障害福祉サービスの居宅介護では、日常的に必要とされている買い物はヘルパーが同行することができます。
果たしてこの場合、算定は身体介護になるのか、家事援助になるのかイマイチよくわからない…なんて人もいるかもしれません。

今回の記事では、居宅介護の買い物同行に関する算定方法を詳しく解説していきます。
そもそも居宅介護で買い物「同行」は可能なのか?
障害福祉サービスには居宅介護だけではなく、移動支援・行動援護・同行援護といった移動系サービスも存在しています。
ヘルパーも買い物へ同行するのであればそちらのサービスを利用して…という風に考えてしまいそうですが、果たしてどのように決められているのでしょうか?
基本的に居宅介護で買い物はヘルパーが「代行」して行うとされている
利用者の日常生活に必要な買物を家事援助で行う場合は,ヘルパーによる代行サービスが基本となります。
そもそも居宅介護は家の中での支援を指しますので外出介助を行う場合は移動支援などの外出系のサービスを利用する必要があります。(通院等介助は除く)
通院等介助では、当然本人が病院へ行かなければ医師も適切にその人の状態を診断することができません。
また、公的な手続きについてもヘルパーによる代理手続きは認められておりません。こちらもケースは様々ありますが、代理が認められるのは成年後見人または家族が原則とされています。
買い物については、必要なものを事前に本人から何らかの方法で確認を取ることでヘルパーのみで行う事が可能であり、必ず本人も行かなければならない事ではない。とされているからです。
ただし必ずしも本人が買い物についていくことは禁止されていない
基本的には買い物は代行することが原則ですが、法律上明確に禁止されているというわけではありません。
中にはどうしても一緒に行きたいという強いニーズを持っている方や、障害の特性上、目が離れてしまう時間があると危険。という方様々なケースがあります。
最終的な判断は自治体によって異なりますが、本人と一緒に買い物に行くことも不可能ではありません。
例えば福岡県福岡市ではしっかりと明記されています。下記の資料のP7を参照ください。
障害者総合支援法に関するサービス内容等について(H29年 福岡市障がい者在宅支援課)
居宅介護の買い物同行は身体介護?家事援助?
居宅介護における買い物サービスの基本的な解釈を整理したところで、いよいよ本題に入っていきます。
居宅介護では買い物同行は「家事援助」として算定
居宅介護で買い物に利用者がヘルパーに同行する際は基本的に家事援助での算定となります。
先に解説した通り、買い物は基本的にヘルパーが代行するものとされている為、本人の身体に関わらないとされている事が大きな理由です。
また、居宅における買い物とは日常生活に必要な物とされている為、本人の食事の為に必要な食材や洗濯に必要な洗剤等を想定されています。
身体介護・家事援助・通院等介助及び通院等乗降介助のどの項目にも「必要な支援の準備や片づけも該当する」とされている為、買い物は食事や掃除・洗濯の準備として捉えられています。

買い物に本人が同行した場合、仮に本人の身体に関わる支援を行ったとしても、本来移動系サービスを利用するべきとされている為、身体介護として請求することはできないわけです。
介護保険の訪問介護では身体介護なのですが、障害福祉サービスの居宅介護では家事援助になるのです。
まとめ
今回は居宅介護における買い物同行について解説しました。
居宅介護で買い物支援は頻度の高いサービスになります。その中には一緒に買い物に行きたがる利用者も多くいます。移動支援の支給決定はどの利用者も受けれるわけではありませんし、買い物に同行することが本人の支援にとっては大事な場面もあるでしょう。
ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね!最後までお読みいただきありがとうございました。