訪問介護で支援を行っていると、必ずしも計画された時間の通りに支援が終了するとは限りません。
・予定より早く終わってしまった…
・時間が余ってしまったらどうすればいいの?
など、考えたことがある人も多いと思います。

今回は
- 計画より早く訪問介護の支援が終わってしまった場合
ヘルパーは早く帰っても問題ないのか?
を確認していきます。
※ちなみに今回は介護保険サービスとしての訪問介護で解説しています。
障害福祉サービスの居宅介護は別ですので注意してくださいね。
訪問介護計画通りに支援を終えているのであれば、ヘルパーが早く帰っても問題ない
しっかりと訪問介護計画通りに支援を終えているのであれば算定することができ、早く帰ったとしても問題はありません。
ただし算定上の注意が必要です。
仮に30分以上1時間未満の身体介護2の計画でサービスを行ったとして、
25分で支援を終えてしまった場合は身体介護2の30分以上1時間未満の条件を満たしていないため、算定することができません。
この場合は20分以上30分未満の身体介護1を算定することになります。
では、40分で支援を終えた場合。30分以上1時間未満の身体介護2の条件を満たしているため、通常通りに算定することができ、計画通りの支援を行えているのであれば、早く帰っても問題はありません。
極端な話、1分でも時間が過ぎていれば算定をすることができます。

早く帰った場合のサービス実施記録の記入時間は
必ず実際のサービス提供時間を記入するようにしましょう!
例えば計画では9時~10時だったとして、
実際のサービスが9時2分~9時43分になった場合
9時2分~9時43分と正確に記入してくださいね。
余った時間で計画以上の支援を行うのはNG
訪問介護はケアプランに基づいて支援を行うので、余った時間で計画以上の支援を行うのは好ましくありません。
計画の範囲内の支援や、余った時間で会話などコミュニケーションの時間にあてるのは問題ありませんが、まったく関係のない支援を行うのは避けましょう。
もしも曜日によって複数のヘルパーで支援を行っている場合、「AさんはいろいろやってくれるのにBさんは最低限のことしかやってくれない」などのクレームへ繋がる可能性も考えられるので注意が必要です。
著しく訪問介護サービスが早く終わることが続く場合は見直しが必要
1分でも時間が過ぎていれば算定は問題なくでき、ヘルパーが早く帰ることも制度上の問題はありません。
が、社会通念上の問題がないかと言えば、そうとも言い切れないのが現実です。
もしも著しく支援が早く終わることが続く場合は、計画が適切ではない可能性もあり、見直しが必要になることも想定されます。
再度アセスメントを行う
著しく支援が早く終わることが続く場合、利用者の生活や身体状況の変化により短時間での支援が可能になった可能性があります。
徐々に短時間になっていったのであれば、再度アセスメントを行って支援のあり方を見直しましょう。
ケアプランと訪問介護計画書の見直し
サービス開始前のケアプランや訪問介護計画書は、訪問介護の所要時間をもとに作成されます。
訪問介護の所要時間は、実際に行われた指定訪問介護の時間ではなく、訪問介護計画において位置付けられた内容の指定訪問介護を行うのに要する標準的な時間とされています。
そのため、実際に支援に入ってみたものの、利用者の状況や環境により、予定していた時間と実際の時間に大きな差が生じる可能性もあります。
その場合は速やかにケアプランと訪問介護計画書の見直しを行い、適切なサービスを検討しましょう。
早く訪問介護サービスが終わった場合の検討
当然ですが、利用者や家族は人によって考えが異なります。
「のんびり会話をしながら時間まで支援をしてほしい」という考えの利用者もいれば、
「支援が終わったのにいつまでもいられるのは嫌」という考えの利用者もいます。
また、ヘルパーが早く帰ることに疑問を覚える家族もいれば、
「やることやったら必要以上に家にいないでほしい」と考える家族もいます。
これらは考え方の違いなので、一概に答えを出すことはできませんが、利用者や家族に合わせて通常よりも早く支援が終わった場合の対応を、事業所内で検討することも大切です。
まとめ
訪問介護の支援が計画通りに行われたうえで、早く終わって早く帰ることは問題ありません。
しかし、著しく支援が早く終わることが続く場合はサービスが適切ではない可能性も考え、再度アセスメントを行ったり、ケアプランや訪問介護計画書を見直したりしましょう。
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