訪問介護で働いているヘルパーは、利用者の体調確認のため血圧測定を行うこともあるかと思います。
しかし、介護士は原則として医療行為を許されてはいません。
当然のように行っている血圧測定は、医療行為に該当しないのでしょうか。
今回は介護保険制度を見直しながら、血圧測定について再確認をしてみましょう。
ヘルパーの血圧測定は医療行為ではない
結論から申しますと
血圧測定は医療行為に該当しないので行うことができます。
ただし、自動血圧計に限るという条件が付いているので、注意をしてください。
看護師がよく使用する水銀血圧計は、介護士には認められていませんし、技術がない者が扱うと皮下出血を起こしてしまうので、絶対に使用しないようにしましょう!
要注意!数値を見て自己判断してはダメ!
血圧測定は医療行為に該当しませんが、ヘルパーが血圧測定の数値を見て、自己判断してしまうことは認められていません。
例えば、「今日はいつもより血圧が低いから降圧剤を飲むのは止めたほうがいいですよ」と
ヘルパーが自己判断をして服薬の中止を促すなどです。
もちろん、医師から『血圧が~以下なら中止』と指示が出ているのであれば大丈夫です。
その場合は、ヘルパー、事業所、ケアマネージャーなど、支援に関わる他職種とも共有する必要があります。
あくまでヘルパーが自己判断してはいけないという話なので、注意をしていきましょう!
医療行為から外れた背景と訪問介護への期待
ヘルパーは血圧測定を行うことができますが、昔は医療行為とされていて、ヘルパーは血圧測定を行うことができませんでした。
平成17年に医療行為の見直しがあり、血圧測定が解禁され、同時に水銀や電子体温計での検温、血中酸素飽和度の測定も解禁されました。さらに現在では、研修を受ければ喀痰吸引も行うことが可能になりました。
これには、高齢化が進み、地域包括ケアシステムという『住み慣れた地域で最期まで暮らす』という考え方が推進されている背景が少なからず関係しています。
これからはますます在宅介護が中心となります。そして、在宅介護を支えるには、訪問介護は必要不可欠です。そのため、ヘルパーの行える医療行為も広がる可能性があり、訪問介護への期待も高まっていると言えます。
医療行為に関しては下記に詳しく紹介していますので参考にしてみてください!
血圧測定時に注意する3つのポイント
自動血圧計はボタン一つで測定をすることができるので、非常に便利な道具です。
しかし、使用するヘルパーが正しい知識を持っていないと正確な数値を測ることができません。
ここでは、血圧測定時に注意する3つのポイントを説明します。
同じ姿勢で測定する
本来であれば座っていただいて、心臓の高さに上腕を合わせて測定するのが基本ですが、中には座位になるのが難しく、横になって測定しなければならない人もいます。
その場合は可能な限り同じ姿勢で、上腕と心臓の高さを合わせて測定するのが好ましいでしょう。
事前に事業所内で測定時の姿勢について話し合って決めておくと、信ぴょう性の高い測定結果になります。
同じ時間の数値を比較する
訪問介護は、日によって支援に入る時間が異なることもあります。
その場合は、同じ利用者であっても、同じ時間に測定した数値を比較するようにしましょう。
例えば、月曜日は10時、木曜日は15時に支援に入るとして。午前と午後では血圧の数値も異なりますし、内服で血圧を管理している人なら尚更です。
月曜日10時の血圧は、木曜日の15時ではなく、先週の月曜日10時の血圧と比較するのが好ましいでしょう。
同じ血圧計で測定する
自動血圧計にも様々なメーカーがあり、上腕で測るタイプや手首で測るタイプもあります。
物によっては、数値に若干の違いが出ることもあるので、可能であれば血圧計は統一して、同じ血圧計で測定をしたほうが確実です。
特に手首で測るタイプは、心臓の高さに合わせることが上手くいかず、誤差が生じる可能性が高くなります。一
方で持ち運びが楽にできるという訪問介護にとっての利点もあるので、手首のタイプが駄目だというわけではありません。
どちらを使うにしても、統一をしたほうが利用者の血圧が安定しているのかを判断するには適しています。
まとめ
今回はヘルパーの血圧測定に関して解説しました。
当サイトでは他にも訪問介護で注意しておくべき医療行為の範囲をまとめてます。
この機会にチェックしてみてくださいね。
※ホームヘルパーの仕事内容が知りたい方は下記をどうぞ。
※サービス提供責任者の仕事内容が知りたい方は下記をどうぞ。