障害福祉サービスには様々なサービスがありますが、今回はその中の一つである「行動援護」について解説していきます!
行動援護は福祉サービスの従事している方でもあまり知らない方も多いと思います。ぜひ参考にしてみてください。
障害福祉サービスのひとつ「行動援護」とは…?
例えば、外出先で「自身の思いをうまく伝えることができない」「相手の言ってる意味を理解できない」ことや他にも苦手な場面に出くわすと急にパニックになってしまうことが知的障害や精神障害の方にはあります。
他にも強度行動障害といわれる状態にある方であれば
- 自傷行為
- 強い他傷行為
- 激しいこだわり
- 激しい物壊し
- 睡眠の大きな乱れ
- 食事関係での大きな障害
- 著しい多動
- 著しい騒がしさ
のような問題行動がみられることがあり、そういった際に専門的な知識のあるヘルパーが、行動障害が発生する原因や適切な対応を検討し、計画的に支援を行います。
「行動援護」の対象者とは…?
利用対象となるのは以下の方になります。
- 障害支援区分が3以上であること
- 行動障害やコミュニケーション、てんかんに関する障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目(12項目)等について評価合計点数が10点以上であること
ちなみに児童の場合はこれに相当する支援の度合いで決定することになっています。
下記でより詳しく解説してますので良かったらどうぞ。
「行動援護」のサービス内容
行動援護のサービス内容は外出の支援であるガイドヘルプです。
ただし行動援護は「行動上著しい困難な障害者」が対象となるためヘルパーの支援方法は変わってきます。
行動援護の支援は主に3つに分別することができます。
- 予防的対応
- 制御的対応
- 身体介護的対応
の3つです。それぞれ見ていきましょう!
予防的対応
利用者にとって慣れていない場所や初めての場所に行くと、精神的に不安定になりパニックを起こす可能性があります。できる限りそういった問題行動を未然に防ぐように対応します。
例えば
- 外出先の目的地はどこか
- 目的地までの道順はどのように行くのか
- 目的地に着いたらどういった行動をするのか
といったことを利用者によってわかりやすい形で説明し、理解してもらいます。
あらかじめ理解しておくことで幾分かは落ち着いて行動をとれるようになることもありますので大事なことです。
また他にも、ヘルパーはその利用者がどのような条件が行動障害の引き金になっているかをよく理解する必要があります。その上で、行動障害の引き金となる状況を避けるなどの予防的対応も行います。
例えば音に過敏に反応する利用者であれば、騒がしい場所は避けるなどの工夫を指します。
制御的対応
行動障害を起こしてしまった時の問題行動を適切な形でおさめます。その際にはヘルパーは利用者の安全はもちろんのこと周囲の方への安全も考えて行動する必要があります。
また行動障害は、ヘルパーが思ってもみないことが起こることもありますので十分な想定が必要になります。
例えば
- 急に飛び出して走り出す
- 突然動かなくなる
- 自傷行為
- 強いこだわり
などを想定し、そういったことが起きた場合に適切な対応をします。
身体介護的対応
身体介護的対応では
排泄介助、食事介助、入浴介助、更衣介助など一般的な身体介護を行います。
ただ、介助中に問題行動が起きる可能性もありスムーズに介助が進まないことも多いですので様々な工夫が必要になります。
高齢者介護で行う身体介護とは全くの別物だと考えて臨む必要があります。
行動援護で従事するための資格要件
行動援護サービスは無資格では働くことはできないことになっています。
資格要件を満たすことで従事者として認められます。
また行動援護のヘルパーとして働くのか、サービス提供責任者として働くのかによっても資格要件は異なります。
下記で詳しく解説してますのでご確認ください。
移動支援と行動援護の違い
移動支援も行動援護も同じガイドヘルプサービスですので混同しがちです。
ですが全く異なるサービスとなっています。
具体的には
- 制度体系の違い
- 働くための資格要件の違い
- 支援対象者の違い
などの違いがありますので良く理解しておきましょう。
下記でより深掘りしてますので良かったらご参考ください。
まとめ
今回は、福祉サービスにおいて年々需要が高まっている「行動援護」について詳しく解説しました。
行動援護は、行動上著しい困難な障害者にとって社会参加の機会となる非常に重要な役割を担っているサービスです。
※他の障害福祉サービスについて知りたい方は下記をどうぞ。