訪問介護で働き始めて間もない初心者ヘルパーです。
今度、はじめて更衣介助をすることになったのですが、うまくできるか不安…
なにかコツがあれば教えてほしい。
ヘルパー会議室では、こんな悩みを解決すべく訪問介護の『更衣介助マニュアル』を作成しました。
本マニュアルは、初心者ヘルパー向けに更衣介助の基本原則や実践手順・コツなどをわかりやすく解説した入門書です。
基本的に、このマニュアルどおり進めてもらえれば問題なく更衣介助を実践できるはず。事業所に整備しておくマニュアルとしても使えますので、ヘルパーに限らず管理者やサービス提供責任者の方々もぜひ活用してください。
研修テーマ集:【研修資料つき】訪問介護のヘルパ-勉強会テーマ38案
訪問介護の更衣介助とは
更衣介助とは、その名のとおり利用者の衣服の着脱介助を指し、訪問介護においては、デイサービスの送り出し時や入浴・排泄介助時、起床・就寝介助時などさまざまな場面に付随して登場します。
定期的に衣服を着替えることは
- 清潔を保持し、感染症や褥瘡を予防する
- メリハリを失いがちな生活にリズムをもたせる
などの効果があり、利用者が日常生活を送る上で欠かせないサービスです。
また「着替え」という普段みなさんが何の気なしに行っている行為は、利用者にとって当たり前の行為ではありません。更衣により身体を動かし、それを日々継続することで日常リハビリテーションとしての効果も期待できます。
更衣介助はケガや事故につながるおそれも
70歳以上の高齢者の二人に一人は骨粗鬆症といわれており、利用者の大半は骨がもろくなっています。そのため衣類の着脱時に無理な力をかけると骨折につながるリスクがあるため注意が必要です。
加えて皮膚も弱くなっているので、引っ掻いたり圧力をかけすぎると皮がめくれたり、傷ができたりします。衣類の繊維に爪が引っかかって剥がれることも想定されます。
こうした事態を防ぐためにも、ヘルパーは利用者の状態をしっかり把握し、単調な作業のなかにも細心の注意を払う必要があるのです。
更衣介助は、排せつ介助や入浴介助などの介護技術と比べて目立たなく感じるかもしれません。しかし、正しい知識をもち、適切な手順を踏んで行わないと、重大な怪我や事故に繋がりかねないのだと十分理解しておきましょう。
訪問介護における更衣介助の5つの基本
訪問介護における更衣介助は、以下、5つの基本原則をもとに行います。
\ 5つの基本 /
- 価値観を尊重した服装選び
- 残存機能を活かした介助
- 片麻痺のある利用者の介助は脱健着患
- 身体の観察
- プライバシーの配慮
基本1:価値観を尊重した服装選び
在宅で暮らしている利用者は、皆それぞれ好みの服装で過ごされています。
特に高齢者の場合、ヘルパーからすると一見ちぐはくで不自然に感じる服装を好まれる方もいます。
例えば
- 冬場は厚着を好まれ、ズボンの下にステテコやパッチを何枚も重ね着する
- 会社勤めで毎日きちんとした服装で出かけられていた方は、外出時に着脱しにくいピチピチのワイシャツを着て出かける
- たくさん衣類があるのに、同じものばかりを好んで着る
など、実際の介護現場では、ヘルパーから見て違和感を覚えることが少なくありません。
しかし、服装はその方の習慣であり生きてこられた歴史そのものです。そして、訪問介護とは利用者のこれまでの生活歴や価値観を大切にしながらサービス提供を進めます。
ですから、多少ちぐはぐで非効率的に感じられても、健康被害や事故リスクがない限り、利用者の着たい服を尊重して介助にあたりましょう。
基本2:残存機能を活かした介助
ヘルパーのペースですべて介助してしまえば、短時間かつスムーズに着替えを終えられるかもしれません。
しかし、それでは介護保険の理念に反して利用者の残された機能を奪ってしまいます。
介護保険の基本理念はあくまでも「自立支援」。自分でできることは、なるべく自分で行ってもらうことが残存機能の維持・向上につながります。
認知症があっても衣服を着る順番を示せば間違わず着替えられる方もいます。
寝たきりの利用者であっても、袖を拡げて構えると手を通すことができる、または、ズボンの裾を拡げて構えれば足を通すことができるだけでも協力動作につながるのです。
「自分でできる」という自信は利用者の満足度を高め、QOL(生活の質)を向上させます。ヘルパーは日ごろから利用者のできる動作を観察・把握し、自分で行ってもらうよう声かけや配慮をしていきましょう。
参考:訪問介護の「自立支援」実践ガイド【考え方と展開方法を4ステップで解説】
「ズボンを上げる」「ボタンを止める」などできることをしてもらうことは、ヘルパー側の負担軽減にもつながります。
基本3:片麻痺のある利用者の介助は脱健着患
脱健着患は、脳梗塞の後遺症などにより左右片方に麻痺や拘縮のある利用者の介助の基本です。脱衣時は麻痺のない「健側」から脱がせ、着衣時は麻痺のある「患側」から着させるという意味になります。
みなさんが片手を骨折したと仮定し、想像してみてください。骨折して動かせない側の腕を抜いて上着を脱ぎ、動かせる方の手を先に通して上着を着てみる。きっと、その不自然なやりにくさに気がつくでしょう。
ズボンなど下衣の着脱も同じ手順で「健側」から脱がせ「患側」から履かせます。
なお左右のどちらにも麻痺や拘縮がある、または、どちらも動きにくい場合は、より動きの悪い側や拘縮の強い側を「患側」とみなしましょう。
基本4:身体の観察
肌が露出する更衣介助は、普段、衣服に覆われている皮膚の状態を観察できる貴重な機会です。
皮膚の状態は健康のバロメーターであり、そこからさまざまな病気のサインや異常を発見することができます。
では皮膚のどのような状態を観察すればよいのか、以下のポイントを参考にしてください。
皮膚の乾燥、かゆみの有無
高齢者の皮膚は、若者に比べて乾燥しやすい特性があり、特に冬場は、粉をふいたような皮膚状態になる場合があります。
中でも背部や足先などは痒みやひび割れが出やすく、強いかゆみがあると引っかき傷なども目立つためよく観察しましょう。保湿ローションやワセリン、ヒルロイドなどの薬が処方されている場合は着替えの際に塗布します。
傷や変色、虫さされなどの外傷
夏場に多い蚊やダニによる虫さされがないかなどを観察します。
赤い小さなブツブツが手や指、腹部、背部などに拡がっている場合は「疥癬」というダニによる病気の可能性もあります。この場合、強い痒みを伴い、人から人に移る危険があるため感染対策をしてから介助にあたらないといけません。
また、赤い斑点が広範囲に繋がって浮き出ているときは「帯状疱疹」など、免疫力の低下によりウイルスが引き起こす疾患である場合もあります。
その他、打撲痕や皮膚めくれがあれば、誰もいないときに転倒を起こされた可能性を疑います。
いずれにせよ、少しでも普段と違う異常があればサービス提供責任者に報告し、ケアマネジャーを通じて受診や薬の処方を促してもらいましょう。
褥瘡の有無
自力で座位や立位のとれる方にはさほど問題はありません。褥瘡について注意すべき対象者は、臥床時間が長く自力で寝返りの打てない方、または、車椅子に長時間座ったままの方です。
褥瘡は同一部位の圧迫や湿潤、栄養不良から発生します。皮膚に赤みができている程度から一夜のうちに皮膚の深層部が壊死し、骨がみえるような状態にまで進行してしまう危険があります。
褥瘡ができやすいのは、おしりの尖った仙骨部、足のかかとや、肘、後頭部。円背の方には背中など。
赤みや表皮剥離、さらに進んで皮下組織に穴が空いている状態を発見したら、すぐにサービス提供責任者や医療職へ報告を入れましょう。
爪の状態
高齢の方の多くに見られるのが、爪が粉を吹いたりひび割れて固くなっている爪水虫です。また巻爪になり肉に食い込んでいることもあります。
特に足の爪は、普段見る機会が少ないため靴下を脱いでもらった際によく観察してください。
なお極度の巻爪の爪切りは、医療行為にあたるためヘルパーが行えません。看護師や医療機関で処置してもらう必要があります。
梢神経の潰瘍、壊疽
糖尿病の利用者に多いのが、手足の先などの末梢神経の潰瘍、壊疽です。手足の先が黒色に変色していないか、皮膚に穴が空いて潰瘍になっていないかなどを観察してください。
爪の先の小さな点のような黒ずみからバイ菌が入って全身にまわることもあり、処置が遅れると手足の切断などのリスクにつながってしまいます。
浮腫
腎臓、心臓に疾患を患っている利用者に特に注意を払っておきたいのが、手足顔の浮腫です。
水分が蓄積されて排出されないと浮腫が増し、病状の悪化に伴って治療が必要になることがあります。またひどい浮腫は歩行障害を引き起こし、転倒のリスクにつながりますので注意深く観察しておきましょう。
異常を早期発見できるのが「更衣介助」の場面です。普段との違いを感じたならば、すぐにサービス提供責任者に報告し対処してもらいましょう。
基本5:プライバシーの配慮
更衣介助の場面では、ついつい流れ作業的になってしまいがち。
しかし、当然ながらすべての利用者は羞恥心をもっていますのでプライバシーへの配慮を忘れてはなりません。これは性別や認知症のあるなしに関わらずです。
また訪問介護では、同性介護が難しいケースもあります。もし男性ヘルパーが女性の介助をする、あるいは女性ヘルパーが男性の介助をすることがあれば、特に配慮して介助にあたりましょう。
できるだけ手早く行う
肌を露出させ羞恥心を伴う行為は、できるだけ短時間で済ますことが好ましいと言えます。
決して雑になってはいけませんが、手際よくスムーズにこなすことを意識しましょう。
前開きの衣類の場合はタオルなどで覆う
浴衣や寝間着の前開きの衣類の場合、介助中に半身を露出させる場面があります。この際には、タオルや毛布で露出部を覆うなど配慮しましょう。
またトレーナーやズボンの着脱の介助でも、一時的に大判のタオルを巻くなどして、極力肌を露出させないようにすると良いです。
更衣介助の事前準備
ここでは、更衣介助を行う前に準備する物品や環境整備について解説します。
なお本章で解説する物品や環境はあくまで例であり、実際の介助においては利用者個々の状態や生活環境に合わせて行ってください。
衣服類の準備
\ 準備するもの /
- 上衣
- 下衣
- 肌着類(シャツ、ズボン下、パッチ、ステテコなど)
- 下着類(リハビリパンツ、テープ式紙おむつ、尿取りパッドなど)
- 靴下
- バスタオルなど(肌の露出部をかくすために使用)
- シーツ類(寝たきりの利用者でシーツ交換を同時に行う場合)
- 陰部洗浄用ボトルや下用タオルなど(陰部洗浄を同時に行う場合)
- 保湿クリーム(乾燥がひどいなど保湿が必要な場合)
- 軟膏類(医師から処方されている場合)
- 外出する場合は、コートやカーディガン、小物類(防止、マフラー、スカーフ、眼鏡、補聴器など)
意思決定ができる利用者であれば、衣類を何点か用意してヘルパーと一緒に選ぶと良いです。着てみたい衣類や好みの衣類を選ぶことは、利用者の楽しみになり意欲を引き出すことにつながります。
環境整備
冬場であれば暖房や電気ストーブ、夏場であれば冷房や冷風機などで調整し、室温を22〜26度に保ちます。戸を閉め隙間風が入らないような配慮も必要です。
また、冬場はヘルパー自身の手を温めてから更衣介助にあたりましょう。外からやってきたヘルパーの手が冷たいと、利用者に触れた際にヒヤッとさせてしまいます。カイロを持ち歩いたり、お湯を借りて温めてから介助を行ってください。
訪問介護の更衣介助の手順とコツ
訪問介護で行う更衣介助には、声かけや見守りのみ行う場合や一部介助のみの場合、あるいは全介助の場合など利用者の心身の状態によって多種多様なケースがあります。
ここでは、基本的な介助として片側に麻痺がある利用者を想定し
- イスに座って実施する更衣介助
- ベッド上で実施する更衣介助
の2パターンの実践手順とコツを解説します。
パターン①「イスに座って実施する更衣介助」
イスに座って更衣する場合は、座位保持・立位が可能な利用者であることが前提です。
基本的に上衣⇒下衣⇒靴下の順番で介助を進めます。(※ここでは右片麻痺の利用者を想定)
上衣(前開き)の更衣介助
- STEP1更衣の説明
足のきちんと着く高さの安定した椅子に座ってもらい、顔色など健康状態を把握する。
いまから更衣をすることの説明をし同意を得る。
- STEP2脱衣:ボタンを外す
声かけをして利用者に左手でボタンをはずしてもらう。外しにくいところはヘルパーが介助する。
- STEP3脱衣:左手側
上着を肩までずらし、左手側の袖をヘルパーが持ち、利用者に自分で腕を抜いてもらう。
腕が抜けたら上着を後ろからまわし右側に寄せる。
- STEP4脱衣:右手側
利用者に左手で右の袖を抜いてもらう。途中でひっかかったりやりづらいところはヘルパーが介助する。
- STEP5着衣:右手側
新しい上着を右腕から通す。利用者に声かけし、袖をあげるなどできることは手伝ってもらう。
- STEP6着衣:左手側
衣類を後ろからまわし、ヘルパーが左手側の袖を構えて広げ、手を通してもらう。
- STEP7着衣:ボタンをとめる
背中をおろし前を揃え、利用者に左手でボタンをとめてもらう。できないところはヘルパーが介助する。
- STEP8全体を整え、上衣の着脱完了
全体的に衣類を整え、襟足を揃える。気持ち悪いところがないかなどの確認を行い、着脱完了。
上衣(かぶり上着)の更衣介助
- STEP1更衣の説明
足のきちんと着く高さの安定した椅子に座ってもらい、顔色など健康状態を把握する。
いまから更衣をすることの説明をし同意を得る。
- STEP2脱衣:頭部
利用者に左手で上着の襟足の部分をつまんでもらい、首を抜いてもらう。
背中をたくし上げるなどできないところはヘルパーが介助する。
- STEP3脱衣:左手側⇒右手側
左袖を持ち利用者に左腕を抜いてもらう。次に上着を右側にまとめ、左手で右手の袖を抜いてもらう。
袖が途中でひっかかったりして、できないところはヘルパーが介助する。
- STEP4着衣:右手側
新しい上着の袖を拡げAさんに右腕を通してもらう。
袖を上にたくしあげるなど、左手でできることは声掛けし利用者に手伝ってもらう。
- STEP5着衣:左手側
左手の袖を持って構え、利用者に手を通してもらう。
- STEP6着衣:頭部
左手で上着の襟足を摘んでもらい、おじぎをする体制で首を通してもらう。(体制が崩れないようにすぐに支えられる体制で行う)
首が通ったら背中を下ろす。
- STEP7全体を整え、上衣の着脱完了
肩の位置を整え、袖がねじれていれば直す。上着の裾を正して全体的に整える。
気持ち悪いところがないかなどの確認を行い、着脱完了。
下衣(ズボン)の更衣介助
- STEP1更衣の説明
これからズボンの更衣を行うことを伝え、手順を説明する。
ズボンの上げ下げの際にイスから立位を取ってもらう必要があるため、患側に手すりや頑丈な机などの支持物がある場所で介助を行うようにする。
- STEP2脱衣:立位
左手で手すりを掴んでもらい、ヘルパーが右側から支えて椅子から立ち上がってもらう。
- STEP3脱衣:方向転換
立位後、左足を軸にして左に90度向きを変え、手すりと向き合う体制で立ってもらう。
安定して立位が保てていることを確認する。
- STEP4脱衣:ズボンを下げる
介助者が後ろからズボンを下げる。(床まで下げずに太ももの上、臀部が出るところまで)
リハビリパンツも一緒に履き替える場合は、臀部が出るまで一緒に下げる。
- STEP5脱衣:座位に戻る
声かけをして左足を軸に、臀部をイスの方向右側に90度回転させて、再び椅子に座ってもらう。
リハビリパンツなども一緒に脱がせる場合は、臀部が露出するため椅子にタオルなどを敷いておく。
- STEP6脱衣:両下肢
ヘルパーが左右の足をズボンから抜く。この際、リハビリパンツや靴下も一緒に脱がせる。
- STEP7着衣:両下肢
ヘルパーが右足をズボンに通し、左足はヘルパーが裾を拡げ構えて利用者に通してもらう。
ズボンを膝の上まであげる。
- STEP7着衣:立位
再び左手で手すりを掴んでもらい、ヘルパーが右側から支え椅子から立ち上がってもらう。
- STEP7着衣:方向転換
立位後、左足を軸にして左に90度向きを変え、手すりと向き合う体制で立ってもらう。安定して立位が保てていることを確認する。
- STEP7着衣:ズボンを上げる
ヘルパーが後ろからリハビリパンツとズボンを上げ、上着の裾を伸ばし整える。
ズボンの中に上着を入れることを好まれる場合は、裾をズボンの中に入れ、ウエストの位置を整える。
- STEP8全体を整え、下衣の着脱完了
再度、左手で手すりを掴んだまま右側から支え、臀部を右に90度回転させて椅子に座ってもらう。
気持ち悪いところがないか確認を行い、着脱完了。
パターン②「ベッド上での更衣介助」
べット上で更衣介助を行う場合は、左右側臥位に反転を繰り返してもらう必要があり、寝たきりの利用者に負担がかかります。
ゴロゴロと他動的に何度も体位を変えられると、人によっては「船酔い」のような状態になり、気分が悪くなることも。そのため、上下同時に着替えを行い、できるだけ体位交換の回数を少なくすることが望ましいと言えます。
特に麻痺側を下にしての介助は、圧迫が強くなり血流が悪くなりますので短時間で手際よく行いましょう。
また、衣類やシーツのシワや湿潤も、寝たきりの利用者に対しては褥瘡のリスクとなります。更衣介助とあわせてシワを伸ばし、濡れやムレがないかの確認が必要です。
(※ここでは左片麻痺があり座位保持・立位が困難な利用者を想定)
前開き上衣の場合
- STEP1更衣の説明
利用者に更衣を行うことと動作の説明。べットを介助者の腰に負担のない高さまで上げる。
- STEP2脱衣:ボタンを外し右手側上衣を脱ぐ
前開き上衣のボタンを外して襟をゆるめて肩まで下げ、利用者に右腕を抜いてもらう。
- STEP3脱衣:体位を左側臥位にする
膝をくの字に立てて、右肩と膝を支え、下肢から上肢の順にヘルパー側に身体を倒し左側臥位へ。
なお、体位交換時、左手は身体の下に敷かないよう前で組んでもらう。(麻痺のない右手で左側べット柵を持ってもらうと体制が安定する)
- STEP4脱衣:右手側上衣を身体の下に押し込み、右側下衣を下げる
左側臥位のまま、袖を抜いた衣類を身体の下に押し込む。同時に右側のズボンを臀部がでるところまで下げ、身体を仰臥位に戻す。
- STEP5脱衣:体位を右側臥位にし、左手側上衣を脱ぎ、左側下衣を下げる
再度膝を立て、膝と左肩を支え、下肢から上肢の順に右下に身体を倒し右側臥位へ。
身体の下から脱いだ衣類を引き出して、上側になった左腕から衣類を抜き取る。同時に左側のズボンを臀部が出るところまで下げる。
- STEP6着衣:左手側上衣を着せる
右側臥位のまま、上側になった左腕から新しい上着の袖を通して背中まで着せ、半分を丸めて身体の下に押し込む。
- STEP7脱衣:両下肢から下衣を脱ぐ
再び仰臥位になってもらい、膝を立てたままズボンを下ろし、健側の右足から脱がせ、続いて左足も脱ぐ。
靴下を履かれていれば同時に脱がせる。
- STEP8着衣:両下肢から下衣を着せる
新しいズボンを麻痺のある左足から通し、続いて右足も通す。臀部の下までズボンを上げる。
- STEP9着衣:体位を左側臥位にする
STEP3と同じ要領で左側臥位へ。
- STEP10着衣:右手側上衣を着せ、下肢を腰付近まで上げる
左側臥位のまま、身体の下から衣類を引き出して袖を拡げ、右手を通してもらう。
背中まで着せてズボンを腰付近まで上げる。背中がシワにならないように上着を下す。
- STEP7着衣:ボタンをとめ、下衣を上げきる
仰臥位に戻ってもらいボタンを止める。左側の腰を浮かせてズボンを上げ、靴下を履かせる。
- STEP8全体を整え、着脱完了
全体を整え、気持ち悪いところがないか確認を行う。
布団をかけてべットの高さを戻し、着脱完了。
かぶり上着の場合
※下衣(ズボン)の更衣については、先の述べた前開き上衣の手順と同様ですので省略しています。
- STEP1更衣の説明
利用者に更衣を行うことと動作の説明。べットを介助者の腰に負担のない高さまで上げる。
- STEP2脱衣:右側上衣、頭部を脱ぐ
かぶり上着の裾を腹部までたくし上げ、右側の袖をヘルパーが持ち、利用者に右腕を抜いてもらう。
続いて仰臥位のまま襟を拡げ、枕の下から首を抜く。
- STEP3脱衣:体位を右側臥位にする
膝をくの字に立てて、左肩と膝を支え腕を組んでもらう。下肢から上肢の順に右側に身体を倒し右側臥位へ。
- STEP4左側上衣を脱がし、新しい上衣を左腕から着る
右側臥位のまま、左側上衣を左腕から抜く。続いて新しい上衣を左腕から通す。
- STEP5着衣:頭部
体位を仰臥位にもどし、枕をくぐらせ頭を通す。かぶり上着の裾を腹部まで下ろす。
- STEP6着衣:右側臥位になり背部を整える
STEP3と同じ要領で右側臥位になってもらい、上衣背部を下ろして衣類を整える。
- STEP7全体を整え、着脱完了
再度仰臥位に戻ってもらい全体を整え、気持ち悪いところがないか確認を行う。
布団をかけてべットの高さを戻し、着脱完了。
さいごに
訪問介護の更衣介助マニュアルは以上となります。
更衣介助の手順について今後、イラストを追加し、より分かりやすくなるよう改良を加える予定です。しばらくお待ちください。
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