訪問介護計画書の簡潔な書き方を解説。記入例も紹介します。

 

 

訪問介護計画書は、その名の通り訪問介護を実施する際に作成する計画書のことです。訪問介護事業所では必須とされているものですので、必ず作成しなければなりません。

現場で働くサービス提供責任者の方々は日々忙しく、計画書を作る時間を割くのも一杯一杯だと思います。それに加えて訪問介護計画書の作成の時は、あーでもないこーでもないと悩みながら作成してる人も多く結構時間がかかります。

帳票作成の時間はなるべく早く済ませたいのが本音です。

そのためには

訪問介護計画書の目的ときちんとした書き方を知る事が一番の近道です。

結果、時間短縮につながります。

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訪問介護計画書作成の目的とは?

ヘルパー 教える 本

訪問介護計画書なぜ作成するのかという理由ですが、答えは至ってシンプルです。

答えは介護保険下における介護サービスは高齢者の自立支援を目的としている為です。

そのため、自立支援のためにサービス提供責任者が訪問介護計画書を作成しサービスを実施することを法的に義務付けられています。

 

また、 介護サービスは大半が税金で賄われていますので、必要以上にサービスが行われないように注意しておかなければいけません。そういった面でもきちんと目的を持って、計画を立てる必要があるのです。

 

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訪問介護計画書の作成時に守るべき5つのポイント

 

  1. 居宅サービス計画(ケアプラン)の内容に沿って作成する事
  2. 高齢者(利用者)の状況や状態、希望を踏まえた上で目標達成のための訪問介護計画を立てる事
  3. 訪問介護計画書の内容を高齢者(利用者)または家族に説明し同意を得る事
  4. 訪問介護計画書を高齢者(利用者)に交付する事。署名捺印が必須
  5. 訪問介護計画書と実際に提供しているサービスに差異が無いかを把握し、必要に応じて計画の変更を行う

 

この5つがすべて満たされて初めて訪問介護計画書を作成できているということになります。

逆に言うといくら計画書を作ってもこの5つのポイントが満たされていなければ未作成ということになってしまいますので是非注意しましょう!

 

 

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具体的な訪問介護計画書の書き方

ヘルパー 男性 パソコン

作成の目的やポイントが分かったところで、次は訪問介護計画書の作成方法を具体的に学んでいきましょう。

 

 

居宅サービス計画書(ケアプラン)に基づいて作成しなければならない

ヘルパー 女性 チェック

訪問介護計画書はケアプランに基づいて作成されるのが原則であり

ケアプランに基づいていない訪問介護計画書は無効と判断される場合があります。

 

居宅サービス計画書で確認すべき所

 

下記のケアプランの赤丸部分を確認し訪問介護計画書に反映させていきます。

 

 

居宅サービス計画(1)・・・利用者及び家族の生活に対する意向、総合的な援助方針

居宅サービス計画(2)・・・サービス内容、長期短期目標と期間

 

を訪問介護計画書に反映させていきます。上記の部分に沿っていない場合は訪問介護計画書として成立しないということになります。

 

例えば、

ケアプランの総合的な援助方針として「歩行が安定する」という場合であれば、訪問介護計画書は「歩行が安定する」という目標に沿った形で「転倒しないように環境整備をする」「できるだけ歩いてもらう」というような目標に設定するのが一般的です。

 

逆に、例えば

ケアプランの総合的な援助方針が「歩行が安定する」なのにも関わらず、訪問介護計画書では「椅子に座って安全に過ごす」という目標であればそれは適切ではないということです。

 

ケアプランに基づいて、各サービスの計画書が作成され、すべての事業所が同じ目的を持って高齢者のためにサービスを提供するのは介護保険の目的なのです。

 

 

居宅サービス計画(ケアプラン)をなかなか貰えない場合は、ケアマネジャーに何度も働きかけて必ず受け取るようにしましょう。ケアマネジャーに請求した証拠として経過記録として請求日などをしっかりと記録として残しておくことも必要です。

訪問介護計画書の中身と記入例

 

ヘルパー 教える 本

大阪府で使用されている訪問介護計画書の書式を見てみましょう。

 

 

出典:大阪府 各種モデル様式 訪問介護計画

 

大体は全国的にどの事業所でも同じような内容の様式を使用していると思います。

赤丸①~⑦までカテゴリーごとに具体的な作成方法を見ていきましょう。

①基本情報

 

 

項目 解説
計画作成者(サービス提供責任者)氏名 担当のサービス提供責任者の氏名を記入します。
作成年月日 前回と今回の作成年月日の記入をします。
利用者氏名 介護保険証に記載されている氏名を記入します。ケアプランと介護保険証で感じが異なる場合がありますが介護保険証の方を記入するよう注意してください。
性別 男女の性別を記入します。
住所・電話番号 住所・電話番号を記入します。
生年月日 生年月日を記入します。
要介護認定日 介護保険証を確認し記入します。
要介護度 要介護1~5を記入。申請中で暫定での計画作成時は空白にしておき要介護度が分かり次第、計画書の再発行が必要です。
主たる介護者 利用者のキーパーソンを記入します。連絡を取ることもある為連絡先は把握し記入しておきましょう。
居宅介護支援事業所名・担当介護支援専門員名 居宅サービス計画(1)に記載されている居宅介護支援事業所名を記入します。
日常生活全般の状況 利用者が現在日常生活をどのように生活しているかを記入します。例えば独居なのか?家族が同居なのか?、身の回りの事はどのようにしているのか?など

 

 

②援助目標

項目

解説

援助目標

(長期・短期)

援助目標を立てるには、アセスメントが非常に大事になります。

アセスメントした現状の問題から、援助の方向性を検討し目標を設定していきます

聞き取りのことをアセスメントと言いますが、このアセスメントの良し悪しによって訪問介護計画書の質が決まると言われているぐらい大切なことですので、しっかりと聞きとるようにしましょう。

 

アセスメントのポイントとしては閉じられた質問と、開かれた質問をうまく使うことです。

閉じられた質問は「はい」「いいえ」で答えられるものであり、「立てますか?」「歩けますか?」という質問がそれにあたります。

開かれた質問に関しては「どんな生活を送りたいですか?」「困っていることを教えてください」など高齢者が自ら考えて話すものです。

新人ヘルパーほど閉じられた質問が多く、限られた情報を支えることができません。しかし、ベテランになればなるほど、開かれた質問が多くなり利用者が話す中でニーズや要望を受けることができるようになります。

 

例えば、

利用者の生活歴について質問をする場合であれば、「生活歴を教えてください」と質問するのではなく、会話の中で「どちらでお生まれになったんですか?昔はどのようなお仕事をされていたんですか?」と自然な流れで質問を行う事で情報を得ることが出来ます。
他にも
利用者の身体機能について質問する場合では、「右手首は回りますか?右足は上がりますか?」と質問するのではなく、「棚の荷物を下ろすことはできますか?その時に体に痛みってありますか?」等と質問することで利用者にとって答えやすいようになります。

 

多少の慣れはありますが、会話の中からニーズをしっかりとキャッチし、後はキャッチしたニーズと居宅サービス計画(ケアプラン)の目標に沿って訪問介護としての目標を立てるだけです。

期間
長期目標はおおよそ1年間、短期目標はおおよそ半年を目処に設定します。

 

③本人及び家族の意向・希望

 

項目 解説
身体介護に関すること 身体介護に関する利用者のニーズを記入します。

例えば

「一人では入浴出来ないのでヘルパーさんに手伝ってほしい」など
生活援助に関すること 生活援助に関する利用者のニーズを記入します。

例えば

「かがむことが出来ないので掃除をヘルパーさんにしてほしい。調理は出来るので自分で行っていきたい。」など
通院等乗降介助に関すること 通院等乗降介助に関してのニーズを記入します。
本人及びご家族様へのお願い 訪問介護から利用者や家族へのお願いを記入します。

例えば

「できる事はご自身で行っていきましょう」など

 

 

④具体的援助内容(提供サービスの内容)

 

項目 解説
サービス区分 サービスコードを参照し提供するサービス区分を記入します。
サービス内容 居宅サービス計画(2)のサービス内容から記入します。

身体介護であれば排泄介助・食事介助・専門的調理・入浴介助・整容・更衣介助・体位交換・移乗、移動介助・外出介助・通院介助・清拭・服薬確認・共に行う
生活援助であれば掃除・ゴミ出し・洗濯・ベッドメイク、布団干し・被服の補修・一般的な調理、配下膳・公共料金の支払い・買物代行・薬の受け取り

このサービス内容と実施記録の内容は基本的に同じになります。

所要時間 それぞれのサービス内容にかかる時間を記入します。サービス手順書に記載する時間と同じになるように注意しましょう。
留意事項 サービス提供するにあたり留意すべきことを記入します。

例えば

「体調不良時は入浴介助を清拭に変更」、「雨天時は買物同行から代行に変更」など
サービス提供曜日・時間 提供するサービスの曜日と時間を記入する。

 

⑤週間予定表

項目 解説
週間予定表 提供曜日・時間を記入します。居宅サービス計画に付属している週間サービス計画表を参考にしましょう。

 

⑥サービス提供に関する評価

 

項目 解説
目標達成度 短期目標は半年程度を期間としますので、それを目安に目標の達成度を検討し記入します。
利用者満足度 上記同様の期間を目安に利用者満足度を把握します。事業所によっては利用者にアンケートを実施し、それを反映させているところもあります。
計画見直しの必要性 上記同様の期間を目安とし目標が達成されていれば新たな目標を設定し計画の見直しを行います。

同じ目標のまま期間を延長し更新することも、ありますし、逆に目標が利用者にとって達成が困難な状況であれば、新しい目標を設定しなおし計画の再作成を行います。

 

⑦その他

 

項目 解説
説明日・説明者 説明日を記入し、サービス提供責任者の氏名を記入します。
事業所名称 事業所の名称、事業所番号、連絡先を記入します。
利用者同意署名欄 計画書の説明後に内容を同意いただいた上で利用者自身に署名捺印を頂きます。利用者本人が難しければご家族でも署名代理は可能です。

 

このようにして作成していきます。

 

あくまでも上記内容は基本的な記入方法となっています。自治体によっては介護目標の書き方等に指示がある場合もあります。

 

 

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訪問介護計画書の初回作成いつするのか?再作成のタイミングは?

 

 

初回作成はいつ作成する?

 

ケアプランの受け取り ➡ 契約 ➡ アセスメントと情報収集 ➡ 訪問介護計画の作成➡ 説明・同意・交付
の流れで作成していきます。

再作成のタイミングは?

 

  1. 介護保険証の更新時
  2. サービス変更時(曜日変更、時間変更、サービスの追加・減少など)
  3. サービス事業所の追加・減少
  4. 総合的な援助方針の変更時
  5. 長期・短期目標の達成時
  6. 長期・短期目標の期間更新時

 

上記の6つのどれかに該当する場合は訪問介護計画書の再作成が必要になります。

 

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まとめ

今回は訪問介護計画書の作成の目的や作成方法を、具体的に解説しました。

訪問介護計画書は事業所のためにあるのではなく、ご本人やご家族のためにあるものですので、できるだけわかりやすい言葉で簡潔に作成するようにしましょう!