにができないのかを自分の目で観察しましょう。

 

本当はあったはずの残存機能が、誰にも引出されずにどんどん無くなってしままい、施設入居になってしまったという利用者はきっと少なくないはずです・・・

 

③利用者の日々の変化を見逃さない

利用者の日々の状態変化に合わせて環境整備を行う必要があります。

ここまでくるとヘルパーだけで行うものではないですが、きちんと状態の変化を見逃さずに、サービス提供責任者へ報告ができていれば、福祉用具を取り入れることや住宅改修を行うことだってできます。

利用者の身になにかが起こってから緊急的に環境整備を行うことが多いですが、それでは遅いです

 

事が起こる前に日頃から利用者と関わりながら気づけていればより良い在宅生活が送れるはずです。

それに気付けるのは、日頃から在宅生活に関われる訪問介護だということを意識しましょう!

 

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「〇〇だろう」ではなく「〇〇かもしれない」という意識を

頭を抱えている女性

 

  • 「今日こうして元気だからきっと大丈夫だろう」
  • 「今の家の状態でも上手に歩けているから問題ないだろう」

など「〇〇だろう」という意識は介護職として危険な意識です。

利用者の状態は日々変化します。

この意識でケアや環境整備を疎かにしてしまうと、事故につながってしまうので、

  • 「上手に歩けているけど夜はフラつくかもしれない。」
  • 「元気だけど明日は〇〇かもしれない・・」

など「〇〇かもしれない」という意識に変えるだけで、環境整備に限らずやるべきことが見えてきますので、常にリスクマネジメントができる意識をもっておくと良いです。

 

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まとめ

何気なく使われていたこの「環境整備」ですが、じつは利用者の暮らしを守るのに、一番介護職が気をつけなければいけないポイントになってくるのです。

介護職が24時間在宅している利用者を見守ることはできませんが、この環境整備一つで、飛躍的に在宅生活を保てる利用者も増えてくるのではないでしょうか。

大事なのは細かい「気づき」です。今日からぜひ実践していきましょう。

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良かったら下記から参考にしてみてください!