生活機能向上連携加算は在宅に住んでいる方が対象の加算であり、訪問介護には2018年の法律改正によって定められました。
訪問介護以外でもデイサービスや介護付き有料老人ホームやグループホームなどでも適用される加算です。

ここでは
- 生活機能向上連携加算の算定要件と単位数
について解説します。
取得できる加算はしっかりとりましょう!
訪問介護が生活機能向上連携加算を算定するための要件とは?
生活機能向上連携加算は平成30年の介護報酬改定で見直しがありました。
下記が見直し内容です。
平成30年度介護報酬改定における各サービス毎の改定事項について
今回はこの資料を基に解説していきます!
では算定要件について詳しくみていきましょう!
生活機能向上連携加算Ⅰ
- 訪問リハビリ
- 通所リハビリ
- 医療機関のリハビリ専門職(理学療法士、作業療法士、言語聴覚士や医師)
- 上記の職種が在宅に住んでいる利用者の身体状況を把握したうえで、サービス提供責任者に助言を行う。
- サービス提供責任者が生活機能の向上を織り込んだ訪問介護計画書を作成。
1,2を満たした場合に算定することが出来ます。

ちなみに利用者の身体状況を把握するのは、情報提供を受けるだけではなく
利用者の動画を確認したりなども含まれます。
生活機能向上連携加算Ⅱ
こちらはⅠよりもさらに要件は厳しくなります。
リハビリの専門職(医師を含む)にⅠであれば情報提供や動画の提供だけでよかったのですが
こちらは実際に訪問をする必要があります。
日程調整などの手間が必要になりますし、足を運んでもらわないといけませんので、相手側に承諾をしてもらう必要もあります。
単位数について
Ⅰ・・・100単位
Ⅱ・・・200単位
となります。

1か月に1度のみ算定が出来きますので注意しておきましょう!
生活機能の向上とは何を指すのか?
生活機能向上連携加算はその名の通り、生活機能を向上してもらうためにリハビリ職と連携をする加算となります。
それでは生活機能とはどのようなものを指すのでしょうか?
ADLの向上が原則となる
トイレに行く動作、ベッドから起き上がる、入浴をするなどのADL(日常生活動作)と生活機能は非常に密接に関わっており、生活機能=ADLと考えて間違いはありません。
そのため、生活機能の向上を行うためには、トイレに行くまでの動作をチェックする、お風呂の手すりの有無や浴槽の高さ、ベッドから適切に起き上がるためにはどのような動作が必要なのかリハビリ専門職が助言をしていきます。
訪問介護現場での生活機能向上連携加算の事例
生活機能向上連携加算を算定することによって、リハビリの視点が入ります。
リハビリは体の動かし方や、スムーズに日常生活動作が出来るようなアドバイスを行うことが出来ます。
ヘルパーとしては、そういった助言などを受けて、生活リハビリに生かすことがその方の自立支援に繋がるとされています。
具体的に見ていきましょう。
「ケース1」調理での生活リハビリ事例
Aさんは片麻痺で満足に動くことが出来ない。しかし、料理をしたいという希望は以前から持っている。
ヘルバーは調理の支援をしていたが、Aさんには手伝ってもらわずにヘルパーのみで調理を行っていた。
サービス提供責任者(以下サ責)は訪問リハビリに協力を要請して、助言をもらうことにした。
Aさんは物を持てる力があり支えがあれば野菜などを切ることが出来ると分かった。
サ責は訪問介護計画書にAさんの調理の際に、切る物についてはAさんに行ってもらうように記載した。
Aさんは自身が調理の一部を出来ることを知りとても喜ばれていた。
こういったケースは良くあります。なぜヘルパーがー人で全部調理をしていたかというと事故などのリスクがあったからです。
しかし、リハビリの専門順に身体機能をしっかりと見てもらい、ポイントを押さえておけば事故なく切ることを出来ることが分かりましたね。
「ケース2」住環境の改善から転倒が無くなった事例
Bさんは伝い歩きで部屋の中を移動していたが、今まで何度か転倒を繰り返していた。
サ責はBさんのかかりつけ医の往診の際に同行をして、医師から生活環境についてアドバイスをもらった。
Bさんは手すりの位置が悪く、手すりを持つことによって体を支えることができなかった。
手すりの位置を修正することによって転倒を予防してスムーズに動けるようになった。
医師も共同し、ケアマネなども含めたBさんの住宅環境を改善することによって転倒なく過ごせるようになった。
このようなケースもあります。
生活機能向上連携加算は生活機能を向上させるだけではなく、生活をしやすいように環境整備を行う目的もあるのです。
まとめ
今回は訪問介護における生活機能向上連携加算について解説しました!
生活機能向上連携加算は、実施出来ればリハビリの意見を取り入れたサービスを実施できるので非常に有効ですが、その算定には他事業所の協力が必要ですので、ハードルが高くなるケースもあります。
どうしたら共同してくれるのかも含めて、算定を検討していく必要がありますね。
最後までお読みいただきありがとうございました!少しでも参考になれば幸いです。