移動支援のサービス提供における外出の定義は「社会生活上かかせない外出」と「社会参加をするにあたり必要な外出」とされていますが、果たして通院はどうなのでしょうか?
持病があるなしに関わらず、生活していれば幾度となく病院に行く機会はあるので、一見必要な外出なような気もしてきますよね。
そこで今回は実際のところ移動支援で通院介助は可能なのか?について解説していきます。ぜひ参考にしてみてくださいね!
移動支援を使っての通院介助は可能なのか?
導入でも触れましたが、誰しも病院を利用した経験はあると思います。
例えば全身性障害でリハビリが必要な方にとっては、通院してリハビリを行う事は生活上欠かせません。
では、制度上はどのようになっているのでしょうか?
原則移動支援を利用した「定期的な」通院は不可としている自治体が多い
移動支援は自治体によって可否が分かれますが定期定な通院を目的に移動支援サービスを利用することはできないとしている自治体が多いです。
例えば
・大阪府東大阪市
移動支援事業Q&A (higashiosaka.lg.jp)
・広島県東広島市
移動支援事業について(higashihiroshima.lg.jp)
上記の添付資料の通り移動支援での定期通院は基本的に不可とされています。
例外もあり大阪府堺市では下記のとおり
介護保険対象者でなければ移動支援で通院を可能としている自治体もあります。
ただ、ほとんどの自治体では移動支援の定期通院は不可と考えてよいでしょう。
理由としては、基本的に通院については障害福祉サービスの居宅介護に「通院等介助」というサービスがあるからです。
定期的な通院に関しては居宅介護の通院等介助を優先して利用するようにとしています。
しかし、だからと言って絶対に移動支援を利用して通院に行くことができないというわけではありません。
始点が自宅でなければ移動支援での通院は可能な場合も・・・
移動支援サービスの始点が自宅でなければ通院の為に通院を行うことができる場合があります。
例えば、日中通っている事業所や余暇等での外出先で体調が悪くなってしまったり、怪我をしてしまったという事態が発生し、緊急で通院を行う必要がある場合などには移動支援を利用して通院を行うことをOKとしている自治体もあります。
ただし市町村によって違いがありますので前もって問い合わせてみてくださいね!
移動支援で通院を行う際の算定方法について
先の大見出しでケースによって移動支援を利用して通院を行う事ができる事を解説しました。では、実際に通院をした場合どのような部分を算定することができるのでしょうか?
基本的には移動に関わる時間のみ。
移動支援を利用した通院の場合、加算を取ることができるのは基本的に通院をするに当たりかかった時間のみとなります。
院内での介助については病院のスタッフが行うという事が原則とされているため算定はできません。
また、車両をした場合、車両での移動中は加算を取ることができません。
しかし、これらは原則的なものであり、ケースによっては加算を取ることができます。
障害特性を理由にヘルパーの介助が必要な場合は院内も一部算定可能な場合も
例えば、
- 外出先で病院に行く必要が生じ、初めて行く病院で利用者がパニックを起こしてしまう事が想定される場合
- 全身性障害を理由に病院内でも慣れているスタッフの介助が必要とされる場合
は、院内での介助を行った時間も算定の対象になります。(ただしこの場合も院内で介助を行った時間のみ算定ができます。)
また、車両を利用する場合でも、てんかん等の理由により、ドライバー及びいつでも対応できるスタッフが同乗していた場合等は移動の時間も算定対象となります。
どうしても移動支援サービスの特性上、詳細なルールは自治体によって違いができる為、想定できるケースごとに自治体へあらかじめ相談をしておく方が滞りなく請求業務を行うことができますよ!
まとめ
移動支援では原則通院及び通院介助を行うことはできませんが、解説の通り状況によってはサービス利用の対象となります。
自治体のルールやサービス提供の範囲をしっかり確認して、緊急時でも落ち着いて支援に当たれるようにしましょう。
※移動支援のサービス内容から制度面までを網羅的に解説した【完全マニュアル】を公開しています。
この機会に下記からチェックしておきましょう!