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【トーク例つき】訪問介護の『契約の流れ』をひな形にそって解説

訪問介護 契約 流れ

 

訪問介護は、利用者と契約を結ぶことでサービス提供を開始します。

この契約業務はおもにサ責や管理者が行う仕事のひとつ。

ですが、契約の仕方を教えてもらう機会は少なく、苦手意識を持っている方は多いのではないでしょうか?

 

  • 契約書の進め方がわからず緊張してしまう…
  • 契約書と重要事項説明書をどのように説明すればいいか分からない…
  • そもそも契約ってどの書類を準備すればいいの?

 

今回は、こんな悩みや不安を解決すべく訪問介護の「契約の流れ」や「説明の仕方」をひな形にそって分かりやすく解説します。

本記事を読めば契約業務に不安を抱えている方も、スムーズに契約を進めれるでしょう。

 

使えるトーク例も紹介していますので、参考にしてくださいね。

契約書と重説をどこまで説明すれば良いのかサクッと分かりますよ。

 

※すぐに「契約の説明方法」を知りたい方は下記から読み飛ばしてください。

契約の説明方法へジャンプ

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この記事を書いた人

ヘルパー会議室編集部

くらたろう

30代男性。大阪府在住。東証一部上場企業が運営する訪問介護事業所に3年従事し、独立。事業所の立ち上げも経験。訪問介護の経験は11年目、現在も介護現場に自ら出つつサービス提供責任者として従事している。ヘルパー・サ責の学ぶ機会が少ないことに懸念を抱き、2018年に訪問介護特化型ポータルサイト「ヘルパー会議室」を設立。

【保有資格】 訪問介護員2級養成研修課程修了/介護職員基礎研修修了/社会福祉士/全身性ガイドヘルパー/同行援護従業者養成研修修了  
「ヘルパー会議室」コラム内文章の引用ポリシー
コラム記事内の文章の引用については、著作権法第32条1項で定められた引用の範囲内であれば自由に行っていただいて構いません。ただし、引用にあたっては引用する記事タイトルを明記した上で、当該記事のリンクを必ず貼ってください。近頃、ヘルパー会議室コラム記事の無断転載や言い回しを変えただけの文章が散見されています。運営部により定期的にチェックを行っており、無断転載等が発覚した場合は厳正に対処いたしますのでご注意ください。

訪問介護の契約で「準備すべき3点セット」

訪問介護 契約 準備書類

利用者と訪問介護サービスの契約を行うにあたり『契約書』『重要事項説明書』『個人情報使用の同意書』の3つの書類が必要です。

それぞれ2部づつ用意しておき、契約締結後に1部を事業所で保管、もう1部を利用者に渡します。

 

① 契約書

契約書は、事業所と利用者の合意の証であると同時に、利用者とトラブルになった際のリスクヘッジ(紛争予防)としても重要な意味を持っています。

記載しておくべき項目は下記のとおりです。

  • 契約の目的
  • 契約の期間
  • サービスの中止事由について
  • 契約の終了事由について
  • その他、必要な事項

 

② 重要事項説明書

重要事項説明書は、運営規定をもとに作成されるもので、サービス利用においての重要事項が書かれています。

記載しておくべき項目は下記のとおりです。

  • サービス事業所の概要
  • 事業の目的及び運営方針
  • 従業員の職種、人数、職務内容
  • 営業日、営業時間、サービス実施地域
  • 訪問介護サービスの内容
  • 訪問介護サービスの禁止行為
  • サービス記録について
  • 利用料について
  • 虐待防止の体制
  • 苦情処理の体制
  • 秘密保持と個人情報保護について
  • 事故発生時の対応(賠償保険など)

 

③ 個人情報使用の同意書

個人情報使用の同意書 サンプル

 

個人情報使用の同意書は、ケアマネや他サービス事業所との間で『個人情報を共有する』ことに対して同意をもらうための書類を指します。

例えば、サービス担当者会議など多職種との連携において個人情報を共有する機会があるため、同意書を事前にもらっておく必要があるのです。(※ただし自治体によっては不要としている場合もあり)

 

ちなみに個人情報使用の同意書には「利用者家族の同意欄」も設けておきましょう。

場合によっては家族の個人情報も共有することがあるためです。

 

その他で準備しておきたいもの

その他には

  • 朱肉
  • 捺印マット
  • 名刺
  • 口座振替依頼書(利用料)
  • 利用者宅においておく事業所ファイル(提供記録のひかえを入れておくもの)

などを準備し契約に臨みます。

朱肉と捺印マットを持っていないお宅は多いです。特に朱肉がないと印鑑を押せないので必ず持参してください。

また利用料の支払いに口座振替を指定しているならば、振替依頼書の持参も必須です。

依頼書の提出が遅くなると、引き落としの開始が遅れるため注意しておきましょう。

 

契約書と重要事項説明書は「製本して割り印(契印)を押しておく」

一般的に、契約書と重要事項説明書は複数枚にわたる書類となります。

そのため製本して割り印(正確には契印)を押しておきます。

製本はホッチキスで止めるだけではなく、製本テープなどを使用しましょう。

 

割り印(契印)とは

割り印(契印)とは、複数のページにまたがって作成されている契約書・重要事項説明書の「中身を取り替える」ことを防ぐために押す印を指します。

印を押す位置は下記のとおり。

契約書 重要事項説明書 イメージ

 

このように製本テープと書面が「重なる位置」に事業所印を押してください。

なお、割り印(契印)は表面か裏面のどちらか一方に押しておけばOKです。

 

ちなみにホッチキスのみで製本している契約書だと、すべてのページ間に割り印(契印)が必要となりますので注意してください。

 

契約書・重要事項説明書に必要事項を記入しておく

事業所で使用するフォーマットにもよりますが、契約書・重要事項説明書の「空欄」に必要事項を記入しておきます。

 

事業所の概要 事業所名、住所、電話番号などを記入
職員体制 運営規定に記載されている各職位ごとの人員数を記入
利用料金 サービス利用料金、負担割合に応じた利用者負担額の見積もりを記入
管理者・サ責の氏名 管理者とサービス提供責任者の氏名を記入
苦情窓口
  • 事業所の窓口
  • 市区町村の介護保険課の窓口
  • 都道府県の国民健康保険団体連合会の窓口

それぞれを記入

虐待防止に関する責任者 事業所で定めている虐待防止責任者を記入
賠償保険 加入している損害賠償保険会社を記入
説明日 各書類を説明した日を記入(※当日で良い)
事業所印 必要個所に事業所印を押す(※最終ページ、事業所名のところ)

 

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訪問介護の契約を行うタイミング

次に訪問介護の契約を「いつ行うべきか」についてです。

タイミングとしては

  • 事前訪問時
  • 初回のサービス担当者会議のあと
  • 初回サービス日
  • サービス提供を優先して契約を後で行う(緊急性が高いサービスの場合)

などがあげられます。

たいていの場合、初回サービス担当者会議のあと、もしくは初回サービス時に契約を行います。

 

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訪問介護の契約「3つの前提条件」

次に訪問介護の契約を進めるにあたって押さえておくべき前提条件を3つ紹介します。

 

3つの前提条件
  1. 契約は「1人」で行わない
  2. 能力がない場合は「代理人」を立てる
  3. 契約書類の説明は「要点」を押さえて伝える

 

条件①:契約は「1人」で行わない

契約は利用者宅で行うため、「1人で行わない」ことが重要です。

利用者と1対1で契約を行った場合、後になって「言った」「言わない」となる可能性があります。

事業所の職員2人で行う、またはケアマネや家族に同席してもらうと良いでしょう。

 

たいていはケアマネが同席してくれると思いますが念のため。

 

条件②:判断能力がない場合は「代理人」を立てる

原則、契約は利用者本人が行うものです。

とはいえ認知症状などにより判断能力が十分ではない状況も想定されます。

この場合、利用者に代わり意思決定するものとして代理人を選定し、契約手続きを行ってもらいましょう。

代理人には、利用者の意思や立場を理解している「家族」などが望ましいです。

もし家族が遠方に住んでいるなどの場合は、電話で連絡で契約内容を説明、その後、契約書類を郵送してください。

 

遠方の家族に契約書類を郵送する場合は、返送用封筒の同封も忘れずに。

 

判断能力はあるが署名捺印ができない場合は「署名代行人」を立てる

また判断能力はあるが、身体的な事情(ペンを持てないなど)により署名捺印ができない場合は「署名代行人」を立てましょう。

この場合、契約の意思決定はあくまでも利用者本人が行い、署名捺印のみを代行します。

署名代行人は、基本的に事業所側ではない人物であればOKです。

 

条件③:契約書類の説明は「平易な言葉」で分かりやすく

契約書類に記載されている内容を「最初から最後まで読み上げる」といった説明方法はおすすめしません

契約書、重要事項説明書は固い言葉が使われている公文書です。難しい言葉を長々説明をされても、利用者・家族からすれば疲れるだけで、内容も頭に入らないでしょう。

そのため、相手が分かりやすい平易な言葉で説明することが大切になります。

 

また契約書と重要事項説明書の重複している内容を省く、など時間短縮する配慮も必要です。

 

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【トーク例つき】訪問介護の『契約の流れ』をひな形にそって解説

訪問介護 契約 ひな形 説明方法

ではここからは訪問介護の「契約の流れ」や「説明方法」を具体的に見ていきましょう。

今回は、実際に私の事業所で使用している大阪市のひな形を改良したものにそって説明例を解説します。

 

説明する書類の「順番」

まず契約を進めるにあたり、各書類を説明する順番を知っておいてください。

契約は重要事項説明書 ⇒ 契約書 ⇒ 個人情報使用の同意書の順序で説明していきます。

「契約書から説明するものでは?」と思われたかもしれませんが、これは間違い。

なぜなら契約とは利用者が選択するものだからです。要は、先に訪問介護の重要事項をきいた上で、それについて納得してから契約は結ばれるものというわけですね。

契約の順序が前後してしまうと、話のつじつまが合わなくなるので注意しておきましょう。

 

契約の説明前に利用者に伝えておくべきこと

契約をする前に、「今から何に対する契約をするのか」「どの書類を説明するのか」「分からないことがあれば質問してほしいということ」を利用者へ伝えます。

 

説明例

今から訪問介護サービスを受けるための契約をさせていただきます。

契約にあたって「契約書」「重要事項説明書」「個人情報使用の同意書」の3点、それぞれ2部づつございます。

1部を事業所にて保管させていただき、もう1部を○○様のご自宅で保管していただくものになっております。

各書類すべての内容を読み上げると、かなりの時間がかかってしまうので要点を絞ってご説明させていただきますね。

話の途中で、分からないことや疑問なことがあれば遠慮なく聞いてください。

 

まずはこのように利用者へ伝えればOK。

 

重要事項説明書の説明の仕方

契約の手続きは重要事項説明書の説明からスタートします。

重要事項説明書は、契約する前に利用者に知っておいてほしい重要なことが記載されていますので、説明するべき項目がかなり多いです。

基本的には下記15項目を利用者へ説明してください。

 

  1. 事業所の概要について
  2. 事業所の営業日・営業時間について
  3. 事業所の職員体制について
  4. サービスの内容について(できること)
  5. サービス内容について(できないこと)
  6. サービス利用料金について
  7. 利用料の支払い方法について
  8. 秘密保持について
  9. 緊急時の対応について
  10. 事故発生時の対応について
  11. 居宅介護支援事業者等との連携について
  12. 訪問介護計画書について
  13. サービス提供記録について
  14. 苦情対応、相談窓口について
  15. 提供予定のサービス曜日・時間について

 

事業所の概要について

事業所の概要

 

 説明例

事業所の概要についてです。

私たちは「ヘルパーステーション○○」と申します。

事業所は○○にあって、〇〇様のお宅には自転車でお伺いさせていただきます。

電話番号はこちらに記載しているとおりです。何かありましたらこちらにご連絡をお願いします。

 

事業所の概要は「事業所の名称」「住所」「連絡先」を利用者に説明してください。

 

事業所の営業日・営業時間について

営業日

 

 説明例

次は事業所の営業日・営業時間についてです。

営業日は〇曜日〜〇曜日となっております。

時間は午前〇時から午後〇時までとなっておりますので、電話はこの時間内でお願いします。

 

事業所の職員体制について

職員体制

 

 説明例

次は事業所の職員体制についてです。

職員は管理者が1名で○○という者になります。そのほかサービス提供責任者が〇名、ヘルパーが○名となっております。また○○様の担当のサービス提供責任者は○○がさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

 

ここで担当のサ責が誰かを伝えてくださいね。

 

サービスの内容について(できること)

訪問介護サービス内容

 

 説明例

次は訪問介護でできることになります。

○○様の場合ですと○○にお困りとの事でしたので、こちらの○○をさせていただきます。

 

ここでは上記の画像のような一覧表をもとに、利用者に対してどのようなサービスを提供するのかを説明してください。

 

サービス内容について(できないこと)

訪問介護 できない

 

 説明例

次は訪問介護でできないことについてです。

例えば○○や○○、他にも○○や○○などを介護保険制度上、ヘルパーは行えませんのでご理解いただきますようお願いします。

 

利用者とのトラブルは「訪問介護のできないこと」への理解不足から発生することが多いです。なので、かなり丁寧に説明してください。

必要であれば「できないことリスト」を別紙で作成し利用者へ渡しておいても良いでしょう。

>>「できること・できないこと一覧表」の無料ダウンロードはこちら

 

サービス利用料金について

訪問介護 料金表

サービスの利用料金については、重要事項説明書内または別紙にて料金表を記載して、それをもとに利用者へ説明します。またキャンセル料を徴収している場合は、利用料金を説明する流れで伝えておきましょう。

 

 説明例

次にご利用料金についてはこちらの料金表をご確認ください。

○○様の場合、~~のサービス(加算の説明も)ですので、ひと月で約○○円程度となります。

また初月のみ、初回加算がプラスされますので、初月の利用額は約○○円程度とお考えいただければと思います。

ただしキャンセル料が発生する場合もありますのでご注意ください。

キャンセル料は、前日までにご連絡頂ければ不要、当日のご連絡になると50%、ご連絡を頂けなかった場合は100%を請求となってしまいます。もちろん急な入院や体調の変化が理由であればキャンセル料は請求しませんのでご安心ください。

 

初月は初回加算が発生するので「利用料金が少し高くなる」ことを利用者へ伝えておきましょう。また、キャンセル料や交通費などを徴収する場合は、必ず運営規定にも定めるようにしてください。

参考:訪問介護のキャンセル料はいくら?請求時の注意点と料金設定の方法を解説

 

利用料の支払い方法について

支払い方法

 

 説明例

次に利用料の支払いについてです。

ご利用料金は「現金での支払い」もしくは「銀行口座からの引き落とし」どちらが宜しいでしょうか?

【現金支払いの場合】

請求書を〇日以降に発行し、持参しますので、その際に支払いをお願いします。

【口座振替の場合】

毎月〇日が引き落とし日になります。〇日が休日の場合は翌営業日に引き落としです。

請求書を〇日に発行しますので、事前にご確認をお願いします。

 

口座振替を希望された場合は「銀行口座振替依頼書」を契約後に書いてもらってくださいね。

 

秘密保持について

秘密保持

 

 説明例

次に秘密保持についてです。

私たちは、○○様について知りえた情報を第三者に漏らすことはありません。

また○○様に関する記録書類は、弊社で厳重に管理しておりますのでご安心ください。

 

緊急時の対応について

緊急時

 

 説明例

次に緊急時の対応についてです。

もしサービス中に、○○様がケガをしたり、体調の急変があった場合は、主治医やご家族様への連絡など適切な対応をさせていただきます。

契約が完了しましたら、緊急時の連絡先や順序を取り決めさせていただければと思います。

 

契約完了後に緊急連絡票を作成します。

事故発生時の対応について

事故

 

 説明例

次に事故発生時の対応についてです。

もしサービス中に、○○様にケガをさせてしまった場合や、○○様の物を壊してしまった場合は、弊社が加入しています○○保険にて損害を賠償させていただきます。

ただし2点ご注意いただきたいことがあります。

  • 1点目は事故後、保険会社による事故の調査が行われ、その調査に一定期間の時間がかかること
  • 2点目はケガなど対人事故の場合、症状が固定されるまで入院費や治療費などの賠償金額が定まりませんので、この場合も一定期間の時間がかかること

どちらも事故の種類によって期間が異なりますので、〇週間後や〇カ月後と明確にお答えはできませんが、事故後すぐに賠償金をお支払いできるわけではないとご理解ください。

 

ここでは保険会社による賠償金の支払いまで時間がかかることをしっかり伝えておきましょう。後々トラブルのもとになります。

 

居宅介護支援事業者等との連携について

ケアマネとの連携

 

 説明例

次に居宅介護支援事業者等との連携についてです。

私たちは、ケアマネジャーさんや他の専門職の方々と、常に連携をとりながら○○様のサービスを行わせていただきます。

 

訪問介護計画書について

訪問介護計画について

 

 説明例

次に訪問介護計画書についてです。

訪問介護計画書は、簡単にいうと「○○様が困っていることに対して、ヘルパーが○○の支援をします」といったことが具体的に書かれている書類になります。

この計画書にもとづいてヘルパーは仕事をしますので、原則、計画書にのっていない内容は行えません。

もちろん、○○様の状態が変わったり、新たな意向がある場合は、再度計画書を作り直すこともできますのでご安心ください。

訪問介護計画が作成できましたら、サービス提供責任者の○○より改めてご説明させていただきますね。

 

サービス提供記録について

サービス提供記録について

 

 説明例

次にサービス提供記録についてです。

サービス提供記録はコチラになります(※実物を見せる)

毎回のサービスごとに記録を書き、原本を事業所で保管、ひかえ(写し)を○○様にお渡しします。

またヘルパーが提供記録を書く時間は、サービス時間にふくまれることとなっていますので、サービス終了の5分~10分前には記録を書き始めさせて頂きます。

 

この段階で、用意していた利用者宅に置いておくファイルを渡すと良いです。ファイルに提供記録のひかえ(写し)を閉じておきます。

また提供記録を書く時間は「サービス時間にふくまれる」旨を伝えておいてください。実際にサービス開始した時に「記録はサービス時間が終わってから書くものでしょ」とモメるもとになります。

 

苦情対応、相談窓口について

苦情窓口

 

 説明例

次に苦情対応と相談窓口についてです。

もし、なにか私たちへの苦情・相談がありましたらまずは弊社にご連絡ください。

速やかに対応させていただきます。それでも対応が不十分でしたらケアマネジャーさんや市区町村、国民健康保険団体連合会に対しても苦情を申し立てることができます。

連絡先はコチラにのせているとおりです。

 

提供予定のサービス曜日・時間について

提供予定のサービス曜日・時間

利用者へ提供するサービスの曜日や時間が決まっているのであれば、最後に伝えます。

 

説明例

○○様へのサービスは、〇曜日の〇時~〇時まで、○曜日の〇時~〇時まで、週〇回を予定しています。

また、実際にサービスを開始するにあたって3点ご注意いただきたいことがあります。

 

  • 1つ目が、交通の事情により5~10分、訪問時間が前後する可能性があること
  • 2つ目が、事前に相談させていただいた上で、サービス曜日・時間の変更をする可能性があること
  • 3つ目が、担当のヘルパーは固定ではなく複数名で関わらせていただくこと

 

この3点についてご理解いただきたく思います。

1つ目と2つ目については、100%そうなるというわけではなく、あくまでも可能性があるため、お伝えさせていただきました。

3つ目については、ヘルパーを固定にしてしまうと、もしそのヘルパーが急に休んだり、退職したりといった場合に○○様のサービスが提供できない事態に陥ってしまいます。こういった状況を防ぐためですのでご理解ください。

 

ここでは単にサービス曜日や時間だけではなく、「サービス時間の変更」や「複数名のヘルパーが関わる」ことを伝えておくと良いです。

これらを伝えておかないと利用者から「時間やヘルパーがコロコロ変わる」といった不満が発生しやすくなります。

 

重要事項説明書で不明な点がないか聞く

 

 説明例

重要事項説明書の説明は以上となります。

ここまでで、何か不明な点や聞いておきたいことはありますか?

 

署名捺印は、書類一式の説明が終わってからまとめてもらいます。

 

契約書の説明の仕方

重要事項説明書の説明を終えたら、次は契約書の説明にうつります。

契約書は重要事項説明書とかぶっている個所がかなり多いので省略してOKです。

基本的に、契約書では下記5つを利用者へ説明してください。

 

  1. 契約の目的
  2. 契約の期間
  3. 料金の変更について
  4. 契約の終了について
  5. 契約外条項について

 

契約の目的

契約 目的

 

説明例

この契約は、介護保険を使って訪問介護サービスを受けるための契約です。

○○様が、今後も住み慣れた自宅で生活ができるようにサポートをさせていただきます。

 

契約の期間

契約 期間

 

説明例

次は契約の期間についてです。

この契約の期間は、本日からとさせていただきます。終了日は現時点では決めることができないので、空白とさせていただきます。

また○○様から申し出がない場合は、自動的に更新されます。

 

契約時に開始日を記入してください。

 

料金の変更について

利用料 変更

 

説明例

次に料金の変更についてです。

先ほど重要事項説明書で説明させていただいた、料金は介護保険法で定められているものです。

そのため法改正などにより料金が変わることがあります。

この際は、事前に書面にてお知らせさせていただきますのでご安心ください。

また料金の変更に応じられない場合は、この契約を解約することもできますので、一度ご相談いただければと思います。

 

ちなみに介護報酬改定による単価の変更や新たに加算を取得するなど利用料金が変わる場合は、別紙にて同意書を作成し、利用者へ説明・同意を得て交付してください。

 

契約の終了について(利用者側から解約する場合)

契約の終了 利用者からの事由

 

説明例

次に契約の終了についてです。

この契約は、1ヵ月前までのお伝えいただけましたら、いつでも解約することができます。

ただしヘルパーが正当な理由がなく仕事しなかったり、○○様の情報を第三者に漏らしたり、その他、一般的な常識外の行為がありましたら、すぐに解約することができます。

 

契約の終了(事業所側から解約する場合)

契約の終了 事業所事由

 

説明例

また、こちらから契約を破棄させていただく場合もございます。

例えば

  • 利用料の支払いが2か月以上滞納していて、催促しても10日以内に支払いがない場合
  • 暴力行為やハラスメント行為があった場合

などはこちらから契約を破棄する可能性がありますのであらかじめご了承ください。

 

利用者の中に暴力やセクハラをしてくる方もいます。

契約時にしっかり説明しておきましょう。

 

契約の終了(そのほか)

契約の終了 その他の事由

 

説明例

その他

  • 施設へ入所した場合
  • 要介護度が、自立または要支援になった場合

は自動的に契約が終了することになります。

また要支援になった場合は、この契約を破棄したのち、新たに別の契約を結べますのでご安心ください。

 

利用者の介護度が「要支援 ⇔ 要介護」に変化した場合は、新たな契約が必要です。

 

契約外条項について

契約外の条項

 

説明例

次に本契約に定めない事項についてです。

この契約は介護保険法にもとづく訪問介護サービスの契約となります。そのため訪問介護以外のサービスはこの契約に含まれません。

もし他のサービスを利用したいと感じましたらいつでも相談してください。

こちらからケアマネジャーに相談させていただきますね。

 

契約書で不明な点がないか聞く

 

説明例

契約書の説明は以上となります。

ここまでの説明で、不明な点や聞いておきたいことはありますか?

 

個人情報使用同意書の説明の仕方

契約書の説明を終えたら、さいごに個人情報使用の同意書の説明にうつります。

※個人情報使用の同意書が不要な地域では省いてください。

 

説明例
さいごに個人情報使用の同意書の説明をさせていただきます。こちらの書類は、ケアマネジャーさんや他の専門職の方々と○○様の個人情報を共有させていただく場合がございますので、それについて同意をいただく旨の書となっております。

 

家族がいる場合は、家族の住所と氏名も書いてもらってくださいね。

 

すべての書類を説明してから署名捺印をもらう

契約書類の説明を終えたら、署名捺印をもらい、1部を利用者へ渡します。

また利用料の口座振替依頼書など、その他の必要書類にも記入してもらってください。

 

利用者印の「割り印(契印)」について

割り印(契印)については捺印と同じ印を、製本テープと重なる位置に押します。

下記のようなイメージです。

契印 イメージ

 

ちなみに署名捺印はその場で完了させなくても良いです。長時間の契約で疲れてしまう利用者・家族も多いので、初回サービス時まで書いてもらうようにすればOK。

ただし署名捺印の個所をあらかじめ伝えてあげてくださいね。

 

契約書類の「日付」に注意

契約書類の日付は、かならず初回サービス開始日よりも『前』になる必要があります。

例えば「契約日が2月1日なのに、サービス開始日が1月30日になっている」といった状況は、本来ありえませんので注意しておきましょう。

 

実地指導でもチェックされるポイントなので要注意。

 

契約完了後に、緊急時の対応方法をさだめる

契約完了後に、サービス中に緊急事態が発生した場合の対応方法を利用者・家族と相談し、決定します。

 

  • 救急搬送先の指定病院(あればで良い)
  • 緊急時の連絡順序(救急車なのか、主治医なのか、家族なのか)

 

これらを定め、決まった内容をもとに緊急連絡票を作成します。(初回サービスまでに作成)

サービス中の緊急時対応は、この緊急連絡票をもとに行いますので、利用者宅に置いておく事業所ファイルにも保管しておきましょう。

>> 緊急連絡票の無料テンプレートはこちら

 

初回訪問の日時を伝えて退室

さいごに初回サービスの日時を利用者に伝えて退室します。

またヘルパーの訪問日時を記入したカレンダーを渡しておくと良いでしょう。

>>「ヘルパーサービス予定表(週間カレンダー版)」のダウンロードはこちら

 

かなり長くなりましたが契約の流れはこんな感じです。

基本的なことはすべて網羅できていますので何度も読みかえして参考にしてくださいね。

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さいごに

今回は訪問介護の契約の流れをひな形にそって解説しました。

介護技術のレベルは高いのに「契約になると委縮してしまう」、こんなサ責は多いです。

契約業務は慣れるまで緊張しますし、気持ちは分かります。ですが契約はビビらず堂々とした態度で臨んだ方が良いと理解しておいてください。

なぜなら契約は、利用者からの初対面の印象を決定づけるからです。

初対面がビビっているような態度だと、利用者はマイナスの印象をかなりの長期間引きづることになります。

今後のサービス提供に支障が出る可能性もあるので、契約に自信がないのであれば、他の従業員を相手に契約の練習をつんでから本番に挑みましょうね!

 

また当サイトではサービス提供責任者の初心者向けに『業務マニュアル』を無料で公開しています。

この機会に合わせてチェックしてみてください。

 

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