訪問介護で、サービスを実施するのに欠かせないものの一つとして、「サービス手順書」があります。
ほとんどの訪問介護事業所が、この手順書をもとに、サービスを提供しているのではないでしょうか。
それほど重要な帳票の一つです。

手順書は事業所によって、書き方や作成の仕方は違うかもしれませんが、ヘルパーが安心してサービスを実施するためには、とても大切なマニュアルとなります。
今回は、手順書の書き方や注意点を含めて詳しくお伝えしていきます。
訪問介護のサービス手順書は、事細かく書くこと
訪問介護の手順書の書き方が悪いと、ヘルパーが利用者から、不手際を指摘されることになり、やがて大きなクレームに繋がる可能性もあります。
手順書が無くてもヘルパーに優しく教えてくれる利用者もいますが、「ちゃんと聞いといてよ」と共有ができていないことに対して、不満を持つ利用者もいます。
手順書はヘルパーにとって大事なマニュアルになりますので、抽象的に書くのではなく、事細かく書くとヘルパーも安心できます。
作成者が主観的にわかりやすいと思う書き方ではなく、初めて入るヘルパーにでもわかる書き方をすることが大切です。
訪問介護のサービス手順書の書き方で抑えておくべき4つのポイント
訪問介護の手順書は、抽象的に書かずにより具体的に書くことが大事ですが、
なかには「これを書いておくとヘルパーさんが安心する」ポイントがいくつかありますので、お伝えしていきます。
①サービス時に必要な「物品類の場所」や、「物品がなかった場合の対応」も含めて細かく書く
サービスを行うのに必要な物品関係類は具体的な場所(和室にある押し入れ2段目の左奥・・など)詳しく書きましょう。
ヘルパーは、1度教えてもらった場合でも、1人での訪問は緊張もあり、うっかり抜けてしまっていることがあります。
「リビングにある・・」「本人の部屋に置いてある・・」など、少しおおざっぱに書いてしまうと、そこのどの場所なのか見つけられず、余計な時間を取られてしまいます。
また必要物品がなかった場合の代替え方法も書くととても親切です。
訪問介護の現場では、パッドがなくなっていたなどの、物品の不足はよくあることです。
不測の事態でもヘルパーが対応できるように書いてあげましょう。
②身体介助に関しては「ヘルパーが介助すること」「利用者ができること」を明確に書く
身体介助については、利用者の疾患に対した一律の介助をするのではなく、残存機能を活かせる手順書を書くと良いです。
例えば
- 「入浴時は左手の○○まではヘルパーが介助して、○○に関しては本人に洗ってもらう」
- 「ベッド上のオムツ交換は、本人が腰をあげてズボンを下ろせるように、声かけを行う」
など、利用者それぞれに応じて細かく書くようにしましょう。
③入室時と退室時に必要な手順でクレームを防ぐ
訪問介護においてクレームに繋がるのは、じつはこの入室時と退室時に原因がることが多かったりします。
終わり良ければすべてよしではないですが、やりっぱなしがないか、エアコンや窓、ドアの開け閉めなど、利用者によってルールは様々です。
親切な書き方としては、ヘルパーが指差し確認ができるような書き方だと、ミスは少なくなってくるでしょう。
④手順書は項目ごとの所要時間を記入し、かつ訪問介護計画書の計画時間とあわす
これは現場のヘルパーにはあまり関係のないことですが、実地指導の際に、サービス提供責任者が作成した訪問介護計画書と、手順書の整合生を確認する場合があり、整合生がとれていないと指導対象となることがあります。
計画通りにサービスが実施できているかを確認する根拠書類にもなるため、必ず突合をしましょう。
訪問介護のサービス手順書は常に更新していく!
訪問の回数を重ねるごとに、サービス内容、物品の位置、ADL、など状態や環境は変化していきます。
その際に、手順書の見直しは必ず行いましょう。
古い情報のままですと、新しいヘルパーが入ったときにトラブルの元になる可能性があります。
少し手間になりますが、なるべく新しい情報を書き足すときは、古い情報に書き足すのではなく、刷新された手順書ですと、余計な情報が残らず、わかりやすくなります。
まとめ
訪問介護におけるサービス手順書の書き方は、いかにサービス前に「情報を事細かく」収集できるかが重要です。
手間がかかりますし、利用者や担当ケアマネジャーも細かいなと感じるかもしれませんが、ヘルパーが安心して仕事ができるように、ぜひ実践をしていきましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。少しでも参考になれば幸いです。