重度訪問介護は重度障害者に対して長時間の支援を提供する障害福祉サービスの一つです。
ではこの重度訪問介護の利用者が65歳になった場合に介護保険との関係はどうなっているのでしょうか?
また介護保険を利用できる特定疾病患者も重度訪問介護の利用者には多くいますので、介護保険との併用は気になるところ・・・
そこで今回は重度訪問介護と介護保険の併用関係について解説していきます!
基本的に重度訪問介護より介護保険サービスが優先される
まず障害福祉サービスと介護保険の優先関係については、厚生労働省により、以下のように定められています。
「社会保障制度の原則である保険優先の考え方の下、サービス内容や機能から、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスがある場合は、原則介護保険サービスに係る保険給付を優先して受けることになる。」
つまり基本的に障害福祉サービスである重度訪問介護を受けていても、65歳になると原則介護保険が優先されるようになります。
いやいやちょっと待ってよ!
いきなり介護保険っていわれても重度訪問介護は長時間のサービスで介護保険だけじゃ無理や!!
と・・・言いたくなりますが安心してください。
厚生労働省はさらに
「一律に介護保険サービスを優先的に利用するものではなく、申請者の個別の状況に応じ、申請者が必要としている支援内容を介護保険サービスにより受けることが可能かを判断が必要」
とも言ってます。つまり利用者の個々の状況に合わせて柔軟に対応するということですね。
重度訪問介護と介護保険を併用するための要件とは?
ただ、一律に介護保険サービスを優先的に利用するだけでは、必要な介護が受けられないケースが出てきます。
とくに重度訪問介護は長時間のサービス設計となっているため、介護保険サービスだけで賄うことが不可能です。
そのため、介護保険サービスでは補えないような支援や介護が必要な場合は、障害福祉サービスを利用することが認められています。
介護保険サービスの限度額を超える場合
介護保険サービスには利用者の状態や所得によって支給限度額が決められています。
この限度額を超えて介護サービスを受ける必要があると認められる場合は、障害福祉サービスと併用することができます。
たとえば、障害福祉サービスの重度訪問介護のみをサービスとして受けていた利用者が、要介護5の認定を受けた場合、介護保険の限度額を超えた部分を重度訪問介護として併給することが可能です。
身近に利用できる介護保険サービスの事業所がない場合
これは珍しいケースですが介護保険サービスを受けたくても、利用できる事業所がない場合や、あったとしてもすでに利用定員がいっぱいになってしまっている場合などがあるかもしれません。
このように、障害福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用することが困難だ、と各自治体が認める場合も、障害福祉サービスを受ける対象となります。
結論:重度訪問介護と介護保険サービスの併用は基本的に認められると考えてよい
原則訪問介護では介護保険が優先されますが、いくつかの要件のもとで障害福祉サービスを受けることが可能ということが分かりました。
現実的に重度訪問介護のボリュームのあるケアを介護保険サービスだけでの補完はまず不可能です。
そのため、仮に重度訪問介護の利用者が65歳になったとしても重度訪問介護を継続利用し介護保険を併用することは認められると考えて良いかと思います。
重度訪問介護なら、長時間にわたり移動支援と介護を一体とした支援を行い、日常生活の中での見守りも全て含みます。
介護保険サービスのみでカバーできない部分を、重度訪問介護でサポートしていくことはとても大切なことです。
【最後に】重度訪問介護のことをもっと知りたい方へ
今回は重度訪問介護と介護保険の併用関係について解説しました。
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