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【体験レポ】大阪市の運営指導(訪問介護)がやってきた!当日の流れと指摘事項を公開していく

 

令和7年9月16日、ヘルパー会議室が運営する訪問介護事業所に、大阪市の運営指導がやってきました。

ここ数カ月の間、知り合いの訪問介護事業所が立て続けに運営指導に入られています。現在、大阪市では介護保険の訪問介護等に係る運営指導を市職員ではなく「公益社団法人 大阪介護福祉士会」に委託しており、効率化・スピードアップが進んでいるようです。(全国的にも、事務受託法人を活用する自治体は増えていますね)

「運営指導って何を突っ込まれるの?」「やっぱり怖いの?」と不安に思っている管理者やサ責のみなさんに向けて、事前準備から当日の雰囲気、具体的な指摘内容まで、リアルな体験談を包み隠さずシェアします!

 

今回は、大阪市の運営指導のリアル体験レポートです。
訪問介護の運営指導を受けるのはこれで4回目ですが、介護福祉士会が来るパターンは初でした。
去年の9月に受けたものなので、本当はもっと早く記事にしたかったんですが、なかなか手が回らず…。少しでも日々の運営の参考になれば嬉しいです!

 

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まずは運営指導を受けた事業所の基本情報を整理しておく

 

指導内容は事業所の状況や体制によって変わりますので、まずは事業所の基本情報を整理しておきます。

事業所名 ケアステーションnagi
指定権者 大阪市
指定を受けている介護保険サービス 訪問介護、総合事業(介護予防型訪問サービス・生活援助型訪問サービス)

※居宅介護、重度訪問介護、同行援護、移動支援の指定も受けており、同事業所にて一体的に運営しています。

指定日 令和6年12月1日
運営指導日 令和7年9月16日
当該事業所の運営指導回数 1回目
体制加算 介護職員等処遇改善加算Ⅱ
研修の頻度等 ヘルパー会議室の公開コラムや事業所マニュアル、自治体資料等を資料にして月1回程度実施
通院等乗降介助の有無 なし
ICT化の状況 サービス提供記録等を電子記録で対応
規模感 職員数6名程度の小規模事業所

 

特定事業所加算を取得していない小規模な事業所です。特定事業所加算を取得している場合、全国的に見ても運営指導でのチェックが厳しめになる傾向にありますので、ご注意ください。あくまでノーマルな小規模事業所を前提として読み進めてもらえればと思います。

 

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運営指導の通知はいつ来た?事前準備は?

 

本番の約1ヶ月前に、大阪市から「運営指導の実施及び関係書類の事前準備について(通知)」という書面が届きました。(実際には手元に届いたのは3週間前くらいだったかな?)

封筒には上記とあわせて、「当日準備書類一覧表」と、当日に検査員に渡す「従業者の勤務体制及びサービス提供時間一覧表」「従業者の資格一覧表」が同封されていました。

当日準備書類一覧表には、人員・運営・介護給付費等に関する書類が記載されています。(大阪市のホームページ上で公開されていないため当記事での画像公開は一応控えますが、一般的なもののみで、特段変わった書類の準備は求められません)

なお、「従業者の勤務体制及びサービス提供時間一覧表」と「従業者の資格一覧表」のフォーマットは、以下大阪市ホームページよりダウンロードすることも可能です。

大阪市:居宅サービス事業所等に係る運営指導当日準備書類等について

 

ちなみに大阪市の場合は、事前に市へ提出する書類はありません。

 

当日準備書類一覧表を順に確認していく

当日準備書類一覧表に記載されている人員・運営・介護給付費等に関する書類を、大阪市の基準条例や告示、通知などと適合しているか一つずつ確認、整理していきます。(介護給付費等については、令和6年8月から直近請求分までとのことで、当事業所の場合は約10か月分を整備。通常は1年。)

当事業所は、基本的にはサ責白本に沿って書類整備などを行い、大阪市の取り扱いに合わせてカスタマイズする方法で運用をしています。このため、基本的な書類整備はできており、指定取り消しや指定効力の停止などはまずありえないだろうと。

報酬返還だけは避けたかったので、訪問介護計画やサービス提供記録、加算減算関連書類などは、重点的にチェックしていきます。

 

ただ、改めて確認してみると「提供記録の開始・終了時刻がプランとまったく一緒のやつがちょこちょこあるし特記事項の内容も薄すぎる…」、「院内介助を算定する場合のサ担会議録の内容が根拠として足りなそう…」といったことが発覚。

 

ですが、いまさら考えても仕方がありません。担当サ責には今後はこういう風しよう等と指導しつつ、まあ重要な部分は押さえているし大丈夫だろうと判断しました。

 

担当サ責との情報共有とシュミレーション

運営指導は、指定訪問介護事業所が法を遵守した適正な運営をしているかを確認し、指導するというものです。基準省令(実際には大阪市の基準条例)や報酬告示、解釈通知、留意事項通知、その他関係通知をきちんと理解しているかを試される場とも言えます。

もちろん各書類が整備されていることは当然に重要ですが、当日に検査員から受ける質問等に対して根拠を持って回答できるかも非常に重要です。的外れな回答をしてしまうと、そこをつっつかれるなんて話はよくあります。

このため、ケースごと書類ごとにこういう質問が来るだろうと仮想質問と回答をあらかじめ準備し、担当サ責の入念に打ち合わせを行いました。

 

とはいえ、実際のところ当事業所のサ責が先の条例や告示、通知などをしっかり把握しているかというとそうではありません。なので、私が受け答えできるようにケースの詳細を把握してシュミレーションをしました。

私もサ責(管理者兼務)なんですが、障害福祉の担当ばかりで訪問介護の利用者はざっくりとしか把握してないんです…。

 

電子化している書類の対応

大阪市の場合、コンピューター処理により管理している書類をわざわざ用紙出力する必要はなく、パソコン等の画面を提示して確認してもらいます。ですが、当事業所はサービス提供記録を電子化している利用者と紙で対応している利用者の両方がいまして、面倒なのですべて用紙出力して対応することにしました。

 

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運営指導本番!当日の流れと雰囲気

 

いざ運営指導本番です。何も不正はしていないですが、何回受けてもドキドキします。

当事業所の対応職員は、私(管理者兼サ責)とサ責の2名とし、基本的には私だけが対応する形をとりました。

 

事業所内の確認

当日は10時~13時の予定でしたが、当事業所は少し場所が分かりにくいこともあり、15分前くらいに検査員の方が到着。通知書には担当職員(予定)として2名のお名前があったのですが、実際には違う検査員の方が3名来られました。

到着後、首からぶら下げている名札を見せつつ「今日はよろしくお願いします」とご挨拶し、検査員の方々が事業所内をざっと確認されます。当事業所は、2階建ての戸建でして、2階フロアを書類閲覧スペースとして提供しました。

 

各書類の確認

当日準備書類一覧表に記載されている書類をそこに運び、利用者に関する書類は複数名分をファイルごとドンと渡してチェックしてもらいます。検査員の方が2階にこもって黙々と書類を見る間、私は1階で通常業務をしながら待機。呼ばれるたびに2階へ上がり、たんたんと質問へ答えていくというスタイルです。

よく他のスタッフが抜き打ちで質問されることがあるのですが、今回はそういった場面はなく、私がすべて答えています。

 

余談ですが、過去に受けた大阪市の職員による運営指導では、驚くほど高圧的で信じられないくらい厳しかった(当時の話で行政職員にもよります)のですが、今回の介護福祉士会さんの運営指導はそれほど高圧的って感じではなく和やかな場面もありました。

 

検査員から受けた質問

 

書類チェック中に検査員の方から飛んできた質問をメモしていたので、その中からいくつか紹介します。

 

Q. 事業所と同じ番地に利用者はいませんか?

これは同一建物減算の対象にならないかの確認ですね。当事業所は戸建てですが、同じ住所に別の複数の家が建っているため確認されました。

 

Q. 医療費控除の対象となる医療系サービスは何か分かりますか?

訪問介護と併せて医療系サービスを利用している場合に、サービスの対価に係る自己負担額(生活援助を除く)が医療費控除の対象となり、領収書に対象額を記載しなければなりません。この取り扱いについて理解しているかの質問ですね。

 

Q. 利用者負担額の回収はいつ行っていますか?

当事業所では、サービス提供月の翌月中には回収しているのですが、直近で契約終了した1名が諸事情で未収だったため確認されました。早めに利用者負担額の支払いを受けてくださいねとのこと。(状況と回収の目途は伝えてます)

 

Q. モニタリングはどの程度の期間で行っていますか?

「3ヶ月~6ヶ月に1回、少なくとも訪問介護計画に位置づけた短期目標の期間内に1回は行っています」と答え、検査員の方からは、「それで良いです。近頃はロングケアプランが増えているので注意してください。最低でも6ヶ月に1回は行ってくださいね」とのこと。

 

これについては、あまり記憶が定かではないのですが、趣旨としてはロングケアプランの増加により、訪問介護計画の短期目標期間をケアプランと一緒にしてしまうと1~3年とかになってしまうため良くないよ、と。だから少なくとも半年に1回はやろうねってことだと思われます。

なので、うちの訪問介護計画では、ケアプランの長期・短期目標の期間が長い場合は、一緒にせず、長期6~1年・短期3~6ヵ月とかにしてます。

 

Q. ケアプランにあるサービス内容はすべて訪問介護計画書に記載されていますか?

検査員が双方の書類を確認しながら「載っていますね。OKです。実際には提供されていないからといって、ケアプランにあるサービス内容の一部を計画書に載せていない事例がよくあるので確認しました」とのこと。

 

これは、例えば、普段は掃除や買い物などの生活援助しか提供していなくても、ケアプランをよく見ると、「不定期で○○へ車いす使用にて外出介助(買い物同行)」とか「通院介助」とかが入っていたりしますよね。こういうケースで、外出介助や通院介助も訪問介護計画にきちんと位置づけてくださいねという話です。ケアプランと訪問介護計画は整合していなければなりません。

 

Q. 訪問介護計画書はケアマネに提出していますよね?

ケアマネに提出自体はしているのですが、検査員の方より訪問介護計画書の様式にケアマネ提出済と分かるよう欄を設けるのが良いとのこと。(直接手書きで付記でも良い)

 

これについては、以下の記事を書いていたのですが、基準上の義務ではありませんので、すっかり抜け落ちていました。

訪問介護計画書はケアマネに渡すべき?義務のあるなし

 

Q. BCP(自然災害発生時の業務継続計画)の訓練は何を行う予定ですか?

○○など仮想の災害でシュミレーションを行う予定と回答すると、そんなに仰々しいものでなくて良いと、検査員の方が訪問介護事業所向けにやりやすい訓練の例を教えてくれました。

 

その後、教えてもらった訓練を実際にやりました。詳細は長くなるので割愛しますが、知りたい方には個別にお伝えしますね。

 

口頭で受けた指導の内容

 

続いて、検査員から受けた口頭指導の内容を紹介します。

 

院内介助が必要な場合のサービス担当者会議の記録について

院内介助(移動介助や排せつ介助など)が必要な場合は、サービス担当者会議の記録に「○○な状態だから○○の介助が必要」と院内介助が必要な理由をもう少し詳細に残すことと指摘を受けました。一方で、訪問介護計画の当該箇所に係る所要時間(移動介助1分、2分など)は実態に即していて、形式的に5分などとしていない姿勢はとても良いとのこと。

 

これは事前準備の段階で懸念していたとおりの指摘です。

昔から大阪市で院内介助を算定する場合は、

  • ① 院内介助が必要な状態であることを確認する
  • ② 院内介助が必要な状態である場合、受診先の医療機関に院内介助の体制があるか否かを確認する
  • ③ ①,②の状況をもって、サービス担当者会議で検討した結果、利用者の状態等から院内での介助が必要であることの判断がなされた場合、サービス担当者会議の記録にその旨を明記すること

とされています。このとおりに指摘を受けた形ですね。

⇒ 厚労省通知

 

研修記録について

研修実施記録について、「振り返り・気づき」が単なる感想になっているため、「所感」を書くようにと指摘を受けました。

私として所感を書いていたつもりでしたが、検査員の方に所感とは?とお聞きすると「研修内容を実際のケアにどう活かすか」を書くようにとのことでした。

 

個人情報使用の同意書について

個人情報使用の同意書について、緊急連絡先を家族としている場合、別居であっても当該家族から文書で同意をもらうこと、また個人情報の使用期間について、「契約締結日から契約終了日までとする」等、明記しておくようにと指摘を受けました。

基本的に遠方の別居家族であっても同意書はもらっていたのですが、1名確認漏れがありました。遠方の場合は郵送でも良いとのこと。
また、個人情報の使用期間については、昔から広く一般的に使われいる様式を使用していて、前の運営指導ではクリアしていたはずが…。今回はダメだったようです。

⇒ 個人情報使用の同意書とは?

 

サービス提供記録について

サービス提供記録の開始・終了時刻は、サービス提供票の時間ではなく、実際にサービス提供を行った時間を適切に記載すること(特に開始時刻)、また、サービス実施内容やサービス実施時の利用者の心身の状況について、もっと具体的に記載してくださいと指摘を受けました。

 

これも懸念していたとおりの指摘です。

サービス提供記録の一部に指摘された内容の記録がありました。ケアプランと同じ9:00~10:00と書かれていたり、特記事項欄に「体調お変わりありません」としか書かれていなかったり。

ヘルパー会議室で偉そうにサービス提供記録の書き方について記事を公開しているのにも関わらず、指摘されるなんて本当に恥ずかしすぎる…。後日、以下の記事をもとに研修を行いました。

⇒ 訪問介護のサービス提供記録(実施記録)書き方マニュアル

 

結果発表|文書指導ナシ!講評と運営指導後の流れ

 

資料等の確認が終わり、講評の時間です。

終了後にその場で「運営指導メモ」が交付されます。(指摘事項が書かれていますが、これは文書指導ではなく、正式な運営指導の結果は1~2か月後に大阪市福祉局より届きます。)

運営指導メモには、口頭指導の内容の一部が記載されています。

最後に検査員の方から運営指導の総括的なお言葉をもらいました。当事業所は「他の事業所と比べてかなり指摘項目は少ないと思います。研修もこれだけしっかりされているなら、提供記録の特記事項さえもう少し具体的にきちんと書けば、特定事業所加算とれますよ。」とのこと。

 

いくつか指摘はあったものの、なんやかんやで最後には褒めてもらえました。

特定事業所加算は運用が面倒なので、今のところ取得する気はないですが。

 

約1か月後に運営指導の結果通知が届いた

運営指導の約1ヶ月後に大阪市福祉局より「運営指導の結果について(通知)」という書面(当事業所の場合はメールでデータ送付)が届き、無事に「文書による改善指導事項なし」で終了!

 

とりあえず大きな問題はなく終了してホッとしました。

 

さいごに

今回は、大阪市の運営指導について体験談をみなさんにシェアしました。当事業所がされた指摘事項などを公開するのはかなり恥ずかしいことではありますが、少しでも参考になったら嬉しいなと思い書いた次第です。

大阪市職員がやる場合も介護福祉士会がやる場合も本質は同じですが、運営指導では、やはり適正な運営をするために遵守すべき基準省令(実際は条例)や報酬告示、通知などの法的な理解度がとても重要だなと改めて思いました。

特にサービス提供責任者は、自分が担当するケースについて検査員から質問されたとき、「これはこうだから、この書類が根拠になる」と論理的に説明できる必要があるなと。とはいえ、基本的には当サイトで販売している「サ責白本」をベースにして運用してもらえれば問題はなさそうです。

本書は以下リンクから買えますので、よかったら購入を検討してみてください。

⇒ サ責白本の購入はこちら

 

当事業所の書類を見てみたいですか?

ただし、サ責白本は各地域の取り扱いやローカルルールに対応しているわけではありません。ですので、実際の運用においては本書と実際の書類では異なる場合も当然ながらあります。

そこで、このレポを書きながらふと思ったのですが、当事業所の訪問介護計画書やモニタリング、研修関係、加減算関係、必須マニュアルなどの各書類をお見せする機会を作るのはどうでしょうか?

もちろん、お見せする際は個人情報が特定できないよう完全に加工(マスキングや架空設定への変更など)した状態にはなりますが、リアルな書き方のニュアンスや、重点ポイントなどは伝わるのかなと。

ただ私自身、めちゃくちゃバタバタしていますので、申し訳ないですが開催のお約束はできません。「運営指導めっちゃ不安だから見てみたい!」「オンライン座談会をやってほしい!」という声が多く集まるようであれば、企画してみようかなと考えてます。

 

ぜひ、以下のフォームからみなさんの反応を聞かせてください!

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